でらぼー

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  • 物理屋さんの文学的考察

    もう誰かが気づいているかも知れない。気づいていないかも知れない。そんなほんのちょっとしたこと、特にヒトや社会について、物理学の用語を使ったり使わなかったりして考えていきます。

最近の記事

#8 深淵もまたこちらを覗いている

深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている ニーチェの有名な言葉ですね。ミイラ取りがミイラになるというやつです。 実はこれ、文字通りの意味を「光の逆進性」という性質で説明できます。 光の逆進性とは、光の経路(光路)の反対側から光を入射させると同じ光路をたどる、というもの。 例として、「ろうそくを見る」としましょう。 このとき、ろうそくから出ている光は目に入ってきています。 それと同時に、目から出ている光はろうそくへと向かっています。 冒頭のニーチェの言葉も同じで

    • #7 降水確率80%

      運動方程式シリーズ第4弾、未来予測編です。 ついにシリーズ最終回でございます。 今回は、完全に未来を予測できないというお話。 少々長くなりそうなので、目次です↓ 運動方程式と未来の予測このサブタイトルで、「はぁ?」となった方もいるでしょう。 そもそも、運動方程式とはこういうもの↓ ma=F 質量mの物体に力Fを加えると、物体は加速度aで運動するってやつです。 少し入り組んだ言い方をすると、ある時刻tにおける位置xと運動量p(=質量m×速度v)、そしてその物体に加

      • #6 電車を素手では止められない

        今回は、大きなものへの小さな抵抗のお話。 #3と関連するところがあるので、まだ読んでないよーという方は是非↓ 全4回を予定している、運動方程式シリーズ第3弾、止まらない編です。 運動方程式とは、質量mの物体に力Fを加えると、物体は加速度aで加速するというものです。 ちなみに、式で表すとこのようになります。 ma=F 加速とは言うものの、物体が進む方向と反対の向きに力を加えると減速していずれは止まったり、反対方向に運動したりします。 例えば、電車が駅に停車するとき

        • #5 安定志向の罠

          今回は、現状維持のために頑張る必要はないけどね…というお話。 体重を現状維持するのは大変だよ!と思った方、ダイエットや体重の話はいずれするので、それまでお待ちください… 前回から突如始まった運動方程式シリーズの第2弾、現状維持編です。 本題に入る前に、少しだけ運動方程式について述べておきます。 運動方程式とは、質量mの物体に力Fを加えると加速度aで加速する、というものです。 式で表すとこのようになります。 ma=F このとき、F=0ならば、a=0、つまり、速度v

        #8 深淵もまたこちらを覗いている

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        • 物理屋さんの文学的考察
          9本

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          #4 動き出すのは結構大変

          運動方程式シリーズ第1弾、動き出す編です。 動き出すのは怖いよね、というお話。 本題に入る前に、少しだけ運動方程式について述べておきます。 運動方程式とは、質量mの物体に力Fを加えると加速度aで加速する、というものです。 式で表すとこのようになります。 ma=F 例えば、車は止まっている状態からアクセルを踏むとどんどん速くなるのがこれに当てはまりますね。 つまり、動き出すには力が必要だということです。 …これほど深く考えなくても当たり前ですよね(笑) さて、

          #4 動き出すのは結構大変

          #3 蝶は自分の行き先を知らない

          今回は、物事には制御しきれないこともあるよね、というお話。 サラリーマンと転勤の関係はなかなか切っても切り離せないもの。 父親が急に単身赴任することになったり、僕自身、入社して一カ月でいきなり転勤、そのあとすぐまた転勤、ということもありました。 やっぱり自分一人の力では転勤はどうすることもできないな、と思っています。 転勤のみならず、身の回りの多くのことは自分一人では制御しきれない要素が組み合わさって物事が進んでいくものなのだと感じます。 電車の遅延、ウイルスの蔓延

          #3 蝶は自分の行き先を知らない

          #2 分子も人も衝突する

          今回は少し物理というか化学寄りで、だいぶ抽象的なお話。 高いエネルギーを持つ分子は状態が不安定。 そんな不安定な分子同士が衝突すると、エネルギーを外に放出して分子は結合する。放出した分だけ、分子が持つエネルギーの合計は小さくなり、結合した分子は衝突前と比べてより安定な状態となる。 化学反応はこのように説明することができます。 …ならば、人がぶつかり合うのも同じかなって思います。 喧嘩したり、口論になったり。バチバチとしたた闘志、ピリピリとした空気。いかにもエネルギー

          #2 分子も人も衝突する

          #1 ビールと解く

          学問と掛けまして、ビールと解く。 その心は、どちらも思考(嗜好)するでしょう。 …とまぁ、こんな謎かけをやってみたものの、学問もビールと同じく嗜好品なのではないかな、と最近思っています。 どちらも、好きな人が自由に嗜めばいい。そういうものではないでしょうか? さて、ビールと学問を「シコウ」で結び付けたところで、はい、おしまい!となるのも早すぎるので、学問について少し話を広げようと思います。 てなわけで、テーマはこちらです。 学問ってやる意味あるの? はいでました、

          #1 ビールと解く

          #0 はじめまして

          言葉と言葉、言葉と情景、言葉と心情、言葉と現象。 大学で文学を専攻していた友人と話していると、学問としての文学はきっと、言葉と何かを結びつけたり、関連させて考えるものなんだなと思えるようになった。 そこで、物理の用語となんかしらの言葉や社会現象との関連性を考えたら面白いんじゃないかなと思い、今に至ります。 大学で物理をやってきた自分だからこそ発信できる言葉遊びをのんびりと読んでいただけたらと思います。 …おそらく週1更新(土、日かな)。頑張ります。

          #0 はじめまして