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【ファゴット】分散和音でスケール練習の総仕上げ。全ての楽器で使える音階練習!【分散和音練習】

全国39県で緊急事態宣言が解除されてこれから部活で吹ける!と希望を持っている吹奏楽部やオケ部の方も多いと思います。アマオケやアマブラスの再開も解除された県では対策をしつついつ始められるか検討に入ったのではないでしょうか。

さて、5回にわたって進めてきた音階練習シリーズも今回が最後です。大事なスケール(音階)を様々な形で丁寧に練習していきましょうと発信してきました。今までの形で練習するだけでも調によってはかなり難しく、結構な時間がかかるかもしれませんね。でも、その基礎練を続けていくことで自分の演奏のレベルアップができます。一つずつ丁寧にやっていきましょう。

最後に紹介するのは分散和音です。音階練習1〜3はウィーン留学したときにヴェルバ(当時ウィーンフィル首席ファゴット奏者)に習ったものです。4の様々なバリエーションはドイツのワイマール(歴史にワイマール憲法って出てくるから有名な街ですね)の国際講習会でトゥーネマンが言っていたことです。様々なバリエーションをやることで飽きないように、さらにいろんな形を練習することで自分の基礎力も上げていくということです。今回はウィーン時代に習ったヴェルバの教えに戻ります。

今回の動画↓

【ファゴット】全ての楽器で使える音階練習!!最後は分散和音!!【音階練習】

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ウィーンフィルの伝統を守るファゴット奏者ヴェルバの音階練習

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さて、先ほど述べたように私が紹介する音階練習は基本的にウィーンの師匠ミヒャエル ヴェルバに習ったものです。長らくウィーンフィル首席ファゴット奏者を務め、ここ五年間は二番奏者として演奏し、今年の八月で定年を迎える予定でした。武漢から始まったコロナ禍によって最後の約半年は演奏をせずに定年を迎えるかもしれませんね。残念なことです。

さて、ヴェルバの音階練習はこれまでの1〜3と今回の分散和音です。

音階→二度練習→三度練習→分散和音

これがヴェルバのレッスンではまず最初にやらされます。慣れてくるとなくなりましたが、習ってしばらくはまずスケールからやらされます。それで生徒が今どんな状態かを確認すると言っていました。確かにこの四つをしっかりできるには良いリードと制御力が必要です。ちなみに私は三度練習と分散和音の間にバリエーションを入れます。そう、今回紹介した順ですね。


主和音

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その調の主和音を分散和音で練習します。ヘ長調ならファラド、ハ長調ならドミソ、ト長調ならソシレです。これはまずマルカートで弾むように練習してみてください。

私が動画で吹いてるのはいまいちですが(笑)ただ音を切るのではなく弾む感じ。高いド(ハイC)が出ない方は一オクターブ下げてください。

これも響きを作ることが目的です。その調の響きを感じて作ってみてください。時々チューナーで確認するのは良いですが、全ての音で確認する必要はありません。ピアノや音が出るチューナーなどで主音(ヘ長調ならファ)を長い音で鳴らしてる中で自分の音がその中に入るように演奏してみるのも一つの練習法です。三和音を鳴らして練習するのはあまりお勧めしません。ピアノだと平均律なので濁るからです。

その後、スラーをつけたりしてバリエーションをつけても良いでしょう。スラーでは音の変わり目が綺麗になるように気をつけて。


属七和音

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主和音の後は属七にいきます。属七の解説はこちら。五度の和音(ヘ長調だとドミソ)に七度の音(ヘ長調だとシ♭)を付けた和音。非常に緊張感があり不安定な和音です。

これもまた響きを感じてください。主和音よりも不安定で緊張感があり、安定した和音にいきたい感じを掴んでみて。最後に主音(ヘ長調だとファ)にきたときに安心する感じがありますか?その辺の和音の響きを感じてみてください。


音階練習は表現力の基礎

音階練習を紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?

音階練習は実はとても大事な基礎練習です。私は若い頃この重要性が分からずにいました。ウィーンでヴェルバに言われてやり始めましたが、正直面倒だなぁと思っていました。しかし、レッスンではその音階の性質や響きのことを言われ、エチュードでもそれが何の調でどの和音なのかを質問され、それによってどう演奏するかの基本を教えられました。つまり、西洋音楽を演奏するに当たってこの「調」というものはとても大事な要素なのです。だから「調」を掴むために音階練習というものが私たち楽器演奏者には必要なわけです。

さて、これからも基礎練習だけでなく様々な練習ほうや演奏法についての発信を行っていきます。練習法に関しては管楽器全てに通じるものが多いです。演奏法については全ての演奏する人たちに通じると思います。youtubeのチャンネル登録、そしてこのnoteのフォローもお願いします。細かい情報はツイッターで発信してますのでそちらのフォローもお願いいたします。

楽譜については後ほど完全版アップします!それではまた!!


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