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うまくなるな!

今日は連休中日。東京ステーションギャラリーで開催中の 『みちのく いとしい仏たち』 展を見に行きました。
みちのく いとしい仏たち (ejrcf.or.jp)

水曜日に見た 『中尊寺金色堂展』 とは、非常に対照的なほのぼのとした土着の仏さま(神像とも融合した神とも仏ともいえる)たちでした。
見るまでは予想だにしなかったのですが、中尊寺金色堂の当時の技術の粋を集めた絢爛豪華たる仏像と同じくらい感動した…。
京や鎌倉の仏師ではなく、良くて宮大工、大工、船大工、或いは農民、仏像を作ることを本職としない彼らが作った仏像は、技術的には稚拙で、簡素で、時には野良着をまとい、おおよそ仏像らしくないところもある。
が、見るものの心をストレートに揺さぶってくるのは、作者がそのままそこで生活を営む人々であり、平穏な生活を祈る人々であり、東北の厳しい自然の中で生きてゆくために、『生まれてくるしかなかった』 仏像たちだからだと思う。名のある仏師たち、例えば、運慶が祈らなかったとは思わないが、今日みた仏さまたちの作者たちの祈りは、つたないだけに、より切実に思える。

岡本太郎は、『うまくなるな!』 と言った。その意味がわかるような気がする。技術の裏に隠れてしまう人間の生の姿がきっとある。

でも、どうして上手くなろうとしてしまうんだろうな…。
私は轆轤が上手くなりたい。上手さが人を感動させるわけではないと、わかっているのに、どうしても上手くなりたいと願ってしまう。
虚栄心だろうね。恥ずかしいけど、それも人間の姿なんだろうな。
ついてしまった技術は(ハンパな技術であっても💦)もう拭い落とせないし、進むしかないのだろう。
せめて祈るように作りたい。ハンパでも、不格好でもいいから。

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