みやぎDXアイデアソン〜みやぎの地場企業を支えるDXを考える
デジタルの活用で、地域の企業がどのような変化を遂げられるのか。みんなで課題を持ち寄り、その解決策となるアイデアを出し合う「みやぎDXアイデアソン〜みやぎの地場企業を支えるDXを考える」を2024年3月12日(火)午後、enaspace(仙台市青葉区)で開催しました。
ありたい未来を実現させるためのDX化
このアイデアソンでは、地元企業の社内の「業務改革」や「新製品・サービスの創出」を考え、実現させたい未来を描くことで、DX化に向かうそもそも目的と対象を見定めていくことを目指しました。
参加者には、あらゆる業界の地元企業や、DX化を支援するIT企業、さらには地域のビジネスに関心のある学生も迎え、業界や職種を越えて、自由に考える場としました。
DX化の考え方
冒頭、DigiBizみやぎから「DXのはじめの一歩~デジタルを活用する狙いは何なのか?」と題したミニ解説がありました。この解説では、DXに向かうプロセスについて、身近なアナログをデジタルに置き換えていくステップ、業務改善をはかっていくステップ、そしてこれまでになかった大きな変革をかなえていくステップについて説明がなされ、最後の変革をかなえるためには、社内外の状況の変化もとらえた上で将来像を描くことや、手前のステップの経験も重要であることなども説明を行いました。
なぜDX化を求めるのかを考える
はじめのワークでは、かなえたい未来と現状のギャップを明らかにして、いまある現状の何を対象に変革の手を加えていきたいのかを考え、定型文で表現することにチャレンジしました。
課題解決型で物事を考える際、忘れてはいけないことが、解決した先の未来に何が新たに実現しているのかを明らかにすることです。課題が解消することで、現状のマイナス要素が改善されるだけではなく、それによってどのようなアウトカム(手にいれたい成果や利益、幸福など)をつかみたいのか。ここがどうあるかで、現状の課題に対してどのような解決策を求めていくのかが、大きく変わっていきます。
DX化を進めるにあたっても、その目的について、ありたい未来をセットに語ることが重要です。
打ち手のラフスケッチを描く
DX化に向かう目的や対象が見えたら、その先にたどり着くゴールの解像度を高めていきます。ゴールへの到達を指標化することで、目指す先が具体的に見えてきます。指標には、数字で表せることや、状態で表せることなどがあり、特に数字で示せるかが、ゴールの解像度をどこまで高めていけるかのポイントになります。数字でイメージできないものは、目指したゴールがそもそもあいまいである可能性が高く、そこに向かうプロセスも描きにくくなります。
ゴールのイメージが見えてきたら、そこに向かうためにデジタルをどう使って、現状を変えていくアクションを起こすのか、ざっくりとアイデアを描きます。
アイデアとは、いまないものを新たに生み出すために描くものである以上、内容の妥当さは、実践によって検証しなければ明らかになりません。なので、最初から緻密に描きこんでしまうと、実践の結果が当初の想定からズレた場合、設計をいじることが難しくなり、さらにはアイデアへの愛着が執着にもなり、その点でもあとからの修正が困難になります。
部分部分を細かく描くことより、全体像をあえてざっくり描くことが、初期のアイディエーションでは大切です。
デジタルでできること
DX化を進めるためにデジタルをどう活用するか、という点においても最初は「ざっくり」が重要です。具体的な技術やツールに精通していないとDX化は一歩も前進できないのではないか?という思い込みも、人によってはあるかもしれません。しかし、それらは、ITの専門家の力を活用することで補うことが可能です。
(導入する側自身もそれなりに詳しくないと、ITの専門家たちとのコミュニケーションが難しくなる場面があるのも事実ですが)
デジタルは手段です。目的に沿って、変革の対象となるものを、現状からどう変化させたいのか。効率化なのか、自動化なのか、あるいは高速化させたいのか、自動で予測できるようにしたいのかなど、デジタルが得意な機能をおおまかな単語にしておいて、成し遂げたいことを語れることが、まず第一です。
DX化のステップを描く
新たなことをはじめるときには、描いたゴールに向かうための具体的なステップを作りこんでいくことも大切です。描いたゴールは一足跳びに到達できるものではなく、はじめの一歩で取り組むことや、それが達成できた先にトライすることなど、段階を設けて、着々と進むイメージが必要となります。
ゴールへ向かう段階を刻みながら、それぞれのステップがクリアできたかをはかるための指標があるとよいでしょう。また、新しい試みであればあるほど、当初描いたステップに修正が必要になるケースも出てくるはずです。アイディエーションと同様に、あとから修正を加える余地があることも、取組を継続させるためのポイントです。
アイデアは実践を重ねることが形を持つ
新しいことに取り組む道を1本の線にたとえたとき、アイデアソンはその中に1つの点を打つものです。なので、アイデアソン単体だけでは、その先のアウトカムを大きくつかむことは難しいです。今回得た考え方や、生まれたアイデアは、参加した当事者が実践を繰り返すことで、より大きな意味をなしていきます。
参加者みなさんのDX化をサポートし続けるためのアクションを、今後も多く設けていきたいと思います。
宮城県内で活躍する地域の企業が、今後も成長を図りながら生き残っていくために、「地域のDXを加速させるみやぎコネクトプロジェクト(略称: みやぎコネプロ)」では、引き続きみなさんと一緒に未来を創る活動を続けていきます。
*本イベントは宮城県「令和5年度異業種連携促進支援事業業務」にて実施したものです。
宮城県では、DXに取り組む企業やサポート企業が参加するイベントを開催しており。ICTポータルサイト「オープンイノベーションみやぎ」では、県内に拠点をもつIT企業を検索できます。
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