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2拠点生活のススメ|第329回|The Times They Are A-Changin’ 時代は変わる

ポストを開けると、チラシの山の中に喪中ハガキが1枚潜んでいた。

何気なく中身を見ながら家の中へ。いつもお世話になっている大先輩のカメラマンから・・・。あれ?、差出人の名前が奥さんの名前になっている・・・

よく見ると、亡くなった方の名前に先輩の名前があった。

お互い、業界の健康保険組合の役員をやっていることもあり、一緒に仕事をしなくても、会合で年に数回は顔を合わせていた。ときどき電話をくださって、元気にやってる?、なんていつも励ましてもらっていた。

ここ1年以上コロナで、顔を合わせて行う会合も無く、すっかりご無沙汰していた。亡くなった日付けを見ると今年の8月、もう随分前のことなんだな。知らなかったこととは言え、お葬式にも参加できなかったこと、悔やんでも悔やみきれない思いがこみ上げてくる。

亡くなられたその日、自分は何をしていたんだろうか・・・。思わず、亡くなった日のnoteをたどって驚いた。目に飛び込んできたのは鉛色の空の写真。

何だか調子が出ない日だったんだな。

今更、どうしようもないけど、1年以上会ってなかったのだから、最近どうですかとどうして電話ぐらい出来なかったんだろう。いつも電話をもらうのは私の方ばかり、そう思うとつくづく冷たい男だなと自分が嫌になった。

出会ったのは私がフリーになってから、とてもセンスのある美しい画を撮る方で、CMカメラマンとして、フィルム時代からバリバリ活躍されていた方だった。あまり予算の無い仕事でも、いい作品にしたいと思ったときは無理言ってお手伝い願うと、いつも「いいよ面白そうやん、やるで」と気軽に引き受けてくださった。

陶芸家・河井寛次郎さんの回顧展で上映した作品など、先輩とタッグを組んだ作品はどれも、自分で言うのも何だが素晴らしい出来映えのものばかり。もう一緒に仕事ができないのかと思うと、悔しくて仕方が無い。

今年は、映像のイロハを教えてもらった映像プロダクション時代の社長も亡くなった。私たち商業映像の世界もすっかり様変わりしてしまって、大変だったけど夢もいっぱいあった一つの時代が幕を閉じたんだなと改めて感じざるを得ない。

今こそ、新しい世界に足を踏み出す時なのかも・・・

強く背中を押されたような気がした。


ボブデュラン  「時代は変わる」より・・・

Come gather 'round people, wherever you roam
And admit that the waters around you have grown
And accept it that soon you’ll be drenched to the bone
If your time to you is worth saving
Then you better start swimmin’ or you’ll sink like a stone
For the times they are a-changin’

お集りの、あちこちを彷徨うアンタ方よ
辺りの水がせり上がっている事に気づきなよ。
もうじき骨まで水浸しになる、この状況を受け入れな。
命が惜しけりゃ
泳ぎ始めるんだ、さもなきゃ、石みたいに沈んじまう
時代は変わっているのだから


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