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私のラスタファリズム

行きたかった映画「ボブマーリー・ONE LOVE」をようやく見ることができた。

最初は、ボブを演じたキングズリーの顔にギャップを感じ、入り込めなかったのだが、ジャマイカなまりの話し方や、少ししゃがれたような独特の声もそっくり、さらに歌唱シーンも秀逸で、次第にそんなことは気にならなくなっていった。ミュージシャンたちが集まり、ボブがアコギで歌い始めると、ドラムがリズムを与え、ベースやギターがボブの歌に命を吹き込んでいく。やがてスタジオ全体が一体となってレゲエに包み込まれていく様子がリアルに描かれており、思わず鳥肌が立った。

映画 BOB MARLEY / ONE LOVEのワンシーン


もう随分昔の話になるが、二十歳の頃、レゲエが流れるチャイ屋でアルバイトをしていた。当時はまだレコードが主流で、店にはボブマーリーのすべてのレコードが揃っていた。当たり前だがレコードの演奏時間は30分そこそこ、盤をひっくり返したり、次は何を掛けようかとレコード棚を漁る。とにかくマスターも私もボブマーリーに傾倒していたので、次から次へとボブのレコードを回し続けていた。

バビロンシステムは、バンパイヤーだ。

世の中のシステムに疑問を感じ対峙しながらも、音楽こそが争いの絶えない世の中を変えることができると信じたボブマーリー。

ラスタファリズムの思想や、ドレッドロック、アイタルフード、ラスタカラーのファッション、そんなすべてが音楽だけで無く、ひとつのスタイルとして世界中の若者に影響を与えていった。そんな影響は、当時はるか遠くの小さな島国に暮らす私にも確実に届いていた。

映画のできには賛否両論いろいろあるようだが、私にとっては、レゲエ漬けだった当時の日々が懐かしくよみがえり、それだけで胸が熱くなった。そして何より驚いたのは、40年以上経った今でもそんなボブマーリーの思想やスタイルが自分に大きな影響を与え続けているということに改めて気づかされた事。映画のワンシーンじゃ無いが、きっと私の心にもラスタの種が植えられていたんだと思う。

社会に迎合しながらも、ずっとフリーランスという立ち位置でなんとか自分の価値観と社会とのバランスを保ってきたこと。街で忙しく働く人たちが、本来の自分に立ち戻れる装置のような宿を立ち上げたいと思ったこと

世の中の流れに呑み込まれるのでは無く、自分の信じるスタイルを持ち続ける。

よく考えれば、それは「私のラスタファリズム」と呼べるものかも知れない。

ありがとう、ボブマーリー、Jah Rasta fari!


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