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【実例】大手コンサルファームからITベンチャーまで支援してわかったダイレクト採用でLinkedInを使い倒すコツ

こんにちは。ほとんどの人は初めまして。
ダイレクト採用を基軸に採用支援を行う、株式会社ダイレクトソーシングの小野寺です。
ダイレクトソーシングでは60万件以上※の採用データを活用した戦略支援・実行支援を行っており、特にLinkedInについては日本初のパートナー企業として100社以上※の支援実績があります。※いずれも2023年7月末時点

今回は、弊社でこれまでダイレクト採用支援をしてきて見えてきた、LinkedIn活用のポイントをいくつかご紹介したいと思います。
LinkedInをこれから使おうと考えている、LinkedInを使ってみたけど上手く結果が出ない人事の方の参考になりましたら幸いです。


自己紹介

まずは初めての投稿になるので自己紹介を。
新卒で航空機系のメーカー技術職として3年ほど勤務したのち、2020年に心機一転して転職し現職の株式会社ダイレクトソーシングに入社、かれこれ3年ほどカスタマーサクセス部で企業のダイレクト採用支援を担当しています。

私個人としてはこれまで20社以上の採用活動に関わらせていただき、SaaSプロダクトを扱うベンチャー企業や日系大手メーカー、外資コンサルファームなど幅広い企業での採用支援を経験してきております。

現在はチームリーダーを任されており現場からは少し離れ気味ですが、全体を俯瞰することで改めて見えてきたこともあるので、この場をお借りして紹介させていただければと思います。

ハイクラス人材のスカウト事情

あらゆる企業が欲しがる「ハイクラス人材」

現在、転職市場は非常に活況となっています。求人数はコロナ前を大きく上回る勢いで増加し、求職者に対して求人数が大幅に多い「超売り手市場」になっております。

参考:doda 転職マーケットの”今”を知る! 2023年7月20日発表

また、株式会社リクルートの「2022年度上半期中途採用動向調査」によると、中途採用を計画した企業の実に80%が採用充足できていない状態となっており、中途採用の難易度はますます上がってきていることがわかります。

参考:株式会社リクルート 2022年度上半期中途採用動向調査 2022年12月1日発表

実際に私たちが採用支援で携わる企業様からも、採用目標を達成できないという声は頻繁に聞かれます。特に、IT系、コンサル系といった難易度の高い職種では既存の採用手法だけでは追いつかず、LinkedInなどを使用したダイレクトリクルーティングを新たなチャネルとして導入する企業が増えてきています。
近年では企業が求める人材も多様化・高度化してきており、あらゆる企業が数少ない優秀な人材を奪い合う、まさに大混乱の時代が訪れているのです。

当たり前になりつつあるダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングはスカウト活動など企業が能動的にアプローチする採用手法で、アメリカでは広く一般的に用いられている手法です。
日本においては、欧米諸国に比較するとダイレクトリクルーティングはまだまだ浸透していない状態ですが、ここ数年でBizReachをはじめとしたダイレクトリクルーティングに特化したメディアの普及や、LinkedInといったビジネスSNSの広がりによって大きく認知が拡大し、採用経路の一つとして取り入れる企業が増えてきています。
このようにダイレクトリクルーティングが広がりつつある状況で候補者側には今何が起きているでしょうか?ここ数年で多くのビジネスパーソンが企業から直接スカウトを受け取るようになり、かつ求人数も大幅に増加しています。そうすると、一人が受け取るスカウトの数も大量になることは想像に難くありません。実際に、ある大手コンサル所属の方が1日に20件以上スカウトを受け取ったという話も耳にします。
つまり、数多くの選択肢を持つ候補者に企業側が「選んでもらう」状態になっているのです。
そのため、このような状況を勝ち抜くためにはただスカウトを打つのではなく、ダイレクトメディアの特徴を理解して徹底的に使いこなしていく必要があるのです。
ダイレクトメディアは数多くありますが、今回はその中でもハイクラス層の採用に適しており、かつ多くの企業が苦戦するLinkedInの活用方法をご紹介できればと思います。

LinkedInを使いこなすためのポイント

ではどうやったらLinkedInで候補者から反応を得て、選考へと結びつけることができるか?
ここからは実例を交えて具体的に見ていきたいと思います。

”転職顕在層”ではない!登録者層の特徴

まず、大前提としてLinkedInはSNSです。
BizReach、リクルートダイレクトスカウトなど、話題のダイレクトメディアは多く存在しますが、それらとの大きな違いは登録者の目的です。
もちろん、転職目的でLinkedInに登録する方もいますが、基本的な用途としてはビジネスSNSとなり、情報収集、つながり構築など転職活動に限ったものではありません。Facebookのビジネス版と言われることもありますね。
つまり、登録者は必ずしも転職を目的としていないのです。こういった層は、積極的に転職活動を行なっていない”転職潜在層”と呼ばれます。
転職活動をしていないのであれば、企業側からスカウトを送っても意味がないのでは?と思われるかもしれませんが、実際には労働者のうち転職を希望する人はごく一部で、多くの人は転職潜在層にあたります。
そして、その中でLinkedInのようなビジネスSNSに登録している層は日頃から情報収集を行なっており、登録者層も幅広いためハイクラス層、グローバル人材も数多く存在します。
アプローチ方法さえしっかり押さえておけば、こういった層に声をかけて自社に興味を持ってもらうことが採用への近道となります。

まず重要なのは自社を認知してもらうこと

それでは本題の「採用担当者はどうやってLinkedInの転職潜在層にアプローチするか」についてです。
多くの転職潜在層はまだ「応募する」という選択肢を持っていません。その状態から応募を獲得するには、まず企業のことを認知し、興味を持ってもらう必要があります。

LinkedInの具体的な操作については弊社の小砂子に譲るとして、ここでは認知獲得のコツについていくつかご紹介したいと思います。

プロフィールを充実させよう

候補者はスカウトを受け取った際、どんな行動を取るでしょうか?
スカウトのタイトル、文面、送信タイミングなど、候補者が見るポイントとしてはいくつか挙げられます。その中でもLinkedInを使うならぜひ取り組んで欲しいのが「送信者のプロフィールを充実させる」ことです。
これは実際にあった事例ですが、スカウトは採用担当個人のアカウントから送ることになるため、私がご担当した企業のスカウトを送信した際にも「私もxx大学出身で親近感が湧きました!」「プロフィールを拝見したのですが~」といった返信をいただくことがありました。また、候補者側からつながり申請をしてくれたり、投稿に対していいねを付けてくれるなど、主体的に情報収集をする候補者が多いというのはLinkedInならではの特徴かと思います。
ですので、企業の情報を届ける手段として「スカウト送信者のプロフィールを充実させる」というのは有効な手段となります。
例えば、最新のリリースや記事をシェアする、プロフィールに企業情報のリンクを記載するなどといった簡単な情報追加でも候補者の目に触れる機会を増やすことができます。

会社ページを作成しよう

また、個人ページだけではなく、会社ページについても同様のことが言えます。
LinkedInでは会社ページを作成することができます。企業の概要だけではなく、カルチャーや社員のコメント、求人などの掲載ができ、企業に興味のある登録者が会社ページをフォローすることも可能です。
このページの情報を充実させることでも、スカウトを送ってきた企業がどんな企業か、候補者が即座に確認できることで興味を引きやすくすることができます。
例えば弊社ではこのような会社ページを作成しています。また、フィード投稿も併せて行うことで企業としての露出を高めています。

中長期的な関係性の構築

認知を獲得した後に、もう一つ重要なポイントがあります。
それは、「ダイレクトリクルーティングは決して短期的な施策ではない」ということです。
もちろん、ダイレクトリクルーティングを始めてすぐに効果が出始めるというケースもこれまで多くありましたが、弊社平均ではスカウト送信から内定まで平均80日程度の時間を要しており、その中には約1年かけて採用まで結びつけたケースもあります。

なぜここまで時間がかかるのか?を紐解いていくと、例えばスカウト受信時は転職活動をしておらず、転職活動を始めたタイミングで返信をした、など、企業のスカウト送信と候補者の転職タイミングが必ずしも一致しないということが見えてきました。

ダイレクトリクルーティングは「スカウトを打ったら終わり」ではありません。むしろ、スカウトを送ってからが本番です。
では具体的にスカウトを送ってから何をしているのか、実例をいくつか紹介します。

施策例1:定期的なスカウト配信で候補者に情報を届ける

先程述べていた通り、LinkedInにはスカウト送信時点で転職活動を行なっていない方も多く存在します。その場合に起こるのが、認知はしてくれたけどタイミングが合わないから返信しないという状態です。その時点では残念なことではありますが、逆に考えるとタイミングさえ合えば応募を検討してくれる可能性もある、ということです。
ですが、転職タイミングは個人によるものなので企業側には正確にはわかりません。そこで有効になるのが、定期的なスカウト送信を実施することでタイミングを逃さないようにする施策です。
ここで気をつけたいのは、再度送るのは同じメッセージではないということです。何度も同じ情報を渡すだけでは、せっかく複数回の接点を持つのにもったいない使い方となってしまいます。
例えばあるIT系ベンチャー企業の実例では、1通目にポジションの紹介、2通目に直近の新プロダクトの紹介など、角度を変えて新しい情報を届けることで受け取り手もしつこいメールだと思わないような工夫をしています。
自社ではどんなことを伝えられるかを見直すきっかけにもなるので、継続的な採用を行なっている場合は取り組む価値があると思います。

施策例2:LinkedInのつながりを作る

もう一つの実例として、LinkedInの相互フォロー機能の活用があります。スカウトを送ったものの残念ながら辞退となった方がいるとして、その方との接点は維持できているでしょうか?
大手コンサルファームの例では、LinkedInで転職タイミングが合わない候補者に会社ページのフォローをしてもらうことで候補者との接点を増やしています。もちろん、その場合は会社ページの内容が充実している、または投稿が活発に行われていることが重要です。
また、会社ページだけでなく個人のLinkedInアカウントとのつながり申請を行い、相互フォローしておくことも継続的につながりを持つのに有効です。先程のITベンチャー企業でも実践しておりますが、LinkedInはつながり構築を目的とする登録者も多いため、好意的にフォローしてくれることが多いです。
実際に私個人も1年程前にLinkedIn経由でお話した方と繋がっていますが、今でもタイムラインを見るとその方の投稿を目にする機会がありますし、そういえば最近どんなプロダクト出してるのかなと企業ページを見に行ったりすることがあります。
そういった形でとにかく目に入ることというのはLinkedInにおいて非常に重要な戦略となります。

さいごに

ここまでお読みいただき、いかがでしたでしょうか?難しいと思われたでしょうか?
採用難易度がますます上がる中、私たちも採用って大変だな…と日々模索を続けております。
今回ご紹介したような手法を一度に実践するのは難しいと思います。ですが、超売り手市場の中各社が工夫を凝らし、次々と新たな手法を編み出している中で、従来の採用活動だけでは追いつけないのも事実です。
そうなんです、ダイレクト採用は決して採用活動が楽になる手法でも、絶対にコストを下げられる手法でもありません。その代わり、他経路では得られない貴重な候補者と巡り合えるのが変え難い魅力です。
私たちはそんな果敢な挑戦をする企業の皆様をダイレクト採用の切り口で支援していきたいと考えています。
そのために、この記事が少しでも参考になれば幸いです。

もしお悩みであればぜひご連絡ください!まずはお気軽にご相談からでもご連絡お待ちしております。

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