CGデザイナーへの道。小3で描いた「いつかCGを作ろう!」(社員インタビュー#2)
前回の社員インタビューに続き登場いただくのは、キャラモデラ―として活躍するhmskさんです。
お声がけしたキッカケは、新卒研修。講師を担当するhmskさんを新人さんに紹介するために色々と話を聞いていたところ、「これは今後CGデザイナーを志す人が聞きたい話では!?」と思ったのでした。
どちらかと言うと、かわいらしいキャラを得意としているイメージのhmskさん。入社8年目でチーフデザイナーも務める、学生の方から見ると”近すぎず遠すぎず”のリアルな先輩の様子。ぜひ最後まで読んでみてください。
1.小学3年で決めたCGデザイナーへの道
ー hmskさん、今日はよろしくお願いします。はじめに、hmskさんがCGデザイナーを目指そうと思ったキッカケを教えていただけますか?
結構、根が深いんですけどいいですか?(笑)
小学3年生のときに友達の家で格闘ゲーム『鉄拳3』をプレイしたところから始まるのですが…オープニングムービーで女性キャラ「ニーナ」の登場シーンがかっこよすぎて!そのシーンに憧れたのが始まりです。その時点ですでに、「いつかCGを作ろう」と思っていました。
ー hmskさんの今の得意領域からすると、意外すぎて面白い(笑) hmskさんを知っている同僚もきっとこれを読んで驚くでしょうね。
そうなんです(笑)初めの出逢いは、今とは全然違いました。
それから、Play Stationと『鉄拳3』を親に買ってもらって、オープニング映像をひたすら観る日々が始まりました。「見たいものが見れればそれで満足」の精神だったので、ゲームは全然やり切れてなかったけど…
そのときCGが使われている一番身近なものがゲームだったので、「私はゲームを作りたいのかな?」とも思ったのですが、「やっぱりCGの映像が好きなんだ」と気付いたのが、小学5年生の頃です。
そこからは、CGデザイナーになるために全ての進路を選んできました。
ー 中学では専門的な勉強はできないと思いますが、どう過ごしていたんでしょう?
中学校ではひたすら絵を描いていましたね。CGがまだ何もできないなら、CGの基になる絵を勉強しようと思って。当時好きだったFINAL FANTASY IX(FF9)の攻略本の裏表紙にあるイラストを穴が開くほど見たりしていました。
その後、高校では写真部にのめり込み、写真の技術やPhotoshopの使い方を学びました。体育会系のような写真部で、みんな真剣そのもので。ものを見る力、絵の良し悪しを判断する力が鍛えられた気がします。
一時は写真の道に進もうかと思ったぐらいなのですが、『鉄拳3』を思い出して「いやいや、私はCGだ!」と思いとどまりました(笑)
ー その後、大学でのCGの勉強を経てダイナモに入社された…と。
大学1~2年の頃はMayaを教えられる先生がいなかったこともあり、3年からはMayaの習得に必死でした。卒業制作では一年半をかけて一人でムービーを作成。全行程を一人で体験したのは良い経験でした。
ー 少し遅れながらも、Mayaを勉強できたのは大きかったようですね。
はい、学生のときに追いつけて良かったと今では思います。
最近だと、Blenderを使う人も多いと思います。
Blenderはチュートリアルも多いので、学校に入らずとも勉強しやすいツールだとは思います。ただ、せっかくお金と時間を投じて学校に通ってCGアニメーションスタジオを目指すなら、まずは現場で広く使われているソフト(maya,3dsMax等)をメインスキルとしてしっかり習得し、サブスキルとしてBlenderを習得していくイメージがいいかなと思います。
2.先輩のデータから”盗む”意識
ー いよいよ憧れのCGデザイナーとしての仕事が始まったわけですが、仕事現場の印象はいかがでしたか?
CGの現場って、すごいなと。
学生だと、自己都合で設定を変えてみたり、簡単にできちゃうじゃないですか。仕事現場では、クライアントの仕様や社内仕様があり、それは自分の力では変えられない。担当した仕事も、チーフのOKもらえず、クライアントOKも出ないのは日常茶飯事。
今までめちゃくちゃ甘かったな…と、数年間打ちひしがれて(笑)
それだけに、「がんばっていこう」と気を引き締め直しました。
ー そんなhmskさんも今はチーフとなって…
はい、今はチーフデザイナーとして自分がOKを出す側になってしまいました。
チーフを務めるにあたっては、「こんなもんでしょ」とあっさり仕事を片づけないように意識しています。常に自分の中でもう一段階上に引き上げていくイメージです。
見た目のクオリティを高めるのはもちろんですが、データ自体の精度も大切にしています。
CGはデータを扱う仕事で、モデリングはその工程の上流。次の工程のためにも綺麗なデータを作らねばと思って臨んでます。今でも、新人のときに見せてもらった先輩のUVがすごくきれいで感動したことを憶えています。先輩のデータから”盗む”意識が、成長のコツだと思いますね。
3.「好き」が仕事になった、不思議な感覚
ー 昨今、なかなか会社見学などもできないので、ダイナモの雰囲気が気になっている方も多いと思います。hmskさんから見て、ダイナモってどんな雰囲気ですか?
わかりやすい言葉で言うなら「和気あいあい」。けど常日頃そうというわけではなく、それぞれ己の世界もあるイメージでしょうか。
一人ひとりそれぞれのキャラや強みが立っているだけでなく、力が合わさったときの団結力が大きい会社だと思います。
あとは、個性を出すとおもしろがってくれる人が多いので、私は居心地が良いです。私の場合だと、男性アイドル系が好きと言ったら、「どんなのが好きなの?」とみんな聞いてくれたり。好きなことを話せるのは嬉しいですね。
ー 確か仕事でも男性アイドル系コンテンツに関わったことありますよね。そのあたりのお話もぜひ聞かせてください。
実は私の中では、二次元のキャラクターに対する「好き」と、将来CGとして携わりたいものは完全に別物だったんですね。今でこそ、歌って踊るキャラクターは当たり前になっていますが、当時はまだ出始めでした。つまり、この「好き」を仕事にしたいなというイメージが持てていませんでした。
当時、二次元男性キャラクターが出てくる、あるアプリゲームがありました。そのダンスムービーで私は盛り上がっていたわけですが、入社後にダイナモがその制作に関わっていたことを知りました。それが入社一日目のことで(笑)
その後、自然な流れでその類の仕事に関わることが多くなりました。自分が良く知っていることが仕事に活かせている状態になったのが、嬉しいというよりも、不思議な感覚だったことを憶えています。
4.学生時代に学んでおきたい知識とスキル
ー hmskさんといえばキャラモデラ―ですが、入社前にこんなことを勉強しておけばよかった!ということはありますか?
シェーディングとレンダリングですね。
キャラモデラ―というと、直感的に形を作っていくイメージがあるかもしれませんが、キャラ一体を仕上げる工程の半分はテクニカルな要素が強いシェーディングやレンダリングです。この二つは、キャラをつくるうえでの必須項目です。
私はテクニカル系が得意ではなかったし、学生時代に勉強していませんでした。入社してからプロジェクトを通して勉強していったので、もう少し学生時代に勉強しておけばよかったなと… チーフデザイナーになると自分で構築できる必要もあるので。
リアルタイムで動くコンテンツがゲーム以外でも増えてきているので、レンダリング工程をあまり意識せずに過ごしている学生さんもいるかもしれません。ただ、ダイナモのような映像制作会社を志望されるのであれば、せめてこの二つにも興味を持ち、必須項目だと把握しておく必要はあると思います。
ー hmskさんがモデリングで意識していることは何でしょうか?
例えば2D系のキャラの場合 設定画を基に3Dに落とし込むのは当然ですが、2Dでしか表現できないものをうまく3Dに落とし込むことに頭を使います。
後々の工程を考えて、「ここはモデルで対応しよう」「ここはカットのほうでどうにかしてもらう」などのバランスを考えます。場合によっては、クライアントに交渉することもあります。
2Dの完全再現だけを考えるのではなく、3Dのモデルとして最後まで使えるように作ることを意識しています。
5.変化を楽しみながら高め合っていこう!
ー 採用に特化したメディアとしてnoteを始めました。”ヒト”についての話も聞かせてください。hmskさんは、どんな人と仕事をしたいですか?
予算とスケジュールが付きまとう現場において、最後の最後まで粘って”ヨイショ”とクオリティを上げていくこと…そのためには、キャラクター愛や作品愛だったり、仕事への誇りだったり、そういったものがないと機械のようにになってしまうし、何より面白くない。最後まで熱意を持って良い作品をつくっていこうとする人と一緒に仕事がしたいです。
ー 本日はありがとうございました!ダイナモに興味のある学生さんや中途希望の方に、最後に一言お願いします。
ダイナモのように、モーションキャプチャーから完パケまで一気通貫で対応できるCG制作会社は多くはありません。CGをトータルに体感しながら映像制作をしていきたい人には向いていると思います。
社長の広川さんがよくこうおっしゃっています。
私が入社したときのダイナモと今のダイナモも違います。
きっと、これからも変わっていきます。
変化を楽しみながら、ともにCGの腕を磨いていける仲間を待っています!
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