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【秘すれば花】

今回も本質を探究することに
迫っていきます。

『秘すれば花』について
お伝えしていきます。

能楽師である世阿弥
『風姿花伝』と呼ばれる
演劇や芸術についての考えが
述べられたものを残しています。

世阿弥は、観阿弥の嫡男であり
言わば能楽界のスターです。

分かりやすく例えると
吉本新喜劇の
座長兼プロデューサー
みたいなものです。

劇団存続のためにどう生き残るかを
考え実践していた強者です。

観客、ライバル劇団、周囲との関係等
「関係性」を提起した上で
自分の芸を全うするかを
説いているのです。

まるで縁起説を説く
お釈迦様のようですね。

『秘すれば花』とは
人の心を動かすものとは
まず隠しておくこと
です。

花とは何かを知るには
どうすればいいかを
稽古を通じて記載しています。

花を「感動」や「美しさ」で表すのではなく
「面白い」や「珍しい」と言った興味本位で
関心を引くことに注目しています。

花を大っぴらに公開せずに
自分の中に秘めておくのです。

最初から花を明かしてしまえば
観客は面白さを感じることがないです。

最後の最後まで秘密にしておくことで
花の価値が各段に上がるのですと

花というごく普通の風物をいかに
素晴らしいものとして感動させるか
世阿弥の極意が垣間見えます。


ビジネスやスポーツでも同じことが
言えるのではないでしょうか。

私の場合剣道でなぞらえると
本当の得意技が面であることを隠し
悟られないように他の技で対応する
でしょうか。

あるいは面打ちが決め技であると
分かっていても防ぐことができない
最速の面を打突するみたいなものです。

究極の奥義は内に秘めておくことで
知った時に凄まじい威力を発揮します。


余談ですが、アニメ「るろうに剣心」で
主人公の緋村剣心が奥義「天翔龍翔」を
会得するシーンを秘密裏にしておいて
最終戦で放てば視聴者は相当驚くかと
思ったりしました(笑)。

ストーリー構成上そうはいきませんが。


世阿弥の視点は現代にも十分すぎるくらい
通じる卓越されたものがあります。

シェイクスピアが
安土桃山時代から江戸時代に
俳優業と脚本家として
活躍していたことを踏まえると
世阿弥の貫禄がとてつもないですね。

風姿花伝には他にも
「初心忘るべからず」「離見の見」
「稽古は強かれ、情識はなかれ」
今日に役立つことが記されています。

巨人の肩に立って見渡すだけでなく
歴史の偉人達が見落としている視点を
深堀りしていくと本質の深さがより
増していくような気がします。


高校時代に芸術鑑賞で
能楽を観に行きましたが
当時は何のことか全く
分からなかったです。

これが全ての分野に
繋がっているとは
思いも寄らなかったです。

芸術は感性を高めることに止まらず
本質を教えてくれる教養でもあります。

文学や古典も含め
読書の幅を広げていきます。

今日も読んでくださって
ありがとうございます。















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