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【本】チーズはどこへ消えた?

「変わらなければ、破滅する。」

ずっと、気になっていたこの本。
1998年に初版が出版されてから、すでに12年。
かなり前から書店で表紙は目にしていたし、なんとなく気になっていたのに手に取ることがなかった。

きっと、これが”ご縁”なんだと思う。
本って、必要なタイミングで出会うことが多い。
まさに、吸い寄せられるように手に取り購入した、今読むべき本だった。

冒頭のフレーズが今の私に重なって「ズシン」ときた。
頭ではわかっている。
変化すべき時。でも、温かい(ぬるい)環境で大切にされすぎて、別の何処かに行く一歩が踏み出せないでいること。
所属している会社の業界全体が変化に追われている中、ヒトの考え方だけが変化に取り残されていること。

読み手が、登場人物のうちヘムかホーのどちらか。
ホーとなって変化に適応するのか、
ヘムとなっていつまでも変わらないつもりでいるのか。


心の中で「変わらなきゃ」と気づきながらも目をつぶっている人に、ぜひ読んでほしい一冊。


要約

<登場人物>
【本能・感覚型】(ネズミ)
スニッフ:気配をいち早く感じ取ることができる
スカリー:すぐに動き出すことができる
【慎重・思考型】(小人)
ホー:次第に気づき、動き出す(おそらく主人公)
ヘム:考えすぎて動けないでいる

<物語>
いたってシンプルで、ネズミと小人たちがチーズを探すお話。
とても良いチーズステーションCを見つけてしばらくそこで過ごしていた4者ですが、ある日急にチーズがなくなってしまいます。
すぐに他のチーズを探しにでるネズミたちと、この状況を分析してなんとかしようと考えその場からなかなか離れない小人たち。
居心地の良いチーズステーションCを手放す惜しさとまた冒険に出る恐怖を感じながらも、ついに動き出すホー。かつては最高だったチーズステーションCにしがみついたままのヘム。
4者それぞれがいったいどう考え、どう動くのか。
というお話です。


印象深い言葉

「もし恐怖がなかったら、何をするだろう」

この問い、すごくシンプルで良いと思った。
大きな決断を迫られた時、こう考えると進みたい・進むべき方向が見えてくるのではないでしょうか。

「遅れをとっても、何もしないよりはいい」

この本が若者だけに向けた内容ではなく、何歳になっても共通する大切なことを伝えていることを表しています。

「新しいチーズを楽しんでいる自分を想像すれば、それが実現する」

願いを叶えた姿を具体的に想像すること。それが実現の近道。



ヘムの気づき・学び

◎物事を簡潔に捉え、柔軟な態度で、すばやく動くこと
◎問題を複雑にしすぎないこと。恐ろしいことばかりを考えて我を失ってはいけない
◎小さな変化に気づくこと。そうすれば、やがて訪れる大きな変化にうまく備えることができる
◎変化に早く適応すること。遅れれば、適応できなくなるかもしれない
◎最大の障害は、自分自身の中にある。自分が変わらなければ好転しない。


「新しいチーズは、必ずどこかにある」

考えること=恐怖に気づくこと。
人間誰しも、新しい行動にあたっては様々なパターンを想定して良いことも悪いこともある程度想像します。それで怖気付くことは多い。
でも、そこで、
恐怖を感じながらも動き出せるかどうかが大切。

遅れをとっても何もしないよりはいい。
今のチーズの匂いをしっかり嗅いで変化の兆しに気づけるように備え、
その時がきたら恐怖を楽しみながらも一歩踏み出せるように。

この本は、そんな勇気を与えてくれる一冊でした。

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