アンゲラ・メルケル「わたしの信仰」
本書は、妻が購入してしばらく積ん読状態にありました。
ほかにメルケルの本をもう一冊買って、そちらは読んだようです。
わたしも興味がないわけではありませんでしたが、政治家メルケルの業績や信条を他者がまとめた本だと思っていました。
なにか片づけ物でもしているときに偶然にこの本を手に取ってみると、副題としてーキリスト者として行動するーとありました。
がぜん興味がわき開いてみると、メルケル自身による講演を文章化したものだと分かり読んでみることにしました。
なぜわたしが興味を惹いたかといいますと、以前にnoteにも投稿しましたようにキリスト教に若干の関心があるからです。
よろしければ以下の投稿を覗いてみてください。
本書を読了した第一印象としては、久しぶりに文芸書以外の書籍を読み、得るところが多かったと思いました。
政治家として基本理念や信条が、いかに大切なものであるかを再認識させられました。
講演の話の内容の底流には、まったく変わらない思想が見受けられます。
その場、その場の対応ではない芯のとおった柱があるように見えました。
これは政治家に限らず、人間としてもっとも大切なものではないかと考えさせられました。
自らを省みて、自身に精神的な支柱があるかと問われると明確には答えられません。
わたしが感動した言葉は多いですが、いくつかを以下にご紹介したいと思います。
(わたしの信仰 アンゲラ・メルケル 松永美穂訳 新教出版社より引用)
そして全般を通して述べられているのは、ドイツ連邦共和国基本法(憲法にあたる法律)第1条に定められた「人間の尊厳は不可侵である」との言葉です。
この言葉は話のなかに隅々まで行き渡っており、メルケルの判断基準にとってもっとも重要なものであることが分かります。
現今の世界情勢に関わりなく、メルケルさん個人のものの見方や考え方に接し、本書によってわたしなりに示唆を得ることができました。
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