ポメラで日記36/降り止まない記憶と銀のピアス
AM3時
昨日、親友とのやりとりに困惑して、つい北にLINEしてしまった。
普段の親友からは考えられない言動に、私も信じられなかったし、北はもっと信じられなかったようで、私を疑い、
「LINEのスクショ送って」
と。
親友の身体的な悩みも含まれていたので、それをさけてスクショを送った。
「このやりとり、数時間続けているの」
「うん」
「解決に向かっていないじゃない」
だから、私も困惑している。
気まぐれではあるが、人を困らすようなわがままを言う子では絶対ない。
また、今日も仕事なのに、深夜までLINEをしてくるのは、普段のあの子の行動パターンではない。
考えたら、お盆前から様子がおかしかった。
去年は、だんなさんの親戚がコロナで帰省がなかったが、今年は帰省されて、疲れてるようではあった。
深夜に大量にLINEしてきて、それの削除をしていた履歴。
「なんかしんどくて眠れないの」
AM3時のLINE。
どうしたのか。
近くにいない自分がもどかしい。
責めないで
北は、親友に対する私の心配と困惑を
「私を傷つける敵」
と判断してしまった。
本人に言うことはないだろうが、激しく親友を糾弾する。
私が親友を庇えば庇うほど、北は親友に対する不信感を募らせていく。
「結局、君が今苦しいのってあの子の身勝手さのためだよね」
違う。
親友が苦しんでいるのに、それをくみ取ってあげれない自分が嫌。
ないとは思うが、こういうこだわりを見せるとき、親友はつらい恋をしたり、そう、恋をしていることがあった。
親友のだんなさんは、頭もよく冷静で、親友をとても大切にしてくれているが、喧嘩でもしたのだろうか?
でも、これまでの傾向で、親友がLINEでそのことを相談してくることはない。
会った時、それも別れ際、気持ちを放り投げるように切り出すのだ。
そのときから数時間、その悩みの話をすることはよくあることだ。
親友の近くに住んでいたら、親友ももっと私に相談しやすかったはずだ。
「君のイライラや不安感は、でもあの子のせいでしょう?」
私を追い詰めるのはいい。
あの子を責めないで。
ピアッサー
寝たのが朝方で、起きたら朝の9時。
首がかゆい、と思ったら、金属アレルギーのように肌がかぶれている。
最近、ストレスがあるとすぐに肌に表れる。
出かける準備をして、お百度参り。
今日も先客がいた。
私のように100日かけてのお百度参りではなく、1日で終わらせるのだろ、何回も何回も、鳥居から入り直してお参りして、鳥居に戻っていく。
どんな願いなのだろう。
邪魔をしないよう、そのひとが鳥居に戻っている間に、私はお参りを済ませた。
家に帰って、掃除をして、食事…と思ったけれど、掃除は出来ても食事は支度から無理だった。
アイスクリームを食べて、今日はこれで済ませてしまう。
首のかぶれが気になるな…シャワーをしよう、と思ったら、荷物が届く。
頼んでいたピアッサー。
首のかぶれは気になったが、シャワー後、早速使う。
銀のピアスに降り続く記憶の洪水
ピアッサーは、痛みも出血もなく、一瞬でピアスホールをあけ、ファーストピアスを装着してくれた。
痛いと言うより、指に伝わった衝撃に驚いてしまった。
色々なタイプがあったが、3ヶ月は身につけなくてはいけないピアス。
なるべくシンプルで、そうして好きな色を選んだ。
10代の頃から好きな歌。
そういえば、なぜか銀のピアスは持っていなかった。
耳で鈍く光る銀色。
と歌は続くのだけれど。
なくしてはいけない記憶をなくして、忘れたい記憶だけが残っていくのは何でだろう。
降り続く、思いの洪水。
なにかを壊したくて、あけたピアス。
なんでもないよ
夕方、北が夜勤前の電話をしてきた。
「眠れた?」
「うん」
「少しは回復したかな?」
「うん」
「それならよかった」
他愛ない会話で、40分やり過ごした。
ふと、なにか言いかけて、口を開いた瞬間、言いたいことが消えてしまった。
「なに?」
「ううん、なんでもないよ」
私は、いつからあなたにまで、こうして本心を隠してしまうようになったんだろう。
話す言葉も、もう心から素直に選べない。
夕立がまだ終わらない。
明日は、晴れるといいのだけど。
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