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【あか】【雑感】第2節vs 川崎フロンターレ、『示した地力と精神的な脆さ』

2022年シーズンの第2節、ホーム開幕戦でディフェンディングチャンピオン川崎フロンターレを迎えた。

リーグ戦で実に6年勝てていない難敵だが、川崎が横浜Fマリノスに4失点逆転負けをしたこともあり、「今日こそはいけるのではないか」と鹿島サポは沸き立っていた。

蓋を開けてみれば、過去に例を見ないほどの”自滅”を演じた前半。対照的に立て直して見せた後半。結果は0−2の完敗だった。

サポ人生の中でも記憶にないほどの急降下と急上昇を見せたホーム開幕戦は何を我々に示したのか。ポジティブ要素をネガティブ要素に分けて解説していく。

【ネガティブ】1つのミスから総崩れ。露呈した精神的支柱の不在

何と言っても開始直後の関川のミス。プレーヤー目線からみれば、芝に水を撒かなかったことによるボールの扱いの違和感や、脳震盪からの復帰直後だったことなど同情の余地はある。だがやはり大きな敗因に結果となってしまい、避けられないミスでもなかった。大いに反省して生かしてほしい。

しかしあのミスが及ぼした影響はただの1失点ではなかった。そこが最大の敗因になった。

試合前に立てられていたであろうゲームプランは早々に潰れ、選手それぞれの意図は明らかに統一されていなかった。

ミスをした関川のメンタル面を支えるべきキム・ミンテは同様にイージーミスを繰り返してしまい、サイドバックやボランチはCB2枚にボールを戻すことをためらう場面が何度か見られた。

そこを逃さない川崎の狡猾さと、それを可能にする走力には脱帽だが、やはりなによりも足りなかったのはチームとしての意思を統一してくれるリーダーシップだった。

とっとと1点返して振り出しに戻したい選手と、キープして試合を落ち着かせたい選手、さらにその選手間で右往左往する選手など、バラバラのまさに崩壊状態。ミスを繰り返し及び腰になってしまったCB2枚はズルズルとラインを下げてしまった。

結果として間延びした中盤を川崎が制圧。プレスは常にワンテンポ遅れ、日本一の技術力と走力を誇る川崎は奔放にボール回しを楽しんだ。

往年の小笠原満男のように檄を飛ばす選手が見当たらず、キャプテンマークを巻いた土居聖真は黙々とプレーを続け、鈴木優磨も珍しいくらいおとなしい前半だった。

プレーで助けていたクォン・スンテもチームとしての意思決定と共有には言語力が足りなかったようだ。

【ポジティブ】見せつけた地力と攻撃のバリエーション

迎えた後半、関川と土居に代えて三竿と新加入の中村を投入。中盤の底を分厚くすることで間延びしていた中盤を補強する布陣変更で息を吹き返した。

三竿は勇気を持ってボールを持ち出しハイラインを保ち、中村はファンの不安を余所に献身的な守備と推進力で川崎のチャンスを未然に防いでいた。

そしてなによりもポジティブだったのは前線の攻撃陣の地力。2点のリードがあったのでいつもと違って消極的なプレーが目立った川崎相手とはいえ、サイドを広く使った後の中央突破や、キム・ミンテの特徴である中長距離パスでの起点づくりなど、連覇中の川崎を翻弄するバリエーションを見せた。

さらにエヴェラウド、染野、広瀬が途中で入り、それぞれ特徴を発揮。攻から守への切り替えはまだまだ意識づけの途中という印象だったが、ゴリゴリとこじ開けるような地力の強さを感じた。

後半には川崎に許したシュートは枠外シュート2本のみ。最終的なボールポゼッションでは53%と上回った。

この”本来”の姿で90分戦えたらと、悔やみもするが希望を持つこともできた。チームはミッドウィークのリーグカップを経て同じホームで柏レイソルを迎え撃つ。次こそは90分フルタイムで”鹿島アントラーズ”が見れることを楽しみにしたい。

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