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【小説】街風

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創作小説。 一つの街を舞台に縁ある人達が紡ぐ物語。
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#恋愛小説

街風 Last episode 〜ネガイ カナエ タマヘ Last Part 「ネガイ カナエ タマヘ」〜

 「あらあら、今日も仲良しね。」  タエは、今日も旦那の墓参りに行く前にお店に立ち寄った…

けーすけ
2年前

街風 episode.29 〜ネガイ カナエ タマへ Part.Ⅲ Re: 〜

 見知らぬ美女が店内に入ってきたと思ったら、ダイスケを連れて颯爽と去っていた。マナミは、…

けーすけ
2年前

街風 episode.28 〜ネガイ カナエ タマへ Part.Ⅱ One More Chance,One More Time〜

 ダイスケは、エリから貰った手紙を開いた。何度も読み返したその手紙は、開いては折り畳んで…

けーすけ
2年前

街風 episode.27 〜ネガイ カナエ タマヘ Part.Ⅰ カミノミゾシル〜

 「おや、今日は朝帰りなの?」  神様はゆっくりと眠そうな顔をしながらフラフラと歩いてき…

けーすけ
2年前
3

街風 episode.23 〜離れ、交わり、離れ離れ〜

 「そろそろ彼女作れば?」  「いつまで想い続けてるんだよ。」  「告白しちゃえよ!」 …

けーすけ
3年前
4

街風 episode.22 〜WALKING UNDER THE MOON〜

 「あー、お腹いっぱい!」  ケンジ先輩は膨らんだお腹をポンポンと叩きながら、満足そうな…

けーすけ
3年前
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街風 episode.21 〜RUN TO YOU〜

 ありがとう、ありがとう。  そう何度も心の中で叫びながら、涙を堪えて必死に駅に向かって走る。足にまとわりつくロングスカートに何度も躓きそうになりながら、息を切らして必死に走った。  リュウジ君には全部分かっていたんだ。分かっていなかったのは私だけだった。いや、分かっていたはずだったのに、気付いていたはずだったのに、私は必死で自分の心に嘘をついて前を向いて生きているつもりだった。そんな私の心をリュウジ君はずっと知っていたんだ。  今までのリュウジ君との時間は嘘じゃない。

街風 episode.20.1 〜真夜中の来訪者〜

 「もー、ノリさん。最近なんかおかしいですよ。」  また今日もケンジはぐちぐちと文句を言…

けーすけ
3年前
1

街風 episode.19 〜青春と晩秋〜

 「もー、ノリさん。今日は何だか様子が変ですよ。忙しいのにぼーっと立っていたり、オーダー…

けーすけ
3年前
2

街風 episode.18.3 〜氷解〜

 「久しぶりだね。」  マナミさんに選んでもらった花を持って、カナエの墓参りへ来た。あの…

けーすけ
3年前
1

街風 episode.11 〜出会い、別れ、そして再び〜

 ここか。街の片隅に洒落た外見の落ち着いた建物を見つけた。ちょうどお店に入ろうとすると常…

けーすけ
4年前
4

街風 episode.10.2 〜ゴキゲンな女神〜

 「ただいま休憩から戻りましたー!」  マナミさんは元気よく休憩から戻ってきた。今日の夜…

けーすけ
4年前
4

街風 episode.10 〜褪せた紙、褪せなかった約束〜

 やっぱりこんな平日に居ないよね。朝早くの電車に乗って私は久しぶりに海へ来た。海と言って…

けーすけ
4年前
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街風 episode.9.3 〜女神と太陽〜

 「久しぶりなのにごめんね!」  扉の外からいつもの声がする。ランチのピークが過ぎてノリさんと少しくつろいでいた時にマナミさんが扉を開けて店内に入ってきた。そして、もう一人マナミさんの後ろに人影があった。セミロングのストレートの髪がふわりと揺れたその人は、マナミさんとは違ったタイプの美しい人だった。  まるで女神と天女だ。神々しすぎて僕には刺激が強い。2人とも後光が差しているのではないかと思うくらいに煌びやかで思わず手を合わせて拝みたくなってしまう。  「おう、いらっし