#8 深淵もまたこちらを覗いている
深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている
ニーチェの有名な言葉ですね。ミイラ取りがミイラになるというやつです。
実はこれ、文字通りの意味を「光の逆進性」という性質で説明できます。
光の逆進性とは、光の経路(光路)の反対側から光を入射させると同じ光路をたどる、というもの。
例として、「ろうそくを見る」としましょう。
このとき、ろうそくから出ている光は目に入ってきています。
それと同時に、目から出ている光はろうそくへと向かっています。
冒頭のニーチェの言葉も同じで、深淵から出ている光は目に入ってきているし、同時に目からの光は深淵へと向かっている。
個人がインターネットをいつでも使えるのが当たり前になった近年ではもっと広い意味でこの現象が見られます。
AIやCookie、SNSがその良い例です。
まずはAIやCookie。
どちらも色々なwebサービスに使われています。
例えば、TwitterやAmazon。
Twitterを見ているときやAmazonを見ているとき、TwitterやAmazonもこちらを見ている。
しばらく見ていると、気づいたら自分に合ったものがおすすめされている。
いつの間にか自分の情報を分析されていますよね。
そして、SNS。
自分が誰かの発信した情報を見ることもあれば、誰かが自分の発信した情報を見ることもある。
こう考えてみると、インターネットを使っている以上、常に誰かに見られてしまうのだな、と感じます。
防犯カメラの前でだけ自分の行動に注意しなければならない時代はもうおしまいです。
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