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詩|海の名前を呼ぶように


夕方の海


題|海の名前を呼ぶように


青い海に赤い夕日が沈んでいく…
パレットのなかの絵の具みたいに
それらは柔らかく混ざっていった

赤色の空が高く澄み渡るなか
空と海の境界は桃色に染まる

赤い夕日は橙から
眩しい黄金となり

そのきらめきが
私の肌をすべっていく
私の目をおおっていく

黄金が柔らかく浮いて
桃色が全てを包み込み
海の青さえ染めていく

そのとき私は
海の名前を呼ぶように
君に語りかける

海は大きくて際限なく広い
その途方もないほど遠くへ
遠く手が届かない向こうへ

精一杯、腕を伸ばし
精一杯、指を広げて

海の名前を呼ぶように
心の底から呼びかける

そうしたら、海の向こうから
もう会えないはずの想い人が

引いたさざ波が戻るように
返事をしてくれる気がして

大きくて際限なく広い海へ
その途方もないほど遠くへ
遠く手が届かない向こうへ

精一杯、腕を伸ばし
精一杯、指を広げて

君に会いたい
そう呼びかける
海の名前を呼ぶように



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