【考察】ハイビームのまま走り続けるドライバーが多い理由を考えてみた
こんにちは。自動車ライター/インストラクター/ジャーナリスト/ドラマーの齊藤優太です。
横浜市の沿岸部には、みなとみらい、山下公園、中華街、Kアリーナなどがあり、日々さまざまな人が行き来しています。
休日になれば、市内や県内の人だけでなく、遠方からも多くの人が集まります。
そんな横浜市沿岸部近辺を走っているときに気になるのが「ハイビームのまま走り続ける車両」です。
今回は、「なぜハイビームのまま走り続けるのか」、「ハイビームのままだとなぜ危険なのか」などを考察するとともに、「ハイビームで走り続けないようにするためのアドバイス」を紹介します。
気づいていない可能性が高いハイビーム走行
まず、ハイビームのまま走り続けているドライバーの多くは、自分がハイビームだと気づいていないことがほとんどです。
ハイビームのまま走り続けてしまう理由は、主に次の2つと考えられます。
・ロービームに切り替えるのを忘れている
・何らかの理由により手がライト操作のレバーに触れてしまいハイビームになってしまった
では、それぞれどのような理由でこのようなことになってしまうのか考察します。
【ロービームに切り替えるのを忘れている】
「ロービームに切り替えるのを忘れている」は、運転に慣れていない人だけでなく、ベテランドライバーにも当てはまることです。
例えば、周囲に車がない環境を走行するときにハイビームに切り替え、周囲に車がいる環境に入ったときにロービームへの切り替えるのを忘れると、ハイビームのまま走り続けることになります。
このケースの場合、ドライバー本人はロービームに切り替えたと思い込んでいるものの、実は切り替えを忘れていて、ハイビームのままになっているというパターンです。
「そんな事あるかい?」と思われるかもしれませんが、郊外から市街地に行ったときや不慣れな道で見通しを良くするためにハイビームを使ったときなどにやってしまうことがあります。
【何らかの理由により手がライト操作のレバーに触れてしまいハイビームになってしまった】
「何らかの理由により手がライト操作のレバーに触れてしまいハイビームになってしまった」は、運転初心者やペーパードライバー、サンデードライバーなど、運転に慣れていない人によく見られます。
運転に慣れていないと、車を走らせることだけで手一杯になることが多く、ハイビーム/ロービームのことまで気が回らないことがあります。
また、運転に慣れていない人は、予想外の突発的な出来事があると余計な力が入り、運転装置をスムーズに操作できなくなることも珍しくありません。
(余談)私が教習指導員として勤務していたとき、ハンドルを力いっぱい握りしめる生徒を数多く見てきました。生徒が思いっきりハンドルを握っているので、指導員の補助ハンドルもかなり力が必要だったのを思い出します。
そして、ステアリングを回すときなどにライトを操作するレバーに手が触れてしまい、ハイビームになり、ハイビームにしたことやハイビームになっていることに気づかないまま走り続けてしまうのです。
このような理由で、ハイビームのまま走り続けているドライバーは、ハイビームであることに気がついていない可能性が高いといえるでしょう。
ハイビームで走行し続けるのはなぜ危険なのか?
ハイビーム(上向き)で走行すること自体は、法律でも定められていることでたるため、原則として違反ではありません。
しかし、他の交通(対向車や前方車両)がいるときは、ライトを下向きにして他の車両の運転の妨げにならないようにしなければなりません(他の交通の妨げになるのにも関わらずハイビームのまま走り続けるのは違反です)。
教習所などでは、ヘッドライトは原則として上向き(ハイビーム)、交通量が多い場所などでは下向き(ロービーム)と教えていることがほとんどです。
しかし、実際の交通社会では、交通量が多い時間帯に、交通量が場所を走る場合が多く、ロービームが大半となるでしょう。
また、ハイビームの車が自分の後ろにいたり、対向車線を走っていたりすると、非常に眩しい思いをします。さらに、目が眩んでしまうと、前方の交通状況が把握できず、事故につながる可能性が高くなります。
ハイビームの車からすれば、前方の状況がわかりやすく、運転しやすいものの、周囲の車からすれば迷惑極まりないのです。
このようなことから、周りに車やバイクなどがいる状況でハイビームのまま走り続けるのは危険だといえるでしょう。
自分がハイビームだと気づく方法
では、自分がハイビームだと気づく方法はあるのでしょうか。ここからは、個人的な経験も含めて、さまざまな方法を紹介します。運転するときの参考にしてみてください。
メーター内の表示を確認する
まず、一般的によく言われる「メーター表示」を確認する方法です。メーター内のライト点灯マークが緑の場合はロービーム、青の場合はハイビームであることは、さまざまなメディア等で言われています。
ただし、この方法は、メーターを見ることがクセになっている人に有効な手段といえるでしょう。また、メーターを見るクセがついている人でも、速度計以外のインフォメーションまで見るクセがついている人に限られます。
このようなことから、メーターを見てハイビームかどうか判断するのは、理屈として正しいものの、現実的に効果的かどうかは人によるといえるでしょう。
レバーの位置を手で触って確認する
ライトのレバーを手で触ってレバーの前後位置を確認するのもハイビームかどうかを判断する方法の1つです。
ただし、この方法は、ハイビーム時にライトのレバーが奥に押した状態でキープされるタイプに限ります。また、車種によっては、ライトのレバーを奥に押した状態がオートハイビームの位置になっているものもあるため、全車に有効な手段とは言えません。
そのため、車の取扱説明書を見たり、車が止まっている状態のときに、ハイビームの位置でレバーが固定されるか等を確認できた車種にのみ使える方法となります。
オートハイビーム機能付きの車はオートにしておく
近年の車には、自動でハイビームとロービームを切り替えたり、対向車や前方車両がいる部分だけロービームにするなどの機能を有しているヘッドライトも増えてきました。
このようなオートハイビーム機能がある車は、オートのままにしておき、不用意に触らない方がよいといえるでしょう。
また、オートハイビーム機能を正しく使うためにも、ヘッドライトのロービーム/ハイビーム/オート/オートハイビームの操作方法を事前に確認しておく必要があります。
対向車のドライバーの顔がはっきり見えるときはハイビームを疑う
ここからは、個人的な経験も含めたハイビームに気づく方法です。
運転中、対向車のドライバーの顔がハッキリ見えたり、車内がよく見えるときは、ハイビームになっている可能性が高いです。
加えて、対向車のドライバーが眩しそうな表情をしているときは、高い確率でハイビームになっているでしょう。
このような対向車の室内やドライバーがよく見えるときはメーター内の表示を確認してみることをおすすめします。
標識など反射する物が明るくハッキリ見えるときもハイビームを疑う
道路標識はヘッドライトが当たると乱反射して、標識に記載されている内容がよく見えるような構造になっています。(警備員などが着用している反射ベストのように標識が反射します)
運転しているとき、標識が反射ベストのように反射していたり、明るくなっていたりするときは、ハイビームになっている可能性が高いです。
標識が明るく反射ベストのように見えたときも、メーター内の表示を確認して、ハイビームになっていないか確かめてみるとよいでしょう。
自ら気づくことが大切
ハイビームになっているかどうかは、他の車両が教えてくれる可能性もありますが、周りが教えてくれる可能性は非常に低く、自分で気がつくことが他の交通の運転の妨げにならないために必要なこととなります。
自分でハイビームに気づく方法は、メーター内の表示だけでなく、レバーの位置、対向車のドライバーの様子や車内の見え方、標識の反射など、さまざまな方法があります。
また、ヘッドライトは、時と場合によってロービームとハイビームをうまく使い分けなければなりません。
使い分けをするためには、運転装置を正しく操作する必要があります。運転装置を正しく操作するためには、それぞれの車の正しい取り扱いを知らなければなりません。
他の交通の妨げにならないようにするためにも、正しい車の取り扱い、各装置の操作、ロービームとハイビームの使い分けをしましょう。
最後に
車の運転では、対向車、前方車両、前車、後続車、左右の車両等のドライバーが何を考えているかわかりません。
誰がどんな考えで運転しているかわからないからこそ、自分の存在や次の行動を灯火類を通じて示す必要があります。
また、灯火類を適切に使えるということは、自分の身を守ることに繋がるだけでなく、相手の安全や交通社会の安全にも繋がります。
灯火類、すなわち光を使った伝達手段は昔からあり、モールス信号やSOS信号などはその代表例です。
つまり、光も立派な意思疎通手段として使えるということなのです。このようなことから、車の運転でも光による意思疎通をすることが大切なのではないかと私は考えています。
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