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34.13:40 漫画と韓国ドラマに導かれたパリ旅行

優しい風が入ってくる午後。
最近眠気がすごいのだが、理由が特段思い浮かばない。
以前であれば、満月のせいかな、などと良く分からない理由でも納得できていたが。
まあ、眠れる日は思いっきり寝てしまおう。
それが体が求めていることなのだから。


あれは夢だったのだろうか。
それほど、私がパリに行ったのは遠い昔のことだ。
十数年。
パリ旅行から経った年月は、確実に自分を老いさせている。
あの頃の、若さはもうない。
それが悲しいわけではない。
だって、今の人生の方が何倍も楽しいし充実しているから。

それでもあの頃が懐かしいのは、パリという魅惑の都市に、夢ではなく実際に私が存在していたからだ。

私がパリに行くきっかけは、漫画とドラマだった。
それ以前からパリは憧れの地であったが、実際に行こうとまでは思っていなかった。
それが、漫画「のだめカンタービレ」にはまり、パリがより身近なものになった。
千秋先輩とのだめがパリで暮らす様子は、とても素敵に見えた。

そして、かなり古いドラマ「パリの恋人」。
ご存じの方はいるだろうか。
この韓国ドラマにも夢中になったことで、パリが憧れを通り越して、行くべき旅行地ナンバーワンに躍り出たのだ。
今はもう目も当てられないほどのファンタジードラマと言っていい「パリの恋人」。
濃い。
あの頃の韓国ドラマの要素がてんこ盛りだ。
主役の男性は、どう見ても美しいヒーロー顔ではないのが、逆に味があった。
それでも(というと失礼だが)素敵に見えたのだから、あのドラマはすごい。
もちろん、その俳優パク・シニャンさんの演技がすごかったからでもある。
その後、彼は演技派で名の通った俳優だと知るのだが、それは置いておいて。

私の心はその頃パリ一色だった。
パリの雑誌を買い、とにかく読み漁った。
そうして必ず行くべき旅行地となったパリだが、一人旅をする勇気はなかった。
それまで無謀な旅行の経験はあったが、おしゃれが売り(と勝手に思っていた)パリを独り歩きすることは、とんでもなくハードルが高かった。

そこで、旅の友を探していたら、同じドラマを観ている友人がいることが分かった。
ドラマ話で盛り上がり、ついにパリ旅行が現実のものとなった。

実は、パリにあこがれを抱き始めてから、偶然コムサデモードでもらったエッフェル塔のモノクロ写真のカードをデスクに飾り、毎日毎日眺めていた。
これが刷り込みというか、イメージングというか、ビジュアライゼーションというか、引き寄せというか。
とにかく私はついにパリ行きを決めたのだった。

旅の様子はまたの機会にするが、良いことも悪いこともあった旅行は、私にとってかけがえのない財産だ。
私はパリ旅行の前と後では別人になった。
紀元前、紀元後のように、パリ以前パリ後で年数を数えてしまうくらいだ。

また、行ける日が来るかどうかはわからないが、今まさに私の中でパリ熱が高まっている。
今回は、本がきっかけとなった。
来る日も来る日もパリに関する本、特にエッセイを読んでいる。
次に読みたいのは、高峰秀子の『巴里ひとりある記』という本だ。
面白かったらいいな。

そんな私のパリ旅行記はいつかまた。

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