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小説のおもちゃ箱

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掌編~短編のオリジナル創作小説をまとめました。
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#掌編小説

掌編小説 ロング・ロープ

 私は晴れの日が嫌いだった。  雨の日はいい。自分の席で本を読んでいても教科書に落書きし…

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掌編 マスクとハンドル

 十八で免許を取ってから、デートでもハンドルを握るのは私だった。私の恋人になる人はなぜか…

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掌編 物理的手段

 計画停電の夜だった。私は真っ暗な寝室でスマートフォンの画面を光らせていた。メッセージア…

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掌編 カテゴリマスター

 恋愛で悩みがある時、私はYahoo!知恵袋で質問することにしている。みちるを相談相手にしてい…

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掌編 夜のない世界

 部屋から出られるようになった。でも、他の人の中に混じって平然と生きていけるとは思えなか…

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掌編 ライカ

 中学に入るまで、父の仕事でわたしは日本各地を転々とした。同じ日本語なのに少しずつ違う言…

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掌編 マスクの下は

 「内閣総理大臣 ○○○○くん」  総理大臣が野党党首からの質問に対する答弁をはじめている衆院予算委員会の末席で、与党議員たちがひそひそと話をしている。 「なあ、最近N原さん、いやに質問が鋭くなっていないか?」 「そうか? 少し肥ったような気はするが、質問は前からこんなものじゃないか」 「君がそう思うなら、敏腕な秘書でも雇ったんじゃないか」  そう答えた議員は、フリップを用意して総理を糾弾しているN原の顔を見た。顔の下半分はマスクで覆われていて、爛々と光る大きな二重

小説 ビッグデータの活用事例

 子供たちの布団から静かな寝息が立ちはじめても、文音は暗い寝室で横たわったままだった。毎…

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小説 コロナ時代の

 緊急事態宣言が三大都市に出るという時期でも、ティンダーをやっている馬鹿者はうんざりする…

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小説 自転と公転の同期

 待ち合わせ場所として指定された表参道のカフェに着くと、広い店内の一番奥、窓際の明るいソ…

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掌編小説 NORAD Tracks Santa

 はじめに異変に気付いたのは、12月23日の追跡開始を心待ちにしていた、北米に住む男の子…

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小説 もう献立に悩まない

 今日は一月七日。七草粥の日ですね。ご存じ、お節で贅沢な料理続きだった胃に優しいものを食…

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小説 サステイナブルなひと

 エス氏ほどサステイナブルな人はいない。  彼は街で募金活動を見ると、必ず五百円入れる。…

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小説 ちぢれ毛

 浴室にちぢれ毛が落ちているのを見ると、彼女のことを思い出す。  夫が落としたであろうちぢれ毛が、浴室に落ちたままになっていると殺意を抱くというツイートを頻繁にしていた。彼女は高校生の時に脇を、社会人になってVIOを脱毛してハイジニーナになっていたから、すでにちぢれ毛とは無縁だということだった。夫からの誘いを拒み続けていると、ちぢれ毛にまで殺意を抱くようになるのか、というのが私の感想だった。  私は彼女と同じ年頃の子供を持っていたから、軽率にオフで会おうという話になった。