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【小説】街風

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創作小説。 一つの街を舞台に縁ある人達が紡ぐ物語。
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記事一覧

街風 編集後記

 僕は、「耳をすませば」の影響で小説家になりたいと中学生の頃に思っていました。  中学生…

けーすけ
1年前
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街風 Last episode 〜ネガイ カナエ タマヘ Last Part 「ネガイ カナエ タマヘ」〜

 「あらあら、今日も仲良しね。」  タエは、今日も旦那の墓参りに行く前にお店に立ち寄った…

けーすけ
1年前

街風 episode.29 〜ネガイ カナエ タマへ Part.Ⅲ Re: 〜

 見知らぬ美女が店内に入ってきたと思ったら、ダイスケを連れて颯爽と去っていた。マナミは、…

けーすけ
2年前

街風 episode.28 〜ネガイ カナエ タマへ Part.Ⅱ One More Chance,One More Time〜

 ダイスケは、エリから貰った手紙を開いた。何度も読み返したその手紙は、開いては折り畳んで…

けーすけ
2年前

街風 episode.27 〜ネガイ カナエ タマヘ Part.Ⅰ カミノミゾシル〜

 「おや、今日は朝帰りなの?」  神様はゆっくりと眠そうな顔をしながらフラフラと歩いてき…

けーすけ
2年前
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街風 episode.25.6 〜X.Y.Z.〜

 「まあ、良いものは時代を越えますけどね。逆に音楽と違って、カクテルなんてずっとレシピは…

けーすけ
2年前
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街風 episode.26 ~婚約者Rの献身〜

 携帯を開いてみると、無事にノリと復縁できたと報告のメールがユリエから届いていた。ケイタはすでにハイボールを飲みすぎて酩酊状態だ。  「ケイタ、大丈夫か。」  「大丈夫だよー…」  これはダメだな。ケイタを無理やり起こして、お会計を済ませた。ケイタは財布すら碌に出せなかったので、全額支払いを済ませて、ケイタを見送った後に、1人でどこかで飲み直そうかと思った。  12月に入って寒さがいっそう身に染みる。行くあても無く街を彷徨うようにフラフラと歩いていると、街中がクリスマ

街風 episode.25 〜Who Killed JAZZ?〜

 「この街にこんなお店あったんですね。」  すでに出来上がっているショウコちゃんの隣で、…

けーすけ
2年前
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街風 episode.24 〜フィルター越しの一瞬を〜

 「行くよー!」  ショウコさんは、すでに取材準備万端で俺の席の横に立っていた。デジカメ…

けーすけ
2年前
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街風 episode.23 〜離れ、交わり、離れ離れ〜

 「そろそろ彼女作れば?」  「いつまで想い続けてるんだよ。」  「告白しちゃえよ!」 …

けーすけ
2年前
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街風 episode.22.3 ~GIRLS TALK〜

 「ただいまー。」  「お姉ちゃんおかえり!」  「まだ起きてたの?」  パジャマ姿の…

けーすけ
2年前
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『趣味:自己表現』 街風/言葉の掃き溜め【番外編】

 僕は、小さい頃からずっと空想の世界が好きでした。  一人っ子だった事もあり、1人でレゴ…

けーすけ
2年前
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街風 episode.22 〜WALKING UNDER THE MOON〜

 「あー、お腹いっぱい!」  ケンジ先輩は膨らんだお腹をポンポンと叩きながら、満足そうな…

けーすけ
2年前
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街風 episode.21 〜RUN TO YOU〜

 ありがとう、ありがとう。  そう何度も心の中で叫びながら、涙を堪えて必死に駅に向かって走る。足にまとわりつくロングスカートに何度も躓きそうになりながら、息を切らして必死に走った。  リュウジ君には全部分かっていたんだ。分かっていなかったのは私だけだった。いや、分かっていたはずだったのに、気付いていたはずだったのに、私は必死で自分の心に嘘をついて前を向いて生きているつもりだった。そんな私の心をリュウジ君はずっと知っていたんだ。  今までのリュウジ君との時間は嘘じゃない。