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GRAFFITI CULTURE②

そんなこんなで、水戸の改札を軽快な足取りでジャンプして飛び越え、(仲間の1人は改札に足を引っ掛け大転倒し、そこそこの怪我と出血を負いながら)
XCOLORに向かうバカ御一行様だった。

この展示の特出すべき点は規模感と厳選されたメンツが産むクオリティーだった。
水戸の展示スペースや美術館のみならず、至る所の街の壁や、建物全体にクソデカいピース(色も使った大きいグラフィティー。時間をかけて描くスプレーアート)が描かれていて、全てのアートがlegal(合法的)だった。
自分は当時憧れだったNYにでも来た気分になって街中を夢見心地で歩き回った。
オフィシャルだからこその規模感だ。

少なくとも、茨城県の水戸市にいる実感は帰りに水戸名物の餃子を食うまでは皆無だった。

異次元のart空間に迷い込んだ感じもあり、
全てにいちいち感動した。
勿論、描いているメンツも当時や今の日本を代表するような盤石なメンツだ。
自分が知っていた有名なgraffiti writerは全員参加していたし、知らなかったTOP所のwriterもこぞって参加していて、現場を見た瞬間に
「伝説になるな」
と確信したくらいの破壊力だったし、
結果X COLORは当たり前に伝説になった。

参加 graffiti writer
ACUTE、AKIM、AMES、BELX2、BUTOBASK、CASPER、COSA、CS、DASTE、DEM、DICE、DISKAH、 ESOW、FATE、HUZE、ICHI、JOTA、KAMI、KANE、KEONE、KRESS、MAKE、NEIM、NESM、PHIL、QP、RACK、REW、ROM、SASU、 SITE、SKLAWL、SUIKO、TABU、VERY、VITR、ZEN、ZYS

ドラゴンボールとジョジョと幽遊白書とslam dunkのメンツが1つの漫画に絶妙なバランスを保ちながらやってる以上の豪華さを感じた。
多分この規模とメンツでやるってことは最初で最後だと思う。
結果この「X COLOR」でGRAFFITI 文化にのめり込んだ自分は主催者から見たら思うツボちゃんだったと思うし、誰が見てもそうなる可能性があった。

かなり前になるが、KAZE MAGAZINEから
X COLORの写真集が発売されているので、
数千円で購入出来ると思うので気になる方は是非
CHECKしてほしいし、何ならソレにくらって現代版のX COLORを企画してほしい。

話は飛ぶが、
graffitiを街に残す行為を指すスラングで
bombる(ボムる)という言葉がある。
graffiti writerは当然、skill(技術)が必要で、スプレーで好きな太さの線を思った通りに正確に書けたり、タラタラしてたら逮捕されるので、ボムる早さも重要になってくる。
が、個人的に1番重要なのは、壁の声を聞けるかどうか。
つまり、ボムるべき壁を見抜く嗅覚とセンスがソイツにあるかがとても重要だと思う。
(因みに自分はgraffiti writerではないので見る専門です。)

高いクオリティでも、人の家の壁に描こうモノなら、一気ダサく見えるし、嫌悪感を覚える。
綺麗なオフィス街に突如graffitiがボムられていても、マッチしなさそうだし犬の小便(ただのマーキング)のように見える、古いおじいさんが1人で経営してる居酒屋さんにボムったりしても雰囲気ブチ壊しで、嫌な気持ちになるし、ステッカーなら容赦なく剥がす。
でも、ゴミゴミした繁華街の配電盤にこれでもかってくらいステッカーやタグがあると街感をより感じられると思うし、電車に乗ってる時に窓から見える所にデカデカと描かれたボムを見るとリスクを背負ってまで自己表現をしている行動にrespectを覚えるし、いつもとは違った風景に見える。
人が全くいない県外の川に遊びに行った際に、橋の高架下にカラフルなデカいピースがボムってあると、見つけてしまった感動もあり、そこを拠点にして川で遊びたくなる。
人それぞれ感じ方は様々だが、自分はそういう感覚でgraffitiを見ている。
文中で書いたが、どんなにgraffitiが好きな人でも朝起きて自分の家の外壁にボムられたりしたら怒ると思う。
そうゆーハナシだ。
嗅覚ってゆうのは。

続く…

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