ポメラで日記57/ふたつのペンネームと26時間眠り続けてもまだ体調不良編
名前の由来
北に
「どうしてKindle出版の名前、【なぎ】にしなかったの?」
と、金曜日頭頂から足裏までオイルマッサージしてもらいながら聞かれた。
私のKindle出版のペンネームは【村上誠】である。
8年くらい前から使っている筆名で、北も知っている。
北は、この「村上」が心配なようである。
あまり大きな意味はないのだが、この村上は、「村上信五」から取っている。
ジャニーズ所属のタレント?なのだろうか。
村上信五は、「月曜から夜更かし」というテレビ番組を北と2人で見ていて知った。
言葉の選び方、「自分を馬鹿っぽく」見せる頭の良さ、だるくなった空気の入れ換え。
「いいな」
と感じた。
なんとなく姓名判断した【村上誠】は運勢も良い。
それから個人的な楽しみである「創作」でずっと使っていたので、Kindle出版をするときこの名前でデビューするのに、全く違和感を抱いていなかった。
世間の荒波を知らない引きこもり51歳
働いていたときからテレビも新聞も読まなかった私は、「常に世間知らず」であったと思う。
地下鉄サリン事件を知ったのも、事件が起こってから半年後であった。
だから、テレビを完全に見なくなって3年、Kindle出版をはじめてからは時間がなくなりネットニュースも見なくなった私は、恐ろしいほど「世間知らず」と思う。
金曜日、北の付き添いがあっても、丸1日出かけていただけで知恵熱を出し、26時間眠り続けた私なので、今起こっているジャニーズ問題など知らない。
というか、ジャニーさん、亡くなっていたの?
北は、その一連の問題を教えてくれ、【村上信五】もあちこちの番組から降ろされるかもしれないということを憂慮した。
「【村上誠】って名前に良くないイメージがつくかも…」
安心しろ。
【村上春樹】や【村上龍】っていう、多分【村上信五】より有名な人が文学界にはいるのだ。
【村上誠】って名前はきっと「両・村上ファンがあやかってつけたのかな?」って思う人が多いのではないだろうか。
(どちらの巨匠も1作しか読んだことない)
人名らしい名前
【なぎ】をペンネームにしなかったのは、私にとって【なぎ】はあだ名であって、「人名」ではないからだった。
かの昔、私の人生に大きな影響を与えた中島梓が、確か「美少年学入門」か「小説道場」で言っていた(どっちも持っているが、寒いから本棚に行くのもいや)。
「人物名や筆名は、『人名』として通用するものが最低ライン」
キラキラネームなど、多分なかった70年代後半から80年代前半に書いた文章であると覚えている。
私はとても納得してしまい、筆名や作中に出てくる人物名はいつも、「読み間違えのない、画数の少ない、性別のわかりやすい、人の名前として通用するもの」をつけるようになった。
「そこに愛がなくてもよりそって生きているふたりの道」で「北」を「北」としたのは、私にはギリギリの線であり、万が一「私小説」として書き直す機会があったら、「北村太郎」とかそういう名付けをした上で、「北、と呼んでいる」と表現を変えるだろう。
【村上誠】の誠は、たんに北の本名である。
中性的な名前、というより男性名前であるが、ここも私の面倒なこだわりが出てきてしまう。
【杉川薫】であったかも知れない世界線
私の母は、未婚で私を産んでいるが、私が生まれたからには当然相手がいるわけだ。
妊娠発覚後、夢見がちな17歳の高校生であった父は、お腹の子供に「薫」と名前をつけたそうだ。
その後、父は逃亡してしまい、残された母は名付けに悩んだ(他にも悩むことはあったと思うが、両親が健在、父親は公務員、母親は専業主婦で、お金にも子育ての手伝いにも困らなかった母は、「浅間山荘事件」などテレビで見ながら名付けに一番時間をかけたようだ)。
逃げてしまっても、父が私につけた「薫」にしようと寸前まで決めていた。
しかし、母自身が「男性的」な名前で苦労したので「香」と漢字を変えてみたり。
それから、「薫」になんとなく似ている「菫」。
出産してから、やっと逃げた父親に腹を立て、全く違う名前にしようと思ってつけた名前は「光」。
「光」は、母が敬愛しいやまない祖父の名前から一字とったものである。
祖父は公務員で市役所勤務だったから、出勤のついでに出生届を出しにいく約束をしていて、名前が書いてある届けを祖父が持っていくタイミングで、母は、漢和辞典を見ながら、一字書き足した。
「光をとどめるように」
そういう意味があるそうだ。
大変書きやすく、読み間違いようのない名前ではあるが、51年前ですらしわしわしていた名付けであった。
あまり、好きな名前でない。
私は自分の「女性性」を否定したい人生を送ってきたし、ずっと「光」ならよかったと思っていた。
そして、「薫」とも悩んだと教えられて、しばらく筆名を「杉川薫」にしていた時期もある。
「杉川」は父の姓であり、「もしも2人が結婚していたら」私はこの名前になっていたのかしれない。
2つのペンネーム
マッサージをしてもらいながら、このような話を北にしていたら
「【杉川薫】、とてもいいじゃない」
と言う。
「そうかな?」
「すっきりしているし、そして、【この名前の人生を歩いていたかもしれない】っていう、それこそ「物語性」を感じる」
「ふうん」
「普通の作家はペンネームいくつか使い分けている人もいるじゃない?それこそ栗本薫みたいに」
「そうねー」
「【村上誠】は私小説やエッセイ、【杉川薫】はオリジナル作品、と使い分けたら?」
マッサージで眠くなりながら調べると、Kindle出版でも3つまでペンネームをもてるようだ。
……やり方は分かった。
しかし、これ、表紙も作り直しなのね、当然。
(こちらは村上誠名義)
(こちらは杉川薫名義に変更…)
しかも、本当は予定になかったが、望の急なお願いで今日はお昼から「カフェ巡り」をすることになっている。
体調も思わしくなく、締め切り前である(こういうことを言ってみたいお年頃)。
しかし、私にとって望のお願いは全てに優先する。
最悪、11日まで徹夜してもいいのだ。
「書き下ろし」に拘らなかったら、noteの記事流用ですんでしまう本だし!
そう言いつつ、ほとんど書き下ろしになる予感もある。
さて、出かける前までは安静にして、少しでも体調を整えよう。
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