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「女性とともに学ぶWell-being×DX勉強会」第3回テーマ「女性のニーズから生み出すWell-beingと新サービス」

地域の企業がDX化に向かい、変革を果たすために、女性の視点事例紹介やニーズの探求を行う「女性とともに学ぶWell-being×DX勉強会」を3回シリーズで第3回は2024年2月16日(金)に開催しました。

第3回は、「女性のニーズから生み出すWell-beingと新サービス」と題し、株式会社フードコミュニケーションのなぎさなおこさんを迎え、参加者を交えたディスカッションとワークを行いました。

【ゲストプロフィール】
なぎさ なおこ(株式会社フードコミュニケーション 代表取締役社長)
健康な心と体作りを食でサポートする事を目的とし、「病気予防、怪我予防の食事」を、美味しく、楽しく、生活の中での「食」を沢山の方に伝えたいという想いで2007年起業。食をコミュニケーションツールとして「心と頭と経済の健康と豊かさ」をコンセプトに、一生健康で過ごせるライフスタイルを提案している。これまでの受講生はのべ3万人以上。料理教室や食育活動の他、商品開発や地域づくりのプロデューサーとして全国各地で活動中。幼児から料理に親しんでもらうことを目的に2014年に出版した「キッチンであそぼ」が、料理本のアカデミー賞と呼ばれるグルマン世界料理本大賞ウーマンシェフ部門で世界2位を受賞。

女性視点で社会を変えていく ~DXに通じる視点として

冒頭のセッションでは、これまでの2回分の内容を振り返りながら、女性の課題とDXの共通点を整理しました。

第1回では、不妊治療を諦めざるを得ない地方の医療環境に対し、患者と医療機関がそれぞれ使えるサービスでどこに住んでいて不妊治療の機会を得られる世界の実現を目指すvivolaの取り組みを紹介しました。ジェンダーギャップという視点で、これまで見落とされていたニーズに応える新サービスが必要になるという考え方です。

第2回では、出産・育児でフルタイムで働けず、自分の力を活かせない女性の課題に対し、2時間労働のアウトソースの仕組みによって地元企業の仕事で働ける女性の新しいキャリアの構築を手がけるケイリーパートナーズの取り組みを紹介しました。こちらは、子育て女性のキャリアという視点で地域の企業が生き残るための業務改革が必要という考え方です。

「これまで見落とされていたニーズに応える新サービス」も、「地域の企業が生き残るための業務改革」も、DXが目指すべきところです。それぞれに対して、デジタルでできることを実装し、劇的な変化を生むのがDX(デジタルでの変革)の狙いになります。

女性のwell-beingは社会を変える源泉である

ジェンダーギャップやキャリアの問題は、突き詰めると「わたしたちはどうありたいのか」という話であり、「わたしたちが暮らす世界にどうあってほしいのか」を考えることでもあります。

自己の成長と充実を感じながら、心地よく、機嫌よく、自由に過ごせる自分をつくるをつくる。やりたいことが適う世界を描き、これまであたり前だと思っていた世界の不便さや居心地の悪さに気づく。新しい商品・サービスを生み出す源泉も、そうした課題と欲求が出発点になります。

ありたい自分と世界を築くために

ゲストに迎えたなぎさなおこさんのお話には、自身が食育料理家になった理由として、

• 一生健康で過ごしたい
• 健康に過ごす仲間を増やしたい
• 生きて行く事に欠かせない「食」を一生の仕事にしたい

という欲求がありました。そこから行動を起こしたことで、グルマン世界料理本大賞で世界2位の評価を受け、全国の飲食店やホテルのプロデュース、新規事業の立ち上げ・ディレクション
企画・広報など、事業が拡がっていきます。

なぎささんのお話にも、デジタル技術を活用した変革は何のためにあるのかを考え、人が豊かになるための技術である以上、人を育てる環境、人が増える環境があって成り立つ話であるという指摘がありました。女性のニーズは、実生活の密接したアイデアにつながるというお話もいただきました。DXにおけるその意味は、前述のとおりです。

食の分野はwell-beingに直結します。なぎささんのような方が、女性、社会のニーズをくみ取り、様々な企業の事業創発を支援するに至ったのも、上記の流れからごく自然なこととも言えるでしょう。

加速するママコミュニティ

なぎささんは、全国規模のママ団体と連携し、青森発で東北の女性コミュニティづくりも手掛けています。こうしたママ団体は、あらゆる分野の企業でスキルを発揮しながら仕事も生み出しています。

DXを目指す起点として、女性の視点に着目するのであれば、彼女たちの声はニーズの塊と見ることもできます。

人の課題欲求からDXを目指すワーク

最後に、女性のニーズから新サービスのアイデア創発を行うミニワークを行いました。

このワークでは、人が持つ課題欲求から出発し、課題を解消して価値を受け取るために何が必要かを考え、サービスのアイデアにつなげるという流れで、アイデアを出し合いました。

また、ワーク内では、人の行動に影響を与える要素として、L.レッシグが「CODE VERSION2.0」で語っていたの4つの規制要素を援用し、変革について考えました。

a. 社会の法律やルール:「性別で採用を区別してはいけない」etc.
b. 人の意識や行動様式:「女性は○○であるべきだ」etc.
c. 市場での損得勘定:「ケーリーパートナーズに外注したほうが便利」etc.
d. テクノロジー:「データ分析で不妊治療が受けやすくなった」etc.

など、企業の行動もこうした要素から導くことができるとして、DXに進むためのあらゆるプロセスに目を向けることも意識しました。

実践を生み出すために

DXを目指すには、目先のテクノロジーだけに注目するのではなく、こうした幅広い視野と、変革を生むための実践が必要となります。アクションを生み出すために、本事業の今年度最後のイベントして、みやぎDXアイデアソンを開催します。こちらも奮ってご参加ください。

宮城県内で活躍する地域の企業が、今後も成長を図りながら生き残っていくために、「地域のDXを加速させるみやぎコネクトプロジェクト(略称: みやぎコネプロ)」では、引き続きみなさんと一緒に未来を創る活動を続けていきます。

*本イベントは宮城県「令和5年度異業種連携促進支援事業業務」にて実施したものです。

宮城県では、DXに取り組む企業やサポート企業が参加するイベントを開催しており。ICTポータルサイト「オープンイノベーションみやぎ」では、県内に拠点をもつIT企業を検索できます。
宮城県の支援制度や、団体・自治体からの情報も公開中です。

https://ictdb.pref.miyagi.jp/

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