ヤングミセスの新婚ウイークリークッキング やさしい愛情料理一週間
◆魚菜6月号 おしゃれな料理雑誌 昭和45年(1970)
魚菜は東京自由が丘にある、魚菜学園という料理学校が発行している雑誌です。学園の創設者田村魚菜先生も、本には編集兼発行人として記載されています。婦人向け料理雑誌が多いなかで、若い独身女性向けに書かれた花嫁修業要素もある雑誌でレシピはもちろんファッションやヨーロッパのコラムなどボリューム満点の雑誌です。中にあるイラストも広告もおしゃれでかわいい!
もちろんヤングミセスも購読者対象です。
サラダオイルの広告もかっこいいし、瓶のデザインもなんかいいですね。キャッチコピーも今ではない感じ。
この本が出たのは昭和45年。大阪万博の年です。巻末にある田村魚菜先生のコラムには、よど号ハイジャック事件の話が書いてありました。
◆二人の愛をたかめるナイトドリンク
目次をめくってみると色々気になる記事だらけですが、まず目についたのが
「二人の愛をたかめるナイトドリンク」!!
これは気になります!そのページ83ページを見てみると
切り取られていました!古本ならではですが、ここに何が書いてあったのか気になります。でもきっと作ろうと思って、切り取ったんでしょうねドキドキしちゃいます。
◆ヤングミセスの新婚ウイークリークッキングやさしい愛情料理一週間
新婚家庭でのおすすめ1週間メニューが紹介されています。さらにモデルの方がその料理に合わせた衣装を着るこだわりよう。食器もテーブルコーディネートも現実的ではないお金のかけようだとは思いますが、素敵なお皿で1週間作られています。モデルさんもかわいい。
日曜日は
”若鶏のハンガリーふう”
レシピをみると粉末のパプリカを使っていました。ハンガリー料理でよく紹介されるシチュー”グラーシュ”にもたくさんのパプリカが入るので、そのあたりがハンガリー風の所以だと思われます。
ちょっと新婚奥様には難易度が高そうな料理ですが。。。というかその大きなポット。そうそう持ってない代物です。
その他の曜日もとってもおしゃれ。月曜日から察するに彼は関西育ちです。白みその味噌汁で喜ばせます。
◆本格中華の水曜日
水曜日の情報では新婚旅行は台湾だったそうです。
作っている料理は”なすの卵くず煮”
ちょっと変わった料理です。素揚げしたナス、素揚げした卵白を、牛乳と卵黄を入れたスープで煮ます。最後に水溶き片栗粉で仕上げ。盛り付けはきれいにナスを並べています。
ちょっと元の料理が思い浮かびませんが、とても手間のかかった料理。
”小だいの辛味煮”は鯛を丸揚げして、チリソースで絡めたようなもの。”芝えびのパン揚”はパン粉フライじゃなくて、食パンをクルトンくらいのサイズに切って衣にしたもの。
手が込んでいます!
そして木曜日は、はじめて彼の両親をお迎えしたそうです。
「結婚前にお料理を習っておいてよかった」とありますが、やはり魚菜学園の生徒さんでしょうか。純和風のごはんを作っています。
最後の土曜日は大きなグラスに盛り付けた大胆な料理。
おつまみを作る役はわたし。カクテルは彼
甘いムードの楽しさに あふれる幸福感!
魚菜は、昭和の料理本の中でも異彩を放っています。とても面白くて大好きな本なので、また面白いところを紹介したいと思います。
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