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花鳴り【モノカキワークス】
2020年8月6日 23:48
八重の住む家は、だいたい十五家族ずつでひとかたまりになって山にいくつか点在しているような村の、比較的町といえるほうに近い麓付近にあった。八重は十になったばかりだったが家がなかなかに貧しいため、よく両親や近所の人の手伝いをして家計を助けていた。八重に兄弟はいなかったが、手伝いとしてすることの多くは八重よりもさらに小さな子のおもりだった。最初から八重には子どもの扱い方が本能で分かっていた。だから泣い