お味噌 de Eat right!!
日本人にとってのプロテインは「味噌」
「ごはんと味噌の力」のお話をご存知ですか?
このコンテンツに登場するベルツは、1976(明治 9 年)に来日し、1905 年までの約 30 年間日本に滞在しました。
「ベ ルツの日記」には、日本人の健康と体力の素晴らしさに驚 いたエピソードとして、東京から日光まで行った時のことが 記されています。
1度目は馬で行き、途中で馬を 6 回取り 替えて 14 時間。そして、2度目は人力車で行ったところ、 車夫は一人で 14 時間半で着いたのでした。
ベルツは、日本に栄養学を紹介した人でもあります。
欧 米では当たり前である肉や牛乳が手に入らない当時の日本で、車夫たちの食事は栄養学の知識からかけ離れていま した。そこで、ベルツは栄養の知識にしたがって肉などを 車夫に与えました。すると、車夫は、3日で疲労が激しく、 走れなくなり、「元の食事に戻して欲しい」と申し出たそう です。その元の食事とは、“味噌をつけて焼いたおむすび”。 ベルツは日本食がもつ力に感心したと記されています。
一汁一菜
味噌汁の誕生は、味噌の歴史の中でも重要な出来事で す。鎌倉時代、中国から来日した僧の影響ですり鉢が使われ「すり味噌」が作られました。
すり味噌は水に溶けやす く、みそ汁が誕生しました。
そして「一汁一菜」という鎌倉 武士の食事の基本が確立しました。
現代では粗食の代名 詞のような「一汁一菜」ですが、当時は特権階級が食す貴重な食事でした。
味噌の主原料である大豆は、良質なたんぱく質やビタミ ン、ミネラルなどを含む栄養価の高い食品です。
発酵とい う微生物の働きが加わり、大豆のたんぱく質は酵素によっ てアミノ酸に分解されます。味噌の中には、私たちが生き ていく上でなくてはならない必須アミノ酸8種類が全て含 まれています。
大豆たんぱく質は大豆のままでは消化吸収されにくいのですが、発酵の力で栄養が吸収されやすくなるため、大豆 のまま食べるよりも味噌として食べた方が遥かに消化吸収 しやすい形になり、旨味も栄養価も上がります。
本物の味噌を選んで、具だくさんのお味噌汁を作りま しょう。手軽におむすびを握れば、超バランス食の出来上 がりです。
味噌は大豆からできているので、プロテインを飲んでい るのと同じ。その上、“飲む” ではなく、“噛む” プロティン です。噛むほどに唾液も分泌し、良質な筋肉以外にも様々 な効果が期待できそうです。
挿絵の「ごはんと味噌の力〜ベルツの日記より〜」は、
良食検定公式テキストブック149ページに掲載されています。