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「ライトノベル」にこだわる必要があるか?

 今こそ我々は、『スケバン刑事』に学ぶべきであろう(挨拶)。

 と、いうわけで、不二川です。

 YouTubeで、時々、インスタントラーメンのアレンジレシピを見るのですが、どれもこれも、「ちょっと一手間」の域を超えており、到底真似できない! と嘆く今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 今回の記事は、「こだわりは必要か?」とかいった話です。


前回の話の続き

 さて。前回は、こんな記事を書かせて頂きました。

 「俺ぁ(次の公募作は)趣味に走るぜ!」とかいった旨なのですが、その後の話。

 先日より、見切り発車上等で、本文を書き始めました。ええ、律儀に講評が着弾するのを待っている時間が、もったいなかったからです。

 1日に、4,000文字書けりゃあよしとしとくか、ってな感じで、カタカタと。

 そりゃあ確かに、筆が乗っていれば、僕氏も、1日に10,000文字ぐらいは書けます。ただ、調子こいていると、絶ッ対に! 生活サイクルがめちゃくちゃになる。いったん暴走すると、文字通り、寝食を忘れるレベルになりますからね。

 そして、執筆開始から2日目。(作家の)わかつきひかるせンせいから、プロットの講評の、正式な納品がありました。上記記事で触れさせて頂いた通り、実際に講評をして下さったのは、Web小説出身の、お若い先生。

 わかつきせンせいの曰く、若い先生の意見の方が、役に立つ、とのこと。それに、異論はありません。なんせ、僕自身、何をどう足掻こうが、昭和のオッサンなのですし。

 で。頂いた講評を、つぶさに読みました。「尖り方」という面においては、それほど評価はされなかったのですが、それは、我ながら無難にまとめた実感があるため、想定の範囲内でした。

 また、「ラノベとして」賞に出す場合に、昨今重要視されるポイントであるとか、「読者が何を求めているか?」なども、ご指南頂きました。

 うん。この辺は、僕も、目からウロコの感じがしましたね。

コンプラ違反?

 ただ、まったくもって予想外だったのは、台詞回しの一部に、「コンプラ違反であり、ヘイト管理が必要」と指摘されたことでした。

 はっきり申し上げて、そんな事を言われても、まるっきり理解ができない。

 具体的には、「いい女」という文言が、それにあたると言われました。

 ハテ? 「いい女」って、普通に褒め言葉じゃね? それのどこが、コンプラ違反なのか? また、一口に「ヘイト管理を要する」と言われても、何をどうすれば、回避できるのか?

 それこそ、令和の今、Web小説出身の若い先生だからこそ、気付いた点なのかも知れませんが、色々と、窮屈に感じました。

こだわるな?

 コンプラ違反の回避法が、まるっきり分からず、頭を抱えかけたのですが、そんな中、再度、わかつきせンせいから連絡が。

 せンせいの曰く、当該作品は、ライトノベルとしてではなく、一般文芸の賞に出してはどうか? という提案。同時に、そっち方面なら、コンプラ違反と指摘された箇所も、気にしなくていいらしい。

 そこで、改めて、わかつきせンせいから、「今のラノベの役割」、あるいは、「ラノベのビジネスモデル」を伺いました。

 まあ、ラノベのビジネスモデルに関しては、僕も知ってはいます。要は、ガシガシ続編を刊行して、好評だったなら、メディアミックス展開をして儲けよう、というものですね。

 しかし、僕の書かんとしている作品は、どちらかと言うと、単発勝負の色が濃い。つまりは、一般的なラノベのビジネスモデルには、当てはめづらい。

 加えて、これはあくまで個人の意見ですが、今のラノベには恐らく不要であろう、もったいつけたテーマなんかもあります。

 一般文芸、とは言え、昨今の市場も、ずいぶん変わっているもの。せンせいが一例として挙げたのは、先日、僕も読了した、『成瀬は天下を取りにいく』でした。

 よくよく思い出してみれば、この作品、非常によく出来た青春小説なのですが、この手合いの作品って、一昔前は、ラノベとして出ていた類です。それが今は、一般文芸のレーベルから出版され、しかも売れている。

 同時に、僕と似た経歴(元ゲームライター)を持つ作家さんがおり、その方が、現在、一般文芸方面で活躍されていることも、教えて頂きました。

 ここまで知って、なんか、「ああ!」と、「よく分からんけど腑に落ちる」感覚がしました。もしかすると、僕が目指すべきは、そもそもラノベではなく、一般エンタメ方面だったのやも知れず。

じゃあ、どこへ?

 その話を踏まえた上で、わかつきせンせいにお勧めいただいた公募は、「小説すばる新人賞」。集英社の、一般エンタメの賞ですね。なんか、せンせいの曰く、青春ものに強いレーベルのようです。

 話は戻りますが、プロットに講評を下さった、お若い先生も、公募に出すならば、電撃大賞のメディアワークス文庫部門か、角川のキャラクター小説大賞だろう、とのご意見でした。つまりは、ライトノベルではなく、ライト文芸。

 しかし、これは僕も、該当する作品をいくつか読んで知っているのですが、メディアワークス文庫部門にせよ、キャラクター小説大賞にせよ、女性向け、あるいはミステリ、またあるいは、それら両方の属性を持った作品が強い。つまり、僕が今書いている、男性向け王道ラブコメは、どうあっても不利。

 まずは、小説すばる新人賞に出してみて、それでダメだったなら、ラノベの賞に出したらどうか? との、わかつきせンせいのアドバイスでした。

 まあ、何がどうあれ、狙うべき標的が修正されたのは、喜ぶべき所でしょう。ターゲット層からズレた作品を応募しても、善戦するのは、相当難しいでしょうし。

まずは書け!

 もし、問題点があるとするならば、小説すばる新人賞は、次の締め切りが来年の3月末であり、かつ、受賞作は一点しかないということ。つまり、結果が出るまで時間がかかる。

 とは言え、小説すばる新人賞の結果が出るまで、さらに次を書いて、他の懸賞に応募することはまかりならん! というわけでもないです。

 最優先は、今書いている作品を、仕上げること。話は、それからです。

 ラノベで一山当てて、メディアミックスでガッポガッポだぜイエア! という妄想から、やっと覚めた。そんな、梅雨明け間近のこと。

 んじゃまた。

サポートして頂けると、泣いて喜びます。『打てど響かず』というのが、創作者にとって一番哀しいことでございますので。人助けと思って、よろしくお願いいたします。