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【読書記録】夜明けのすべて(著:瀬尾 まいこ)

※少しネタバレ?な事があります。本を読んでない方は気を付けてね。


こんなにもスルスルと読めて良かったのか

そんな感想を持った。

最初、読み始めて「これはドンドン読み進めたくなる」と思って、50頁程読んで敢えて一旦止めた。深夜で翌日お仕事だったので、このまま読むと寝不足で支障が出ると思ったから。

そこから少し間をおいて、読んでいたら終わってしまった・・・

もう少し先まで読みたかったなぁ。

この主人公ふたりがどんな事になっていくのか見守りたい気持ちもあった。


山添君の言葉

「薬、減らして大丈夫でしょうか?」

は、大きな一歩なんだよね。とっても大きな一歩。

私もパニック障害になって(今もホルダーですよ)今では病院に通院せず、薬も飲まなくなったのは、自分の気持ちの変化と、出来ない事も認識するけど、出来る事も認識して、出来る事の喜びがあるから。

山添君の場合、自転車がそれ。電車もまだ乗るのは大変だけど、一駅ずつ乗り降りを経験してみたらいいのです。ラッシュ時間でなくて土日とかの人が少ない時間とかね。

でも彼は自転車という移動手段を手に入れて「できること」を見つけた。動ける事が嬉しいと感じてる。出来ない事にフォーカスが当たってしまうけれど、「こういう方法なら過ごせるかも」って事が積み重なっていくと「駄目だったらまたいつか」って思えるようになる。

そしていつの間にか「薬を少し減らしてみたい」ってしっかりと前を向ける。無理矢理やめるんじゃなくて。自分で「出来るかもしれない」という本当に前を向いているような。一筋の光ではないけれど、恐怖とやってみたいという前向きが同居している。でもなんとなく確信というか少しだけならいけるかも知れないという自信が出た時に私も「薬を少しずつ少なくしていきたい」と先生に言った。

未だに不安な事は沢山あるし発作もでるけれど、そうなったらそうなったときの対応とか学んできた知識をフル活用してその場をやり過ごすし、逃げれる所(部屋とかね)だったら逃げて休憩すればいいのだ。

真っ暗の時は、悲観的になるし、「何もできないし」「薬を一生飲み続けるんだ」とかマイナス方向に考える事が多かったけれど、楽しい事も考えられるようになると「こういう方法でいけるのでは」とかね明るい日が少しずつさしてくるような感じになる。

PMSの美沙さんも毎月の流れを掴みつつも中々うまく行かなくてもどかしい感じがするけれど、その1日をまだもっと他の方法で過ごせるんじゃないかな。それを見つけるのは山添君と一緒だと思うな。

それぞれ気にせずお互いの症状が解ってるって結構重要で。
私が苦悩したのは「こんなことが起こるんだよ」って言っても全然わかってもらえなかった事。特殊な事が起きている、と思ってた。家族からは「わかってあげられなくてごめんね」と言われた事もある。だからこの主人公の2人は互いをわかっているからとっても楽だと思う。

ひとりでも症状が改善した、とかを話せる人が居るって強いと思う。

そういう意味でこの2人はこれからも協力しながら病を受け入れていくと思うな。そういう未来が見えて終わる。
そして会社の人達も温かい心で支えてくれている。大丈夫だろう。
山添君はきっと数年後、薬は殆ど飲まなくてよくなってるよ。



読書記録だから、色んな要素を書いてよし!としているんだけど、感想を殆ど書いてないのでは?と思ったけれど。

パニック障害は焦らず、この後もお付き合いしていくものだから仲良くなる(という表現がいいのかはわからないけれど)といいと思っています。「私は何ができるのでしょうか」って。「前はこれが苦手でした、今は少しできるようになったのか試してみていいですか?」って。意外に仲良くすると改善していくと思ってます。

※私の書いたパニック障害の部分は個人差があるし、改善方法も千差万別なんで「これが正解」ではないです。


瀬尾まいこさんの作品はこれで3作目。「そして、バトンは渡された」から殆ど間隔あけず。瀬尾さんの作品って景色が浮かびやすいような気がしています。とても日常なんですよね。身近にある、そこにある普通の生活。「そして・・・」の設定って結構珍しい設定だけれど、それでも生活感がとってもある。今の日常がすごくある。こんなそばにある日常をうまく切り出すのって意外に難しいなあ。1作目、実はそんなに響いてなかったけれど、もう一度読んでみようかな。受け取り方変わっているかも。


昨年から、小説を少しだけ読むようになった。学生の時は推理小説、社会人になってからは、エッセイ、自己啓発のようなノウハウ本を読んだりすることが多かったので、推理小説以外の小説の受け皿が自分には殆どなかった。少しずつリハビリして、もっと小説も読もう。小説を読むのが少しずつ楽しくなってきた。(勿論、エッセイも読むし、ノウハウ本も読むけどね)
もう、12月になった。今年目標としてた小説2作品をクリア(それ位小説は読んでない)し、3冊目も終わったので、あと1冊読めたらいいな。

今年読んでいる本は、読むと結構楽しいもんだな、って教えてくれた。まだ触れていない自分に合った本がきっと沢山あるんだろうな。出会うのが楽しみ。

今回の主人公2人が、小説を読むことがそれぞれ持っている症状がラクになる方法の1つだったらいいな、なんて思ったりして。

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