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原点はFREE貸本/古本屋履歴01

おめでとう、世界

DUALBOOKs がこの世界に誕生することを祝して「おめでとう、世界」と発したのは1年ほど前のことですが、こうして実店舗誕生に至るまでには、いろいろなフェーズがありました。

この『古本屋履歴 -DUALBOOKsになるまで-』のシリーズでは、そんな実店舗誕生前の時代のことを整理・記録してみたいと思います。想い出を書き込んだポストイットをはりめぐらすように。箇条書きで、ライトに、軽やかに。


2015春 嫁の声

・「古本屋いいじゃん!お金にならないだろうけど、ワタシらたちならやっていけるよ」
・まるで天からの啓示みたいなものを、嫁から授かる

2015夏 アイヌモシリ一万年祭

これがまさに原点の棚

・アイヌモシリ一万年祭(北海道平取)でFREE貸本屋として初出店
・本をもって、世界に接するというはじめての行為
・場所柄、「売る」より「貸す」が合うなと思ったので無料の貸本に
・「貸本屋」というフレームをもった瞬間に、参加者の人との関わり方が変わることに衝撃を受ける。
・「場をつくる一員に成る」ことに目覚める。「場をつくる側に成ることでコミュニケーションの質が変わる」ことを実感(基本、引っ込み思案だから)

2015秋 長女誕生

マンガ棚に見守られて産まれましたw

・古本屋熱はあるけども、人生はどんどん次のステージに
・これまでと出費の質が変わる、責任も変わる
・しばらくはサラリーマンの給料で古本屋開業資金を貯めなやきゃ
・と思うだけでまったく資金が貯められない日々・・・

2016夏 アイヌモシリ一万年祭

軽トラック&バラック感がサイコー

・アイヌモシリ一万年祭、FREE貸本屋2年連続の出店
・「あ、貸本屋さんだ!今年も楽しみにしてたよー!」と言われて、うれしすぎたが、「まじっすかぁ」ぐらいしか言えなかった不器用な私
・古本屋熱が再燃。
・だが、未だにまったく資金はない(給料は毎月使い切るので貯金ゼロ)
・ほんとにやる気はあるのか・・・
・でもやれる範囲でやろうと家族会議

2017春 古本珈琲日曜日開店

三畳一間の狭さなのに強引に珈琲も飲めるようにしておりました
この見映え。今でもたまらない気持ちになる。

・借家(当時は札幌市内)で日曜日だけ営業する『古本珈琲日曜日』を開店
・三畳一間、週一営業の狭小古本屋
・ここで、未来の古本屋に向けた「体験」をスタート
・「古本屋開店」を理由に、気になる本、読みたい本を買い集められることがうれしくてたまらない日々
・ブックオフや各地の古本屋から本を掘り出す日々。それらを自分の店の棚に並べながら「これはまちの本の編集をしてるんだな。それぞれの本が適切な並びになることで輝き出す。それが快感なんだな」という編集者魂、というかアイドルグループのプロデューサー魂みたいなのを自覚
・近所の小学生たち。住宅街に突然現れた「営業中」の文字に興味津々。でも入ってはこない。1か月ほど経って恐る恐る入りはじめる。
・そのうちの一人の男の子は、友だちとの待ち合わせ前、おでかけ前などに足繁く通う常連となる。店主おすすめの漫画にはまってくれる。
・そのうち「おかあさんは記念日、弟は誕生日だから、本をあげたい。選んでほしい」と言い出す。
・店主、うれしすぎる。

2017夏 アイヌモシリ一万年祭

・アイヌモシリ一万年祭、FREE貸本屋3年連続出店
・「あ、貸本屋さーん」という響きが少しずつ定着してくる。
・店主、うれしすぎる。

2018春 官能小説朗読会『エロスの組体操』

・札幌のディープカルチャースポット、サロンタレ目 のマスターから「官能小説の朗読会やろーよー」と言われて安易に合意
・結果、古本屋として初めて主催するイベントが官能小説朗読会となる。
・その名も『エロスの組体操』
・すすきののとあるフェティッシュバーの女王さまに朗読をお願いしようと動くが、叶わず
・結局、札幌を中心に東京・欧州も含めて特殊な音楽活動を続けるたこ焼き居酒屋の店主(女性)と、札幌出身東京在住のシンガーソングライター(女性)に朗読してもらえることに
・朗読の内容にあわせたBGMをつくってくれるトラックメーカーにも恵まれ環境が整う
・かっこいいフライヤーができる。
・すごくかっこいいけれど、エロスの香りがなんか note には合わない気がするので掲載は断念
・その代わり、チラシに掲載したイベント趣旨文的なものを

「ぼくなんかね、エロスのないところにあらゆる生き物の生はないと思っているわけ」「要するに竿と貝のことね」「いやそうなんだけどさ、エロスにはほら、不可避的で根源的なつながりがね…」「つまり結合、出し入れね」「…そもそもオルガズムっていうのはさ…」「あれは海につながってるのよ。で、私としたいわけね?」「はい」。
語るに堕ちるのがエロス。でも語らずにはいられないのがエロス。というわけで、官能小説の朗読会「エロスの組体操」の開催です。個性派女優による官能的な朗読、普通のおやじの不要な解説、緩和と高揚を育むBGM。それが「エロスの組体操」です。下半身発、頭経由、宇宙行。みんなで「組めば」イケるはず。

官能小説朗読会『エロスの組体操』フライヤーより(文:ワタシ)

・一方、店主の官能小説歴は中学止まりで知識がない。
・朗読原稿作成のため、気持ちのよい朝も、通勤中の電車でも、会社で弁当広げる時も、ひたすら官能小説やエロティシズムに関する人文書を読み漁る。
・洋の東西、時代を問わず、なにがなんでも読みまくる日々。


知識も経験も中身もないけれど
もう走り始めた古本屋としての初企画。
果たしてうまくいくのでしょうか
・・・
次回の古本屋履歴02に続く!

(なんか、古本屋履歴とうよりエロスの組体操がメインになってしまった・・・ま、いいか、ライブ感があってw。ちなみにこの時点では、今DUALBOOKsのある銭函エリアの存在すら知らない)


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