iOS_の画像

元外食の経営企画本部長が語る飲食店KPIの新機軸「FLARO?」【RT_Meetup#4 イベントレポ】

今回は、12月3日(火)に「RT_Meetup」というコミュニティの主催で開催されたイベントのレポートをお届けします!

「RT_Meetup」レストランテックで外食を盛り上げたいと思う人達のコミュニティで、「飲食業界のテクノロジーに特化した情報交換、悩みや問題の共有の場」となっています。

イベント当日は、飲食店経営企業の方だけでなく、POSレジ・シフト管理・グルメサイト・勤怠管理など、様々なサービスを開発、提供する方々が多数参加され、大いに盛り上がりました。

登壇スライド

登壇者プロフィール

コンフィデンス・アンド・カンパニー株式会社
代表取締役 安部 修平(あべ しゅうへい)

大学卒業後、富士紡ホールディングスを経て、飲食店150店舗を経営する株式会社TBIホールディングスに在籍し、経営企画本部長、IPO推進室担当責任、MEOやPESOモデルを活用するデジタルイノベーション部門を新設。在職中にグロービズ経営大学院に就学し、MBAを取得。

現在は、外食企業コンサルティング会社「コンフィデンス・アンド・カンパニー株式会社」の代表取締役の傍ら、完全キャッシュフリー店舗の実現を目指すITベンチャー「株式会社マウント・スクエア」に在籍しパラレルキャリアを積んでいる。

▼「レストランテック」を通じて繋がってほしい

iOS の画像 (1)

経営企画という立場から企業の財務・経理を管理してきた安部氏は、この「RT_Meetup」コミュニティに対する想いを、次のように語ってくれました。

“レストランテック”を通じて皆さんが繋がってほしいなと思っています。」

画像2

飲食店を運営する際には、上図のように多数のアプリケーションやデータベースを管理しなければなりません
こういった状況では、店舗を1つ増やすだけでも、管理部門の負担は非常に大きなものになってしまいます。

API連携DB共有などもよく聞くようになってきましたが、まだそれほど進んでいないそうです。

▼ 管理部門の視点

iOS の画像 (2)

「連携や共有が実現すれば、今日までの“店舗利益”がわかる」と安部氏。
というのも、会社によっては月の店舗損益が確定するまでに約15日もかかってしまうのが実情なのだそうです。
1日早く損益確定できることで、1%のコスト削減にも値するとのこと。

画像4

▼「FLAROモデル」で持続可能なレストラン経営を!

そこで、本イベントのメインテーマ「FLAROモデル」の登場です。
「FLARO」とは、飲食店の主な費用である食材費・人件費・広告費・家賃・その他経費の頭文字をとった用語です。

画像5

多くの飲食店では、売上に対してFとLが一定の割合に収まるように店長がコントロールしますが、正確な店舗損益がすぐに分からない状況でFとLだけを見ていても、翌月締まったら「実は赤字でした」ということも珍しくないそう。

A、R、Oも含めて店長が適切に管理することで、次のようなことが可能になると安部氏はいいます。

▼ ①どれだけお客さんを呼べばいいのか?

iOS の画像 (3)

第一に、「黒字にするためには何人のお客さんに来てもらう必要があるのか」を考えられます。
本来なら、まず固定費から逆算して、限界利益率をもとに損益分岐点を計算して...... とするのですが、これをすべての店長に求めるのが難しいのも事実。

画像7

そこで安部氏は、もっと簡単に考えられる方法を紹介してくれました。
「RとLを足して2倍するとだいたい黒字になる売上高」になるのだそうです。

もちろん業態やエリアにもよるのであくまでも目安ですが、自分のお店の場合はどうなのか、おおよその基準は知っておきたいですね。

▼ ②集客スキームの組み立てをどうするのか?

どれだけのお客さんを呼べばいいのかが分かったら、そのために適切な方法、かつ適切なコストで集客する必要があります。

iOS の画像 (4)

広告の費用対効果を売上ベースで見る会社は多いですが、それだけでは不十分で、本当は「どれだけの利益を生み出したか(ROI)」で評価したいところ。

これは実際には難しいですが、F+L+Oが売上の何%くらいなのかを把握していれば、広告のリターンも早く正確に見積もることができるのだと、安部氏は説明しました。

▼ ③ROIを高めるためにはどうすればいいか?

iOS の画像 (5)

以上を踏まえたうえで、飲食店の利益を最大化するにはどうすればよいかを考えます。

今の飲食店では、店内飲食による売上だけでなく、そこにサブスクの売上が加わったり、テイクアウトやデリバリーによる店外飲食売上、コワーキングスペースやイベントスペースとして活用することによる物件活用収益も得られるようになっています。

テクノロジーを活用することで持っているリソースを最大限に合理化することが、持続可能なレストラン経営には重要になると、安部氏は語りました。

画像10

「RT_Meetup」次回イベントについて

次回の「RT_Meetup」イベントは、HiCustomer カスタマーサクセスマネージャー 高橋氏とインサイトコア 代表取締役 竹村氏に登壇いただき、
レストランテック導入における課題についてカスタマーサクセスの視点から学んでいきます。

詳細は、こちらのページよりご確認ください!

書き手:Makoto Otsubo



この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?