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1兆ドルコーチを読めば、管理職がチームを成功に導く原理原則を理解できる!

HARD THINGSを読むとやたらと出てくる名前が、こちらの本の主役ビル・キャンベルでした。

彼について調べていると、Googleのエリック・シュミット、Appleのスティーブ・ジョブズ、Amazonのジェフ・ベゾスなど、錚々たる面々のコーチングをした人でした。

気になって読んでみたら、この本が非常に面白かった!

私はいま会社でマネージャーをしており、いかにチームを強くすればいいのか日々悩んでいます。2部署を兼任しており、3人+3人の合計6人を管理しています。
さらにこの12月からは荒くれ者がいるセールス部門の管轄もしているため、どのようにマネジメントすればいいのだろうかと悩んでいました。

その荒くれ者がいる部門とはセールス部門で、前職でセールスをしていたのである程度の内容はわかるのですが、いまの会社ではセールスをしていません。ずっとマーケティングや管理部門にいるため、いま販売している部署でセールスはしていないのです。
その商材をいかに販売するのかのセールス知識に乏しいです。

そんな門外漢の僕は、どうやってセールス部門を管理していこうか...?という悩みが解決されるような素晴らしい本でした。


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1兆ドルコーチ
シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え

信頼は「きれいごと」ではない

この本で一貫して述べられていたのは、会社組織も人間関係である以上、信頼がもっとも重要だということです。

世界的ベストセラーの7つの習慣の言葉を借りると、信頼残高を貯金することを改めて意識したいと思います。

組織はビジョンやミッション、目標設定、そしてその対価が必要不可欠ですが、それを達成する要素。それは人です。

組織は、人こそがもっとも重要な資源だと僕は考えています。
特に僕が所属している組織は無形商材を販売しているので、原価は人です。人が活きる組織にするには、その組織を管轄するマネージャーとの信頼関係や、部員同士の信頼関係が非常に重要です。

いつ自分が出し抜かれるかわからない疑心暗鬼な組織や、お金だけが目的で信頼がない組織、ミッションやビジョンが形だけで地に足がついていない組織だと、信頼は生まれません。

いい組織は信頼が不可欠だと改めて思いました。

ここで書かれていた信頼の定義「信頼している相手には安心して自分の弱さを見せられる」組織にしていきたいですね。

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人間関係――友人、恋愛、家族、仕事上の関係――における最も重要な要素は、おそらく信頼だろう。ビル・キャンベルにとっては、まさにそうだった。

ビルは信頼できない相手とは付き合わなかった。だがもしビルが誰かを信頼し、相手も信頼を返せば、信頼が二人の関係のすべての基盤になった。

もちろんどんな人間関係でも信頼は大切だが、仕事上の関係ではほとんどの場合、信頼は個人の価値観の追求やギブアンドテイクといったさまざまな考え方の一つのように見なされている。

だがビルにとって、信頼はつねに最優先かつ最重要の価値観だった。それは彼のスーパーパワーのようなものだった。

彼は信頼を築く達人であり、一度築いた信頼を大切に育む達人でもあった。ビルはグーグルのアラン・ユースタスとすごした最期の日々にこう言った。「わかるだろう、君のためなら何でもするって」。彼は本気だった。二人の信頼がそう言わせたのだ。

信頼とは多面的な概念だが、ここで言う「信頼」にはどういう意味があるのか?ある学術論文は、信頼を「相手の行動へのポジティブな期待に基づいて、進んで自分の脆さを受け入れようとする心理的状態」と定義する。

長々しい学術的な定義だが、要は信頼している相手には安心して自分の弱さを見せられる、ということだ。私たちがビルの信頼について話すとき、それには次のような意味がある。

信頼とは「約束を守ること」だ。ビルに何かをすると言ったら、それは守らなくてはならない。ビルも同じだ。彼はいつでも約束を守った。

信頼とは「誠意」だ。お互いに対し、またお互いの家族や友人、チームや会社に対し、誠意を尽くすことをいう。スティーブ・ジョブズが1985年にアップルを追放されたとき、ビルは彼を会社にとどめようとした数少ない幹部の一人だった。
スティーブはビルが示した誠意をかたときも忘れず、それをもとに二人は固い友情と仕事上の関係を築いた。

信頼とは「率直さ」だ。ビルはつねに率直で、相手にもそうあることを期待した。信頼とは、相手が約束したことを実現できる才能やスキル、勤勉さなどを持っていると信じられる能力でもある。

信頼とは「思慮深さ」だ。エリックがグーグルのCEOだったとき、経営陣の一人が重病と診断された(いまは完治している)が、エリックをはじめほかのメンバーにはそのことを伏せていた。唯一知らされたビルは、誰にも口外しなかった。
エリックは後になってそれを知ったが、ビルが教えてくれなかったことを悪く思わず、むしろ彼への信頼を厚くした。
ビルはエリックからも秘密を守ることができたからこそ、チームの誰もが彼に心を許すことができたのだ。
これはコーチの重要な資質である。コーチは何が起こっているかをつねに把握している必要があり、コーチする相手からはプライバシーを尊重してくれる存在と見なされていなくてはならない。


リーダーは部下がつくる

もしもあなたがいきなりリーダーとして部門を引っ張っていってくれと言われたらどうでしますか?権威主義的に役職をチラつかせて、相手を従わせようとすることもあるでしょう。

なぜなら、リーダーとして任命したのは役員などの上長であり、その職務・役割を全うすることがリーダーとしての役目だからです。だからこそ、この章は非常に刺さりました。

たとえ、上長がリーダーを指名してその職務を全うすることを期待したとしても、部下が付いてこなければリーダーとしての役目を果たすことができません。リーダーは上司や自分自身がリーダーだと言うのではなく、そのリーダーに紐づく部下がつくると気づいた章でした。

リーダーたるもの、リーダーという職種にあぐらをかくのではなく、リーダーとして部下からの信頼を得るように努めるのが大切です。


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ハーバード・ビジネススクール教授のリンダ・ヒルは、経営全般、なかでも経験の浅いマネジャーを研究対象とする経営学者だが、「独裁的な管理スタイルはうまくいかない」と指摘する。

2007年の論文で、彼女はこう書いている。「管理職になったばかりの人は、直属の部下にやることを指示しても、従ってもらえるとはかぎらない。

じっさい、部下は有能であればあるほど、単純に指示に従う可能性は低い」
そして、マネジャーの権威は「部下や同僚、上司と信頼を築くことによってこそ生まれる」と、彼女は結論づけている。(別の研究によれば、部下は権威主義的な管理スタイルに苛立つだけでなく、チームを去ってしまう可能性も高いそうだ!)

ビルもよく言っていた。「君がすぐれたマネジャーなら、部下が君をリーダーにしてくれる。リーダーをつくるのは君じゃない、部下なのだ」と。
ビルはこれはドナ・ドゥビンスキーの言葉だと言い、それにまつわる、あまり自慢にならない話をしてくれた。ドナはアップルと、アップルからスピンアウトしたクラリスでのビルの同僚だった。

ビルはアップルのセールス・マーケティング担当副社長を務めたやり手で、その前にいたコダックでも大成功していた。どちらの会社でもディテールにこだわり、部下の行動を細かく管理していた。その方法がうまくいっていたから、クラリスのCEOに就任したときも、やるべきことを指図するのが自分の仕事だと考えていた。そして実際にそれを行った。

ある日の夕方、ドナがビルのオフィスにやってきて、これからもそうやって指図するっもりなら、みんなでここを辞めてアップルに戻るつもりだと言い放った。誰が独裁者のために働きたいと思うもんですか。
彼女はそう言って、新米CEOにちょっとした知恵を授けてくれた。「ビル、肩書きがあれば誰でもマネジャーになれるけど、リーダーをつくるのは部下よ」

ビルはこの言葉を深く胸に刻み込んだ。
あるとき、悩める優秀なマネジャーにこんなメモを送ったこともある。「君は部下の敬意を集めるのではなく、敬意を強要してきた。謙虚さと献身を示して、会社と部下を気にかけていることをわかってもらえ」


議論すべき「トップ5」を挙げよ

勤めている会社でも1on1ミーティングを実施しています。今までは、コミュニケーション施策の一貫として捉えていました。ですが、この本を読んで、1on1ミーティングはもっと改善できると思いました。

すごく簡単にしか書いていなかったのですが、管理職として仕事以外にその人の普段の生活で何にどのぐらいの時間と労力が掛けられているのかを把握するための場と、仕事で抱える問題などを解決する場として1on1を実施できると感じました。

事前に議論すべきトップ5を持ち込むというのがミソです。1on1を軽く捉えるのではなく、ちゃんと問題解決の場として意識づけしていきたいと思います。


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ビルと私たちの1on1ミーティングは、いつも彼の地味なオフィスで行われた。にぎやかなユニバーシティ・アベニューから南へ1キロ半ほど離れた、パロアルト商業地区の落ち着いた側、カリフォルニア・アベニューの外れという場所だ。

最初、そこまで行くのは時間のムダのような気がした――なぜ彼がグーグルまで来てくれないのか?

でもこれがふさわしい場所なのだと、すぐ気がついた。
カウンセリングを受けるときは、あえてセラピストのところまで足を運ぶ。それと同じことだ。

ビルに会いに行くときは、何の表示も出ていない扉を通って、階段で2階まで上がり、廊下を歩いて、彼の長年のアシスタント、デビー・ブルックフィールドをハグし、会議室に入ってビルを待った。

エリックのミーティングでは、いつもホワイトボードにその日の議題を示す5つの言葉が書いてあった。それは誰かの名前のこともあれば、プロダクトや業務上の問題、近々行われるミーティングのこともあった。二人はそうやって話し合いに備えた...。

本書を執筆するために、エリックがビルとのミーティングをそんなふうに説明していると、ジョナサンが割って入った。

ビルはそうやって1on1を始めたんじゃない、とジョナサンは言った。たしかにビルは話し合うべき議題のトップ5リストをつくっていたが、ホワイトボードにでかでかと書いたりはしなかったぞ。
ポーカーのプレーヤーが胸の前で手札を持つような感じで、あとまで伏せていた。

ビルは家族などの仕事以外の話をしてから、「君のトップ5はなんだ」とジョナサンに聞いた。

このやり方は、ジョナサンが自分の時間と労力をどう優先づけしているのかを知るための、ビルなりの方法だったのだと、ジョナサンはいまさらながら気がついた。

もしもミーティングがビルのリストから始まっていたら、ジョナサンは何も考えずにそれを受け入れただろう。リストについての話し合いは、それ自体コーチングの一環だったのだ。(これはエリックには明らかに必要なかった)

ビルはグーグルの経営セミナーにおいては、1on1では銘々がボードに自分のリストを書くようにと教えた――二人で同時に手札を見せ合うということだ。そうすれば、何が共通しているかを二人で確認でき、それらのトピックをもれなく取り上げることができる。

まとめ

部下に信頼されるマネージャーになり、組織を成功へと導いていきたいと強く思いました。そのためにできることは非常にシンプルです。

誰にでも実践できます。まずは、1on1のやり方をコピーして実践してみようと思います。


マネージャー以上の役職なら読んで損はない本でした。noteで紹介したのは、この本のほんの少しだけです。実際にはもっといろんな方法や、感動するエピソードが書かれていました。

興味ある方はぜひ。



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