やぎバターがゆ2020

#おいしいはたのしい

最初はさ「2020年のやぎバターがゆ」
ってタイトルにしたかったの。でもさ文章書いてて
平仮名で始まる名詞に平仮名で接続する
のが病的に気持ち悪いわけ私は
2020年「のやぎ」バターがゆ、の
「のやぎ」
の部分が死ぬほど許せないわけ
だから毎度、何を書くにも、そうしないように気を付けてるつもりなの
でもさ、ブルースブラザーズ2000とかみたいに何らかのリメイクや年月を経た続編って、ホラ、アレじゃん?
だから迷ったのよぉ
でも、もっとぶっちゃければ
「これまで書いた記事をシレっと手直ししただけじゃアクセス数は上がらない」
ってのも事実でさ
ぶっちゃけついでに書くけど、ホントに心血を注いで書いた作品でも伸びないし読まれないし散々だからな
誰かのツイートをリツイートしてるのはともかく、私自身の呟きならば食虫植物とかそういうのも、別に見るなとは言わないけどさ
そっちリツイートすることなくね!?
って思うわけ
だって別にそっちがメインじゃないじゃん。じゃあ創作アカウントだけ作るかって言えばそんなもんこそ誰も読まないし見ないし、じゃあ他の創作アカウントとかの連中がリツイートなり引用リツイートなりするにしたって読みもせず回覧板みたいに回すだけだろ
それもなー
だけどお前、こっちに小説とか作詞があって
こっちにハエトリソウがあって
ハエトリソウをリツイートするなら手間は同じじゃん!
って。まあたまにはそういうことも考えるわけよ
私自身が雑多で趣味の幅が広いせいなのは重々承知で、そういうのも含めて楽しんでもらえてれば嬉しいけど
お前オレにリツイートしてくれだのなんの言うわりにお前は広めるのソッチなのな!
ってのは思うよ
重箱の隅にストンピングを浴びせてるのもわかってるけどさ
その重箱の隅に置いたハエトリソウより、真ん中に据えた作品が見向きもされないジレンマってのは確かにあるんだ
そしてそれが消えたら、多分、私は書かなくなってると思う
読めコノヤロー!
ぐらいの気持ちで書かなきゃやってられねえよ

まあいいか。とりあえず暫定的に、やぎバターがゆ2020ってファイル名を付けて書き始めたんだよ

この元になった記事を書いたのは結構前のことで
それこそ2年や3年は軽く経ってると思うし、もっと言えば10年ぐらい前にもmixiでMOTHER2がどうした、イトイさん的世界がなんのかんの、と書いてるはずなんだ
私にとっては糸井重里さんと言えばMOTHERのヒト、であって
手帳やハラマキまでは買わないまでも
MOTHERのことなら本当に尊敬しているし、多大な影響を受けた
特にMOTHER2は、最早テレビの中だけの世界じゃなく
家にも学校にも居場所のない「わたしだけのばしょ」だった

で、やぎバターがゆ
って知ってる?

というか「やぎバターがゆ」ってだけ聞いて何のことかわかったら相当のマザー通でありマザー2マニアだ
マザー2通って言いたいだけなんだけどねコレは

でも、やぎバターがゆ、美味そうでさあ
このゲームで初めて遊んだのは多分小学2年ぐらいの頃だった
両親が離婚する寸前か離婚してすぐくらいに発売になったんだったっけな。んで私は母親と一緒に今まで通りに実家で暮らすことになったんで、母と初めて一緒に遊んだテレビゲームでもある。この辺ややこしいうえに、まあちょいと込み入った話なんだけど
私の実家というのは母方の実家でさ。母方の祖父母が居て、私の母が居て、そこに実の父親がムコに来ていたが家庭内暴力とか色々アレだったんで追い出した、というわけ。そういう家庭なので祖父母も同居しているとはいえ形としては母子家庭になるわけで、コミュニケーションをと思ってくれたのか何なのか
スーパーマリオワールドにもゼルダの伝説神々のトライフォースにも興味を示さなかった母だったが(後でわかったが母はアクションゲームが死ぬほど苦手だった)MOTHER2と新・桃太郎伝説と弟切草とダークシードと…あとセガサターン版のシムシティ2000などなどじっくりやるゲームは殊の外好きで、夜中まで一生懸命やっていた。そういえばファミコンの初代マザーも家にあったが、あれも母が買ってきたものだった

そんなMOTHER2、色々と魅力はあるけれど特色を一つ上げるとすると、なんといっても回復アイテムが独特
現代劇であるがゆえにハンバーガー、オレンジジュース、サンドイッチにピザ、さらには市場の露天で串焼きを買ったり、レストランでスープをテイクアウト出来たり、砂漠のど真ん中で行商人から高額の水を買わされたりする
舞台はアメリカやヨーロッパをモデルにした街が多いのだが、中盤の山場としてその文化圏からは遠く離れた山間の国・ランマ王国が登場する
チベットや中央アジア?をイメージした、高原にある小さな王国
なので、ここだけ他の街や国とは明らかに違う。服装、地形、背景、風景、そして食べ物
山のふもとに小さな食堂があって、そこで買うことが出来る食べ物に
やぎバターがゆ、があるんだ

ああやっとこれが本題だよ
最初に書いた当時より話が長くて、しかもとっ散らかってるってどういうことだよ

で、やぎバターがゆ。なんとなく高原の食べ物っぽい
やぎバターがゆ
やぎの肉だってそうそう滅多に食うものではない。やぎのミルクだってそうだ
そのやぎのミルクをさらにバターにしたものを使ったおかゆである

私がこのゲームを自力で全クリできたのは、発売から約2年後のことだった
テレビゲームの攻略に2年かかったんじゃなく、厄介な元父親の方に手間取っていた…というかそれはこの先何年にもわたって続くのだが、この頃に人生最初のどん底Season.1が来てさ
その時に入り浸っていたMOTHER2の世界で、私はやぎバターがゆを見つけたのだ
それまでは母にクリアしてもらったり、砂漠のNO.3モグラのとこで詰まったりしてたんで、ランマまで進めなかったんだな。まあ小2のガキなんてそんなもんだろ

で、これと同時期に椎名誠さんの小説にも出会っていた
母の本棚には椎名さんの文庫本がズラっとそろっていたんだ
エッセイからルポ、SFも青春小説も全部あった
オババから哀愁の街、アド・バードも武装島田倉庫も、そしてあやしい探検隊もあった
最初は「この人もプロレス好きなんだよ、アンタも読んでみる?」とひょいと借りた
あやしい探検隊 海で笑う
が気に入って、そのあとは自分でぐいぐい読んでいった

だからこの文章も、他に書いている小説も、椎名誠さんの影響はおそらく随所で見られるハズだ
だって原体験がそうなんだもん
そして、その中の一冊
モンゴルでの紀行や映画撮影について書いた「草の海」という本のなかで、椎名さんが遊牧民の使う移動式テントの中で暖かそうなお茶を飲んでいる写真があって
これが私の頭の中でSPARKした

やぎバターがゆ

そのお茶はスーテー茶なので確か牛乳だったんだけど、牛乳と塩の入ったお茶っていう響き、馬乳酒や羊の腸詰め、やぎのミルク。椎名さんの本にはランマっぽい食べ物がいっぱい載っていた
いつかモンゴルに行ってみたい、と思った

やぎバターがゆ、未だに実物にはお目にかかれていない
ホントにそういうものがあるのか、もわからない。別にわからないままでいいし、それはそれで構わないんだけれども
てか、モンゴル料理店ってあるんだろうか
今はお相撲さんもいるし、モンゴルって何となく身近に感じる国じゃん。だから、モンゴル料理のお店も在りそうなもんだな。そう言うところに行けば、バター茶飲めるかな
そしてやぎバターがゆ、食べてみたいな

MOTHER2はランマを越えると、さらに砂漠の向こうへ進んでゆくことになる
魔境と呼ばれる猛毒の底なし沼の、さらに奥深くへ
やがて大地の底に辿り着いて、最後には過去に向かう
賑やかで色鮮やかな世界が急に黙り込み
えげつなくも心優しいゲームだったMOTHER2
が色を失くして冷たくなってゆく
過去に降り立った主人公たち、私の4人の友達は変わり果てた姿になって進んでゆく
ガシャンガションガシャンガションという足音と、低く地獄の底から響く呼び声のようなBGMが真夜中のテレビから響いてくる
もうハンバーガーも、やぎバターがゆも、まめのコロッケも、サマーズふうパスタもない
厳選し買い込んだ回復アイテム、さとりのべんとう と マジックタルト
そして戦争を始めるのかってくらいのペンシルロケット
彼らはそれを持って時空の彼方に置かれた悪の巣箱に向かい、巨大な敵を撃破する

私は何も持たず、何の武器もなく、ロボットですらないまま、また厄介な元家族のもとへ向かい、巨大な後悔を言葉と拳の暴力で刻まれる
産まれてきたことへの巨大な後悔と実の父親への嫌悪感・軽蔑を
心さえ心さえ心さえ無くロボットだったら、どんなに楽だっただろうか

MOTHER2の世界に行きたい。今でもそう思っているから、私は不思議で不条理で不可思議な小説を書いているのかもしれない。そしてそれを読んで欲しがっているのは、私と、もうひとり。小学生高学年の頃の私なのかもしれない

変わり果てて、あのロボットになった自分の姿が今でも夢に出てくる。それを見て、私は過去の自分に聞いてやりたい
今でもMOTHER2の世界に行きたいかい?

子供の私が年だけ取った私に聞く
やぎバターがゆ、食べた?
私は彼になんて答えてあげればいいんだろう?

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