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万年筆ジプシー 続編

 この記事が、未だにぽつぽつと読まれる。文房具沼の深さを想像させるわけだが、ここで紹介したシュナイダー406を買ったので、報告する。

 シュナイダー406を買う前に、私は結局カクノのコンバーターを購入していた。しかし、瓶インクに完全移行するなら、外で何か書き物をしていて、突然インクがなくなったとき、以前のようにカートリッジを筆箱にポイっと入れておくことができない。毎回瓶インクを持ち歩くのは、インク漏れや瓶が割れるリスクがある。第一少々重い。

 糊口を塗するような仕事に、たかだか千円とはいえあまり投資したくはないのだが、買いました、シュナイダーを。

 心配していたカリカリ感は全然ない。むしろカクノEFよりスムーズである。インクフローも今の所問題ない。しかし、それはシュナイダーがEF字の割にF字くらいの太さだからかもしれない。欧米の万年筆の中ではシュナイダーは細めと聞いていたが、少なくとも私のところにきた個体はそうでもない、という印象だ。

 そして軸がすごく軽い。軽すぎて書いていると不安定さを感じるほどだ。しかし、これくらいの方が書いていて疲れないのだろうか。カクノの握り心地に慣れているからそう感じるのかもしれない。

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 並べて書いてみた。あれ? さほど太さは変わらないな。書き味が違うと感じたのは、書いているときのカリカリ感の違いらしい。カクノの時の方が明らかにカリカリ音がする。しかし、このカリカリ音が「ちゃんと書いている」という安定感に寄与している感じもする(つまり、私がシュナイダーで書いていて不安定さを感じたのは、軸の細さや軽さよりも、あまりにスラスラ書けるからかもしれない)。

 というわけで、格安万年筆沼に少し足を踏み入れた人の報告でした。

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