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あうあうあうのジャム

 先回の記事がこちら。

 noteで梅ジャムの記事を読んだので、梅が熟すのを待って再収穫した。大梅はまだ青かったので、黄色に色付いた小梅をジャムに。

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 例によって、調子に乗って1キロ弱収穫してしまった。小梅なので、下茹でをもう少し短くしても良かったのかもしれない。下茹での段階でぐずぐずになってしまった。その分苦味は抜けたけど。

 なので、目の粗いざるで漉すようにして種を取りのぞいた。中途半端な裏ごし。小梅で種が多いので、結果的に手間がなくて済んだかもしれない。

 煮詰めると光り輝く黄色になった。灰汁まではっとさせられるような黄色で、もう明日のパンケーキが待ち遠しい。

 ちなみに、家には杏の木も一本あって、梅とは親戚なので枝ぶりも実も似通っているのだけれど、これもジャムにした。こちらは煮ている時は翡翠色だ、と思った。本当は琥珀色の方が近いのに、頭では翡翠、と思っていた。宝石みたいな輝きだったからかな。こちらは漫画を読みながら煮詰まるのを待っていたら、少し焦がしてしまった。

 読んでいたのは「きのう何食べた?」だ。私がジャム作りを始めたのは、この漫画でイチゴジャムの作り方が紹介されていたからで、主人公のシロさんが言うように、一度作ると、毎年作らずにはいられない美味しさだった。

 果物を買ってジャムを作るのは、割に合わないと感じる。煮詰めると分量が減ってしまうし、生で食べた方が美味しいに決まっている。例外はイチゴで、近所のイオンでは、なぜかジャム用の小さいイチゴが毎年出るのだ。五、六月はジャムの季節で、今うちには桑の実、杏、梅のジャムが、一般的なサイズのアオハタのジャム瓶に九つもある。

 午前中の試験を終えた後、ひたすらジャムを煮ていたら、公園から帰ってきた子供に「ジャム屋さんだ」と言われ、味見を要求された。杏がどれくらい採れたか聞きに来た父に、瓶に詰めた彼らを見せると、遺骨でも見るような顔をされた。

 杏のジャムと梅のジャムの見た目はよく似ている。マスキングテープに「あ」「う」と書いて貼った。あうあうあう、あしかのジャム。

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