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次のピークはいつ!?ドバイ住宅市場の歴史と価格サイクル

今回は、ドバイの住宅市場の歴史を振り返ります。UAEは独立してからまだ50年ほどの国で、不動産の歴史は日本よりも浅いと言えます。しかし、日本よりも不動産市場の変化のスペードが速く、短い期間でも歴史を振り返る意義はあると思います。

この記事はこんな人に向いています。
✅ ドバイ不動産に投資したい
✅ ドバイで自宅を購入したい
✅ ドバイの投資戦略を立てたい


UAEの歴史

UAEは、1950年代まで真珠の産地として栄えた場所です。その繁栄を衰退させたのは、実は日本です。日本で真珠の生産方法が開発されると、UAEの経済は低迷しました。

低迷は10年以上続きましたが、1960年代になって、石油が発見されました。それを機に、石油産出国として経済発展を遂げます。

1971年、UAEは英国から独立しました。ドバイは、アルマクトゥーム家が実権を握り、ドバイを世界一の都市にする計画を立てます。その思いは次世代に受け継がれ、現在のドバイがあります。

ドバイ不動産の歴史

2006年に外国人の所有権を認める法律改正がありました。それ以降、ドバイの不動産は、世界中の富裕層や投資家から注目されています。

下記の画像は、2008年〜2019年の変遷です。

2008~2019年

2008年、不動産ブームを経て、米国でリーマンショックが起こります。ドバイの不動産市場は、リーマンブラザーズが倒産するよりも半年以上前にピークを迎え、下落しています。
2008年と同水準まで回復するには5年かかり、2013年になりました。2014年にドバイの不動産の最高価格を達成します。
そこから2014年にピークを迎え、2017年にヴィラが大きく下落しています。
2015年から2022年までは毎年、不動産価格指数は下落していきます。

2020年に底をつき、2021、2022年には回復し、2023年に成長率は鈍化したものの、上昇を続けています。

次のピークはいつか

価格変化率から考察

REDIN, Global Property Guideより引用 https://www.globalpropertyguide.com/middle-east/united-arab-emirates/price-history

住宅価格の変化率をみると、2022年の変化率より少し下落していることがわかります。住宅価格の上昇スピードのペースが、少し落ちてきたという見方が主流です。

上昇率は以前として高く、2023年以降は、年3~6%程度の成長率と見ている専門家もいます。土地の仕入れから引き渡しまで3年程度かかるとすると、最低3年は新築価格が大幅に下がる可能性は低いと考えられます。

住宅価格サイクルから考察

ドバイの住宅価格サイクルは、短い歴史の中で数回起きていると解説されています。

不動産価格のサイクルの理論として、4つのステージを経てサイクルが1周します。

ピーク → ダウンターン → リカバリー → アップスイング

このサイクルに、ドバイの住宅価格を当てはめてみると、

ピーク(2004) → ダウンターン(2005~2009) → リカバリー(2009~2010) → アップスイング(2010~2014)

ピーク(2014) → ダウンターン(2014~2020) → リカバリー(2021) → アップスイング(2022~)

というサイクルに捉えられます。2023年は、アップスイングのステージであると言えそうです。この短い歴史から得られる考察は、ドバイは 10年で1周することが2回あったということです。

仮にそうだとすると、次のピークは2024~2025年の可能性があります。

原油価格と不動産価格の比較

原油チャート

ドバイの不動産が短期的にピークを迎えるタイミングと、原油価格のチャートを見比べてみると、相関はありそう印象はあります。

08年にピーク、09年に下落。14年にピーク、16年に原油下落・17年に不動産下落。18年に上昇となっています。
近年だと、原油価格は2020年に底をつき、2022年にピーク、2023年は下降トレンドです。一方、不動産は、2023年でも上昇トレンドです。

得られる考察としては、経済成長が石油に依存していた時代は、不動産価格との相関も強かったが、直近のドバイは金融と観光セクターの比重が大きくなっているため、原油価格の影響は小さくなっているという仮説が立てられます。

これだけでは、相関関係がありそうとは言えますが、因果関係があるとは言えないでしょう。原油価格が影響を受けるマクロ要因については、また別の機会にnoteに書きたいと思います。

ドバイの住宅価格が下がる要因

ピーク(2014) → ダウンターン(2014~2020) → リカバリー(2021) → アップスイング(2022~)

住宅価格サイクルにおいて、ダウンターンは5,6年続くという過去がわかりました。この下降トレンドは、どうして起こったのかを考察します。

  • 2013年、政府は連邦住宅キャップを導入しました。これは、賃料の年間上昇率を5%に制限するものでした。不動産投資家にとって、賃料をあげられないことは、ROIの悪化に直結する問題があります。

  • 2018年、付加価値税(VAT)が導入されました。不動産プロジェクトは、完成後3年以内の取引は免除となり、それ以降の売買にVAT 5% がかかる決まりでした。

  • 2020年、Covid-19によって世界経済が麻痺しました。

諸説ありますが、ある記事には上の要因が書いてありました。しかし、VATの影響は小さいとも言われていますので、ここでは要因から除きます。Covd-19のような有事のイベントでは不動産以外の資産も一度は下がります。

最も一般的に言われている要因は、過剰供給です。

住宅の供給と移民の需要のバランスが崩れることが、不動産価格の下落にもっとも影響しているでしょう。

住宅は建設に3~4年ほどかかります。しかし、必要な時にはすでに完成していないと需要を満たすことができません。そのため、需要予測が難しい場合は、需要と供給のバランスが崩れやすいと言えます。

アップサイクルの時は作れば売れるので、建設がどんどん始まります。2013年に開発を始めたプロジェクトは、2016年ごろに完成です。一度に作りすぎると、2016年に大量に売りに出始め、移民の流入よりも販売物件が多くなります。この時に市場のバブルが弾けます。

またの機会に、供給数と価格推移の相関データか分析を探してみたいと思います。

ドバイの住宅価格が上がる要因

ドバイの住宅需要が増す要因としては、下記が挙げられます。

  • 世界情勢の不安、安全を求めて移住する需要

  • 政策・制度の活用による、ビジネスに起因する需要

  • 主要エリアの開発用地の希少性が高まる

  • 金融資産や現金の下落(インフレ)リスクが高まる

これらの要因に関しては、納得できる人が多いと思います。

皮肉にも、ロシア-ウクライナ戦争が始まって以来、ロシアとウクライナ人の移民が急増しています。世界情勢が悪化すると、ドバイの不動産業界は潤うという構図になっています。

住宅価格の変化率を見ても、過去にはもっと高い変化率で推移しているので、今後の世界情勢次第では、予想よりも大きく上昇する可能性もないとは言えません。

まとめ

ドバイの不動産住宅市場は、

  • 2023年はアップスイングの期間にある

  • 10年周期のサイクルがあるようだ

  • 原油価格との相関はあるかもしれないが、今後は小さくなる可能性がある

  • 住宅の供給数/完成年と移民数を注意してみる必要がある

  • 周期的には2025年あたりにピークかもしれない

というまとめになります。

他にも、金利や国債、株式市場など他の市場との関連も見る必要があります。また、ドバイの不動産市場の中でも、先に反応するセクターや賃貸市場の動向もチェックする必要があります。

今後、法人向けにもドバイの不動産投資について発信していきます。



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