宅建試験の難化傾向について
今回は年々難化していく、宅建試験について、解説していきたいと思います。
そもそも宅建試験とは
宅建試験とは、正式名称「宅地建物取引士資格試験」のことで、一般財団法人 不動産適正取引推進機構が実施している試験です。
毎年20万人前後が受験する人気の国家資格で、試験内容が年々難化していると言われています。
本当に難化しているのか
結論からいうと、難化傾向にあるのは間違いありません。
過去10年間のデータを見ると、約13%~18%と合格率も幅広くなっています。
※令和2年度と令和3年度のコロナ禍における年2回の実施試験は、受験者数にバラつきが出ているため、合格率がぶれていますが、近年は概ね約17%程度の合格率となっています。
合格基準点も31点~38点と幅がありますので、6~8割の正答数が必要となってきます。
※平成27年度の試験より、「宅地建物取引主任者」から「宅地建物取引士」に変更となり、 法改正により取引主任者の職務責任を明確にするとともに、登録制度を創設することなど資格の整備が整えられてからより、試験の内容も難化したと思われます。
どう難化しているのか
宅建試験は、4問択一のマークシート試験となり、50問を2時間で解答する試験です。
古い過去問を解いていると、4つの選択肢の中から、誤っているものを一つ選びなさい、もしくは正しいものを一つ選びなさいといった問題が大半で、4つの選択肢の正誤が全てわからなくても、明らかな間違い、正解の選択肢を見つけることができれば解答することができる試験でした。
しかし、近年の宅建試験は、同じ4問択一でも、4つの選択肢の中から、誤っているもの、もしくは正しいものの数を答えなさいといった全ての選択肢を理解していないと解答できない問題が増加しています。
資格というのは、取得することも大事ですが、資格を取得した後に業務で、知識を活かすことが大ですから、試験のレベルを上げて、宅建士の質を向上させるという目的によるものかと思われますので、今後もこの難化傾向は続いていくでしょう。
どう対策すれば良いか
試験範囲は、宅建業法以外にも民法や都市計画法などの法律や建築設備などに関する内容となっており、学習期間も300~500時間と6か月~1年程度の期間を要する資格です。
試験範囲が元々広く、法律の内容や設備の詳細など全てを網羅することは難しいため、効率よく学習していく必要があります。
基本的には、過去問を中心に学習し、何度も解いていきましょう。
また、問題を解くときは、4択の全ての正誤が解けるようにし、曖昧な部分を減らしていってください。
あとは、なんとなくで解いている部分を減らすために、正解はしているけど意味を理解できていないと感じる部分を調べたり、人に聞いたりして咀嚼していきましょう。
そうすれば、本番の試験で応用問題や、表現を変えた問題が出ても対応できるかと思いますので、しっかり対策していきましょう。