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Illustrator使い倒しテク

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もっと速く、もっとラクに、もっと楽しく、Illustratorを使うためのアレコレ。
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2021年5月の記事一覧

Illustratorのアートボードについて見落としがちなこと

Illustratorを使う上で無視できないアートボード。CS4(2008年リリース)で導入されましたが、その後、地道に機能が強化されています。 書き出してみたところ、アートボード関連だけでかなりのトピックがあるのですが、特に下記の点を見落としやすいなどを取り上げます。 アートボードの上限は100 → 1,000に コピーしたオブジェクトを、すべてのアートボードの同じ座標に一括でペーストできる アートボードをコピーし、ほかのドキュメントにペーストできる アートボード

ワークフローをデザインする

前田 高志さんが、書籍『勝てるデザイン』の中で次のように語っています(p. 65)。 「よりデザインに集中するために」「些末な作業で疲弊しないように」、「ミスやモレ、印刷でのトラブルを回避するために」、仕事の進め方やワークフロー、効率化の追求など、デザイン以外の部分も軽視できません。 言い換えれば、仕事の進め方やワークフローそのものも完成のないデザイン。常に最適化を繰り返し、メンテナンスしていくことが不可欠です。 DTP Transitは2005年から「仕事の進め方やワ

Illustratorのアピアランスに関してのメモ

アピアランスに関してのツイートが貯まってきたので、こちらにまとめておきます。 アピアランスの全容Illustratorのアピアランスに関して「出遅れてしまった」「これからはじめたい」という方向けの記事を書こうと思い立ったのですが、15分くらいでこの量。 翌日… このあたりニーズがありそうですので、何か企画を考えます! とりあえず、こちらの動画を参考までに。 「作って終わり」でなく、グラフィックスタイルの運用や効率的な作り方、その他、もろもろ「魚」でなく「釣り」、という

「矢印」について知っておきたいアレコレ

基本中の基本ですが「矢印」についてまとめてみました。 先端の形状を調整する「矢印8」を選択すると、先端の形状がとても大きくなってしまいます。 「倍率:25%」程度に調整すると「矢印矢印した矢印」になります。 このように[倍率]の値によって雰囲気が変わります。 矢印を拡張矢印を拡張するとき、その後に「ひと手間」が必要です。 ①[オブジェクト]メニューの[パスのアウトライン] ②[オブジェクト]メニューの[アピアランスを分割] [パスのアウトライン]効果と[パスファイ

「イラレがよく落ちる😣」への処方箋

30-60分ごとに定期的にIllustratorを再起動 落ちる最大の理由がメモリ管理。メモリ解放機能がないIllustratorは作業履歴を延々と貯めていきます。そのため、30-60分ごとに定期的にIllustratorを再起動してクリアするのがオススメ。 「オススメ」というより「必須」レベルです。 ※OSの再起動ではなく、Illustratorの再起動です。 ついでに立ち上がって身体を動かしたり、遠くの景色を眺めたり、ちょっと休憩を入れましょう! でも、気づくと3時

Illustratorの「ガイド」について知っておきたい11のこと

デザイン作業に欠かせない「ガイド」。Illustratorにはたくさんガイドとグリッドがあり、それぞれ、どの条件でスナップするのかが重要です。今回、取り上げるのはルーラーガイドとオブジェクトガイドのみです(※いずれも正式用語ではありません)。 「いまさら、ガイド!?」と思いますが、意外に見落としていることがあるかもしれませんので、棚卸ししておきましょう。 なお、Windowsの方はキーについて、こちらの表を参考にされてください。 ガイドには「ルーラーガイド」と「オブジェ

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ブレンドで作る「スピナー」

ローディング(読み込み中)に表示するアニメーションのひとつ「スピナー」をIllustratorで作る手順です。 手順2つの正円を描き、片方は不透明度を0%に設定します。 不透明度の変更には、キーボードショートカットを設定しておくとスピーディに作業を進められます。 ※Photoshopではデフォルトで設定されています。さらに、「3」「5」のように続けて押せば「35」(%)になりますが、Illustratorでは10%刻みのみ。 [オブジェクト]メニューの[ブレンド]→[

埋め込み?リンク? ビットマップ画像の配置と、配置した画像の二次利用

埋め込み? リンク? ワークフローから考える画像配置 画像の配置 Illustratorドキュメントに、画像ファイルを配置するには、[配置]コマンドを用います。 この際、[配置]ダイアログボックスの[オプション]で[リンク]にチェックが入っていると、リンクとして、チェックがオフの場合には、ドキュメント内に埋め込まれます。 リンクの利点・欠点 リンクの利点は、ズバリ軽いこと。Illustratorドキュメントのファイルサイズが重くなりにくいため、保存の時間も短く済みます

配置したグレースケール画像をメインカラーに馴染ませるには

次のようなバナーを作りました。 出演者ごとにカラー(この場合は「ピンク」)を設定し、それに配置した画像を馴染ませたいことがあります。 背景画像のような場合には、画像そのものにアピアランスでオーバーレイします。 一方、バナーのように配置画像がパーツのひとつである場合には、カラーを設定したオブジェクトを最背面におき、その前面に配置画像を置く方が位置や大きさを調整しやすいでしょう。 その場合には、画像に対して描画モードを設定します。 → 乗算:暗くなってしまう → オーバ

メンテしやすい罫線の中抜き

上部のバーの領域を「中抜き」する方法について考えます。 重なり部分のみに別の罫線を重ねるのがシンプルですが、次のような変更を行う場合、2本行う必要があり、面倒です… • 線幅を変えたい • 線を移動したい、増やしたい 複合シェイプでできないの?罫線でなくオブジェクトが「塗り」のみであれば、[パスファインダー]パネルで[中マド]をoption + クリックして複合シェイプにすることで、非破壊のまま中抜きできます。 しかし、罫線は罫線のメリットがありますので、罫線のま

メリットいっぱい、使ってこなかったことを後悔するシンボルの活用

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派手さはないけど、毎日使う「#常用アピアランス」という発想

2000年リリースのIllustrator 9.0から21年、イラレ職人 コロさんの功績もあり、ようやくIllustratorのアピアランスが一般的なものになりつつあります。 ビックリ驚くアピアランスは、その謎解きを見るだけでも楽しく、Illustratorへの深い理解に役立ちますが、使う頻度を考えると年に1回使うかどうかというものも少なくありません。 そこで、提唱したいのが #常用アピアランス という考え方。 • 派手さはないが、使用頻度は高い • デフォルトの機

Illustratorでのescキーの使い道(意外に使えるんです!)

すっごく地味な内容ですが、escキーに注目します。 escは「escape」に由来しますが、パソコン操作では何かを「やめる」ときに使います。 テキスト編集(編集モード)の終了Illustratorでテキストを編集中、escキー(または⌘ + returnキー)を押すことによって次のようになります。 • テキスト編集が終了し、テキスト全体が選択される • 自動的に[選択ツール]に切り替わる Photoshop、InDesignでも共通のキーボードショートカットです。

直しに強いデータ作りのための「Sync & Live」というフレームワーク

デザイン作業で避けられない「直し」。レビューへの対応だけでなく、ブラッシュアップしていく過程でも必要です。 いかに直しに強いデータを作れるかはロングスパンで見ると、大きさな差が出ます。 そこで考えたいのが「Sync & Live」というフレームワーク。私(鷹野 @swwwitch)が勝手に提唱しているものです。 ライブ後から何度でも修正可能にしておくこと。 「仮」の状態であり、非破壊と呼ぶこともあります。 • アピアランス • ライブシェイプ(ライブコーナー)