善良と傲慢
こんにちは。
今回は、先日読んだ小説が非常に考えさせられたので、その記事にします。
その小説は、辻村 深月氏著の小説『善良と傲慢』です。
その中でも特に印象に残っているのが、小説名にもなった「善良と傲慢」について主人公真実の地元群馬の結婚相談所の小野里さんが言ったこの一言です。
自分の人生を振り返っても非常に参考になる小説だったので、お盆の長期休暇の読書のお供に是非お勧めしたい小説です。
善良だった自分
この小説を読んで思い浮かんだのは善良だった自分自身です。
学生時代までは、親と衝突することもなく、大学まで出て社会人になり、定年まで無難に勤め上げる普通?の人生こそが安心できると思い込んでいました。
親の言いつけを守っているつもりはありませんでしたが、特にこの時期に親と学校の友達以外の人に触れるということもほとんどありませんでした。
高校時代まで親や学校の先生がいうことに何も疑問を持つことなく生活していた自分を振り返るとこの時代にもっといろんな本を読んで行動に移すことで知識や経験を積んでいれば、人生が変わっていたのかもしれないという思いが小説を読む中で込み上がってきました。
社会人になってからも善良な自分は変わることなく、新卒で入社した会社から転職すると苦しくなる、20代のうちに結婚しないと負け組というという思い込みがありました。
本当は行きたくないと思いながら出社していた会社、自由な自分の時間が好きという思いがある一方で結婚しなければという思い込みが自分の中に混在し、結果的に「認知的不協和」で自分自身をどんどん苦しい立場に持っていきました。
傲慢だった自分
20代の頃、結婚したいと思っていた自分自身は間違いなく傲慢でした。
自分が勝手にこうすれば相手の女性が喜ぶに違いないという思い込みから無理なことをして気づいたら音信不通ということを起こしました。
原因は自分自身の勝手な思い込みから生じる「傲慢」な行動でした。
小説の中でも真実の婚約相手である架が、何かと理由とつけて決断を先延ばしした自分自身が傲慢であることを反省する部分がありますが、この部分は男女問わずに共感できるのではないでしょうか。
傲慢と善良の混在
小説は、婚活を一つ大きなテーマにしているので、善良と傲慢を混在して結果を出せていないという架と真実に視点にその模様を描いています。
確かに今の日本の結婚の状況を見ても社会情勢が大きく変化しているとはいえ、善良と傲慢が個々人に内在していることは事実でしょう。
小説には、親が子供の結婚のために結婚相談所に申し込むというシーンがありましたが、このシーンが親と子供の価値観の相違が鮮明に描かれていると思います。
今の30代の親の世代は皆婚という結婚しているのが当たり前で結婚が社会のシステムの中に組み込まれている時代でした。
しかし、今はそんなことはないです。
変化の中で困惑しているのが、今の現役の世代というのが、現状でしょう。
女性の社会進出も進んでいる中で結婚というシステムがなくても自立して生活していける環境が今の日本にはあります。
その一方で、孤独死や日本の社会保障制度への不安からいつかは結婚しないといけないと頭の片隅では思っているというのが多くの人が感じていることでしょう。
今の変化している時代の中で自分自身の人生をどのようにプランニングしていくべきなのかというのを訴えかけれらる、そんな小説です。
最後に
小説は、架の恋人である真実がストーカーに追われて、その後失踪するという形で進んでいきます。
そのあとどうなるかは、ネタバレになってしまうので、書きませんが、非常に面白いストーリーです。500ページ近い比較的長めの小説ですが、その長さも感じないほどあっという間に読み終えてしまいました。
今の時代、親や親友などの意見に左右されず、あなたは一体何をしたいのという価値観が非常に大切になるのだと思います。
SNSの発達で何かと承認欲求を求めがちな今の時代ではあります。
ですが、それではいつまで経っても本当の意味での自立はできません。
私自身もまだまだ未成熟な部分はありますが、自分自身が歩んだ35年に決して無駄なことはないと思います。
東日本大震災を仙台で経験しましたから、いつ何が起きてもおかしくないという思いはあります。
ただ、普段何気なくテレビのニュースやSNSに接して生活しているだけでは世間の価値観に固められた自分から抜け出すことはできません。
いろんな本を読んで様々な価値観に触れることや自分から何かしらのアクションを取らないといけないと思います。
その一つがこのnoteなどのブログという形ですし、Twitterで発信するというのも有効に使えば一つの手段でしょう。
まずは受け身の生活から抜け出すことが大切だと思います。
記事は以上になります。
最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。
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