ひとつめ族の話を

目の大きさは幼さの象徴とされる。ひとつめの人魚姫はその話を聞いて喜んだ。中途半端なヒトガタをしている自分、ずっと気になっていたけれど、目の大きさでまさか誰かを喜ばせることができるなんて!!

ひとつめ族は、そういうことがあったりして自信を得る。みんな、なにかしら、出会うなり知るなりして自信を得てゆく。一つ目の人魚が間近に迫ったとき、人魚姫が自信たっぷりに泳いでみせる、そのとき。私たちはこのうえなく美しいものを見ている。

自信にあふれて自己肯定感と多幸福感に満ちている、生物。
ひとつめの生きものだからって関係ない。

その美しさは極上のものである。

ひとつめの人魚姫、美しい!


END.

読んでいただきありがとうございます。練習の励みにしてます。