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リモートワークで運動不足?歩行距離18%減少が明らかに

写真:アフロ

はじめに

こんにちは、皆さん!データアナリストの井上です。最近、皆さんはどれくらい運動してますか?歩いていますか?

私自身、ヤフーに転職して以来、ずっと家から働いています。
そう、私、完全リモートワーカーなんです。

ヤフーはどこでもオフィス(通称どオフ)を採用しており、リモートワークが当たり前に出来るの環境になっています。このおかげで、通勤時間がゼロになり、平日でも自分と家族に時間を費やせるようになりました。

そんな中、私が最近気になっているのが普段の"歩く距離"です。
テレワーカーの私としては、ずっと家にいるせいで歩行距離が減少している気がしていました。でも、それは私だけなのでしょうか?それとも皆さんも同じ経験をしていますか?

この疑問を解きたくて、ヤフーのデータを元に考察してみることにします。

働き方の変化

新型コロナウイルスの流行がもたらした「テレワーク」や「リモートワーク」といった働き方の変化。

一時期は、これらの言葉が日常的に聞こえてきていましたが、そもそも、一体どれくらいの人たちがテレワークを実践しているのでしょうか?
最近では、リモートワーク疲れから「脱リモートワーク」のような言葉もメディアで耳にすることもあります。

ということで、まずは、ヤフーのデータを用いて、テレワークの実施状況を確認してみましょう。次のセクションで具体的なデータを見てみます。

テレワークの実施状況の推移

ここで紹介するのは、ヤフーの位置情報データと職業推定データから得られた、会社員が平日に自宅勤務している割合を推定したデータです。

これを利用して、新型コロナウイルスのパンデミックが始まってから現在までのテレワークの実施状況を時間軸に沿って見ていきましょう。

テレワーク実施状況の推移
(東京都のみ)

新型コロナウイルスが広まる前の2020年2月までに目を向けると、全体の会社員の約8割は在宅勤務を行っていない、つまり出社していました。

しかし、2020年3月に入ってからの緊急事態宣言により、一変しています。会社に出社することが制限され、自宅で働く人が急増し、従来出社していた人々の割合が急速に減少したようです。

その後、緊急事態宣言の発令と解除が繰り返される中で、在宅勤務の割合は上下していますが、全体的に見て時間が経つにつれて出社する会社員の割合が徐々に回復してきています。

完全にコロナ前の状態に戻ることはまだないものの、出社する人の割合は以前のレベルに戻りつつあります。一方、コロナによる働き方の変化を通じて、一部の人たちには、テレワークが定着していることが確認できました。

次に、このテレワークの変化が私たちの歩行距離にどのような影響を与えているのかを見ていきましょう。

テレワークする人と出社する人の歩行距離の違い

こちらは、2023年4月のデータを基に、在宅勤務者(テレワークする人)と非在宅勤務者(出社する人)の平均的な歩行距離を時間帯別に算出したものです。

平日の歩行距離

平日のデータを見てみると、やはり、出社する時間(6時~9時)帰宅する時間(17時~19時)に歩行距離の差が大きく出ています。

想定通り、出社することで歩く距離が増えるってことですね。

休日の歩行距離

そして意外なのは、休日のデータ。こちらを見ると、テレワークする人は休日の歩行量が全体的に少ないことが分かりました。

テレワークはデータからも地域差があることが判明していますので、その差が歩行量に影響を与えている可能性もありそうです。また、テレワークという働き方を選ぶ人々の趣味嗜好や生活スタイルの変化などの影響もあるかもしれません。色々もっと深堀したくなりますね。


この結果を、1日当たりの平均歩行距離として算出すると以下のようになります。

1日あたりの平均歩行距離

1日当たりの歩行距離で見ると、テレワークする人は出社する人と比べて歩行量が約18%少ないことが分かります。

正直、自分では、テレワーク前と比べて、もっと歩行距離が減っている感じがしますが、データ全体で平均するとこのくらいになるようです。

やはり、テレワークは運動不足につながりやすいってことがデータから確認することが出来ました。テレワークを進めている企業は、こういった健康面もぜひ考慮してほしいものです。

さいごに

今回の調査では、テレワークの状況やテレワークが私たちの歩行距離にどう影響しているのか、ヤフーのデータを使って見てみました。

テレワークの状況がこれからどう変わっていくのか、引き続き注目していきたいところです。

私たちヤフー・データソリューションでは、ヤフーのデータを使って色々な分析を行っています。もし、「こういう分析ってできるのかな?」とか、「これって調べてみたい!」って思うことがあったら、ぜひご相談ください。
今後も分析に役立てていただける調査レポートの発信をしていきます。

※本ブログの内容は個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません

筆者プロフィール
井上 護(いのうえ まもる)
ヤフーの持つビッグデータに憧れを抱き、2023年1月より、ヤフーに転職し、ヤフー・データソリューション事業に参画した。
現在はDS.ANALYSIS(オーダーメイドの課題解決サービス)にて、クライアントに対するアナリスト業務を担当。

※ヤフー・データソリューションは、お客さまのデータを統計データとしたうえでデータの可視化や分析結果をご提供するサービスです。今回公開したデータを含め、個人を識別できるデータ (パーソナルデータ) については、お客さまから新たに同意をいただかない限り外部に提供することはありません

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