見出し画像

【54】『得意な感覚』を活用―孫2人のゲームの仕方と息子の教え方―

こんにちは。これまで息子との会話をきっかけに幼い子どもにゲームをプレゼントした行動を私なりに整理してきました。今回は、息子が孫二人にそれぞれに教えたときの様子を聞いて振り返ってみつつ、50歳から学び始めた心理学にも触れながら書いてみます。


孫M(兄)は2歳の誕生日にマリオカートminiのコントローラーをきっかけに初めてゲームをしました。Mは言葉のキャッチボールもままならない時期でした。早いとは感じながらも、自閉症だと診断された当時2歳の息子にいろいろな想いを込めてプレゼントした結果、息子は楽しんで遊んでいたので、孫もきっと…、という想いでした。
コントローラーのハンドルを触ってみるものの、すぐに飽きてしまっていた様子に、私は息子にゲームを教えてあげてくれるように頼みました。

孫Mへの教え方は、ボタンを触らせて手でレクチャーする程度でした。Mの特徴は、コントローラーのボタンに興味があり、やたら押してみるのが好きだったそう。ゲームをプレイしているということは成立していないながらも、ボタンを押すことでキャラクターが反応するということを、繰り返しボタンを押して学習しているようだった。ボタンを押しているときはMなりにプレイしていて、ゲームに触れている最中は話をしても聞いていない様子だった。ゲーム中は集中力が高いようすだと息子は見守っていたそう。

一方、もう一人の孫O(弟)はゲームをしながらおしゃべりができる。なので、ある程度満足すると飽きてしまうからかゲームをやめる。

孫のM(兄)とO(弟)

M(兄)が2歳のころは、コントローラーのボタンや近くにあるPCのキーボードをポチポチ押しながら、触れることで触感が面白いのかとにかくポチポチ押していた。PCの電源は入っていないのでゲームのように何か反応することが無いことがわかると、またゲームのコントローラーに触れていた。とにかく、手の届く範囲のボタンを押しまくっていた。いろいろなボタンを押して、ゲームのコントローラーに戻って…を繰り返して、コントローラーのボタンの押した具合や配置、よく使うボタンやあまり使わないボタン、といった違いをさわって理解する子だった。

一方O(弟)は出来ないと癇癪をおこすので集中力が切れてしまう。息子も、まだまだ幼いので仕方ないと思いながら、集中力を育てるには興味が湧けば楽しみながら身につくのでは?と考えていたらしい。Oは集中力が切れそうになった時に、息子は「画面見て!画面見て!」と声をかけ、Oに見ることに意識して誘導していた。そして、またコントローラーに意識を向けて扱い方を伝えて…と繰り返す。コントローラーと画面、コントローラーと画面の繰り返しで、視点が次々と移動させていた。
集中力が切れそう→癇癪(イヤだ!)不快→「画面見て!画面見て!」(連呼)→意識の移動(フラット 0地点)→画面を見る(視覚から楽しいが復活)快→集中力の継続
といった感じだったらしい。
Oは目に映るものに次々と意識が集中していくといった表現が良いのかもしれません。


私は50歳になってから心理学について学び始めました。そこで知った内容を踏まえて振り返りながら考えてみました。

M(兄)はまず触れてみて体感することが得意で、O(弟)は目に入るものに興味を示して次々と意識を移しながら観察していくのが得意。

私たちは日常生活で五感を使って生活しています。視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚です。
『脳の取り扱い説明書』といわれる実践心理学のNLP(Neuro Linguistic Programming:神経言語プログラミング)では、触覚・味覚・嗅覚を身体感覚として1つにまとめて、感覚を代表的な3つに分類します。

  • 視覚(V:Visual)

  • 聴覚(A:Auditory)

  • 身体感覚(K:Kinesthetic)

これらの感覚、私たちは基本的に全て有していますが、人によって使いやすい感覚というものがあります。
例えると、私たちは手を使うときに普段からよく使う方で「右利き」「左利き」といいます。そして利き手とは違う反対の手も、苦手であっても使うことができます。
こんな風に、感覚にも「得意な感覚」があります。
子どもの得意な感覚を知ることができれば、その子に対するアプローチや観察など深く細かく理解できるので、子育てにも役立てられる。
孫のM(兄)の得意な感覚は身体感覚、O(弟)の得意な感覚が視覚なのだと気づきました。

視覚優位な小さい子は目に映るものに意識が行きがちになるので、誘導するには視覚に訴えるものが効果的になる。

息子はNLPや心理学などのことは理解していないけれど、以前に「風船の中の僕」の記事で書いたように、長い間で観察能力が培われていて、対象の相手と上手く合わせられる力を自然と持てていたのかもしれない…と息子の新たな一面にも気づけたように感じます。

息子が孫にゲームを教えるエピソードと、その様子を比べてみて、あらかじめ早い段階で子供の得意な感覚をつかめていると、子どもとの接し方もしやすくなる場面が増やせるので、子育てにも役立つだろうなと実感しました。

息子は小さい子に教えるのが上手。孫たちが遊びに来ると「アッキーいる?」と笑顔。
あたかも自分の友達の家に遊びに来たかのような得意げな孫を見ると、笑みが浮かぶ。
同じ目線で接する息子のやさしさを感じつつ、私自身も産んで良かったと思うかけがえのない瞬間でもあります。

ゲームで遊ぶ息子と孫たち

「息子と孫とゲーム」の思い出をさらに整理できた気がします。これからも、私なりの学びと分析を重ねながら書いていきたいなと思います。
今回も長い記事を最後まで読んでいただいてありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?