派手さはないけど、毎日使う「#常用アピアランス」という発想
2000年リリースのIllustrator 9.0から21年、イラレ職人 コロさんの功績もあり、ようやくIllustratorのアピアランスが一般的なものになりつつあります。
ビックリ驚くアピアランスは、その謎解きを見るだけでも楽しく、Illustratorへの深い理解に役立ちますが、使う頻度を考えると年に1回使うかどうかというものも少なくありません。
そこで、提唱したいのが #常用アピアランス という考え方。
• 派手さはないが、使用頻度は高い
• デフォルトの機能として欲しい、よく使う表現
• グラフィックスタイルの運用次第で作業効率は激上がり
• 汎用的に使えるよう「大は小を兼ねる」(角丸やドロップシャドウなどの付加)
• カラー変更には「ライブカラー(オブジェクトの再配色)」を活用
• 分割したとき、キレイなパスになるように。また、テキストが保持されるのが望ましい
• 出力を考えた運用([オブジェクトのアウトライン]効果の適用する箇所)
サンプル(1)
次のような座布団は、ひとつのグラフィックスタイルで引き受けます。
「長方形」と「角丸長方形」が混在しているところがミソ。
• ほんのり角丸は「長方形」+「角を丸くする」
• ピル形状(=左右に半円)は「角丸長方形」
• 面取りしたいときには「ジグザグ」をON
• 「追加」はピル形状にしたときのゴミ取りが目的だが常時ONでも問題ない
サンプル(2)「マド埋め」。
次のように1つのグラフィックスタイルを適用し、初期状態ではオフになっている「パスのオフセット」や「ドロップシャドウ」をオンにしたり、値を調整していくだけで進めます。
「どうやってやるんだっけ?」と思い出す時間、探す時間が省けるだけで、総合的な作業時間が短縮されます。
カラー変更には「ライブカラー(オブジェクトの再配色)」を活用します。
サンプル(3)
こちらのサンプルでは、5つのグラフィックスタイルを、枠なし、枠あり、枠・角丸で展開しています。
グラフィックスタイルの運用
「グラフィックスタイルの運用次第で作業効率は激上がり」を挙げましたが、活用の最大のポイントはここにあります。
これまでドキュメントプロファイル推しで来ましたが、グラフィックスタイルを適用したオブジェクトをCCライブラリに登録し、そのアイテムを新しいファイルにoption + ドラッグで配置するのがベストだと考えています。
この際、次の手順で行うと、実際にドキュメントにペーストしなくてもグラフィックスタイルのみをインポートできます(尾花 暁さんのアイデア)。
1. [CCライブラリ]パネルから、グラフィックスタイルを適用したオブジェクト(のセット)を選択し、右クリックして[コピーを配置]をクリック
2. マウスポインターをドキュメント上に移動し、次のような形状になったらescキーを押す
運用のポイント
「自動行送り」以外の場合に、キーボードショートカットで文字サイズを変更すると、行間のバランスが変わってしまいます。
[形状の変換]効果を使って(角丸)長方形や楕円を追加しているとき、つまりアピアランスを使っているとき、キーボードショートカットで文字サイズを変更すると、図形とのバランスが変わってしまいます。
このような理由から文字サイズの変更には、フォントサイズ変更のキーボードショートカットでなく、オブジェクトの[拡大・縮小]を使うのがセオリーです。
分割したとき、キレイなパスになるように。また、テキストが保持されるのが望ましい
パスの仕上げに不可欠なのが[パスファインダー]効果。
そして、[オブジェクトのアウトライン]効果をどこでかけるのかの切り分けが重要。
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