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【読書】地球の未来のために僕が決断したこと

0.著者

ビル・ゲイツ

・技術者、経営者、慈善家
・1975年にマイクロソフトを設立しその後約40年間CEO・会長を務める
・現在はビル&メリンダ・ゲイツ財団の共同会長

1.要旨

炭素排出ゼロを実現しなければ、気候変動によって2100年までに年間でCOVID-19の5倍の死者がでる可能性がある
・わずかな温度の違いが大きな気候の変化をもたらす中で、このままの炭素の排出が続けば今世紀末に平均気温が4~8度上昇する可能性がある
・気温の上昇により、暴風雨の増加、干ばつ、穀物の収穫量減少、山火事、海面上昇等がおこり、2100年にはCOVID-19の5倍の死者(人口10万人あたり75人)が出る可能性がある

炭素排出の原因となる活動と、炭素ゼロに向けた解決策は以下の通りである


1.電気を使う(炭素排出の27%)
・解決策:
 -太陽光や風力といった既存のクリーンエネルギーに加え、核分裂、核融合、洋上風力といった発電技術におけるイノベーション
 -バッテリー等の蓄電技術におけるイノベーション
 -炭素回収や消費の標準化による電力需要の低減におけるイノベーション
2.ものをつくる(炭素排出の31%)
・プラスチック、鋼鉄、セメントの製造で炭素排出が起こっている
・解決策:工程の電化、脱炭素電力の使用、製造過程での炭素回収
3.ものを育てる(炭素排出の19%)
・牛の飼育、窒素肥料製造、食料破棄、森林破壊で炭素排出が起こっている
・解決策:上記問題ごとに異なる(詳細参照)
4.移動する(炭素排出の16%)
・解決策:自動車は可能な限り全て電気で動かし、船・飛行機等重量が原因でバッテリーで動かせないものはバイオ燃料等安い代替燃料を使う
5.冷やしたり暖めたりする(炭素排出の7%)
・解決策:すでに電気冷暖房は化石燃料をつかったものよりランニングコストが低いので、政策の力で普及させる

一方で温暖化がある程度進むことは想定するべきで、暖かくなった世界に適応するための備えも必要である
・リスクの低減ー気候変動に対応できるたてものやインフラの整備等
緊急事態に対応できるような備えー天気予報と早期警報システムの改良等
災害あとの復興ー住居を追われた人たちへの医療や教育、保健等

炭素ゼロへ向けては政府が主導となって、イノベーションを供給し、イノベーションの需要に弾みが付くように、技術・政策・市場に同時に働きかける必要がある

2.詳細

2.0 はじめに 510億からゼロへ

著者ビル・ゲイツは炭素の排出に関して以下の3つを確信している

・気候大災害を防ぐには、現在の年間排出量510憶から排出量ゼロにしなければならない
・太陽光や風力といったすでにある手段を、もっと早く効率的に展開する必要がある
・目標達成を可能にするブレークスルーを生み出し展開しなければならない

2.1 第1章 なぜゼロなのか

炭素の排出によって地球の温暖化が進み、このままでは地球の平均気温が今世紀半ばまでに1.5~3度、今世紀末には4~8度上昇する可能性がある

気候においてはわずか数度の変化が大きな違いを引き起こす

・最終氷河期の平均気温は今より6度低いだけだった
・恐竜の時代の平均気温は今より4度高く、ワニが北極圏に住んでいた

気候変動により以下のことが生じ、今世紀半ばまでにCOVID-19と同じぐらいの死者(人口10万人あたり14人)が出て、2100年にはその5倍の死者がでる可能性がある

・暴風雨が深刻化し、ハリケーンや洪水がインフラを破壊する頻度が増える
・干ばつが深刻化・増加する
・山火事が激しさを増す
・海面上昇により沿岸部で人が住めなくなる
・穀物の収穫量が数%~最大で50%減少する
・熱中症が深刻化する
・上述の問題によって、人口の大移動が起こる
 -2007~2010年にシリアで大干ばつが起こったとき、150万人の移動が起こり紛争がはじまる原因になった

ゆえに、早急に炭素ゼロを実現しなければならない

2.2 第2章 道は険しい

化石燃料の安さ・便利さ、途上国の状況、エネルギー移行にかかる時間、時代遅れの法律や規制等により、炭素ゼロへの道のりは険しい

・石油は1日におよそ150憶リットル使用されており、そのコストはソフトドリンクより安い
・まだ電化もされていないような途上国ではエネルギーを増やす必要があるが、これを排出ゼロで実現しなければならない
・各エネルギー源が導入されてから60年でたどりついた割合は、石炭で50%石油で40%、天然ガスで20%とエネルギーの移行には時間がかかる
・法律や規制は大気汚染防止を前提としたもので気候変動には焦点をあてていない

つまり、これまでにしたことのないとてつもないこと(=炭素ゼロ)を、かつてなく迅速に成し遂げなければならない

そのためには、科学と工学において数多くのブレークスルーが必要であり、エネルギー移行を後押しする公共政策を作る必要もある。

2.3 第3章 気候について論じるときの5つの問い

気候に関するアイディアを論じる時は、5つの問いを念頭に置く必要がある



1.年間排出量510億トンのうち、どれだけを削減できるのか
2.セメントはどうするつもりか
 -焦点をあてやすい輸送や発電だけでなく、炭素を排出するすべての活動に目を向ける必要があるという意味
 -カテゴリ別の温室効果ガス排出量は、ものをつくる(31%)、電気を使う(27%)、ものを育てる(19%)、移動する(16%)、冷やしたり温めたりする(7%)
3.どれだけの電力が必要か
 -電気について考えるときは必要な電力を考えなければならない。
 -目安となる数字は以下
  -世界:5,000ギガワット
  -アメリカ:1,000ギガワット
  -中規模都市:1ギガワット
  -小さな町:1メガワット
  -平均的なアメリカの家庭:1キロワット
4.どれだけの空間が必要か
 -1平方キロメートルあたりの発電容量(ワット)は以下の通り
  -化石燃料:500-10,000
  -原子力:500-1,000
  -太陽光:5-50
  -水力(ダム):5-50
  -風力:1-2
  -バイオマス:1未満
5.費用はいくらかかるのか
 -化石燃料を使ったときとの差分(グリーンプレミアム)を念頭におき、中所得国が払える値段になっているか考える

上記を考えると、今展開すべき炭素ゼロの選択肢はグリーン・プレミアムが低いもので、研究開発資金、発明家を集中させるべきところはグリーン・プレミアムが高すぎるところである

2.4 第4章 電気を使う_年間510億トンの27%

現状世界の電力の3分の2が化石燃料によって供給されており、太陽光と風力は7%に過ぎない

再エネ発電においてグリーン・プレミアムがかかるのは3つの理由による



1.化石燃料が安すぎる
 -化石燃料にはその使用による気候変動のコストが含まれていない上、何十年かけて安く供給する仕組みが整えられてきた
2.送電コストがかかる
 -消費地の近くに発電所を作れる火力発電と違い、エネルギーを作るところと使うところが離れているケースが多い
 -送電網は地域間で閉じており、他の地域からクリーンな電力を運ぶのに新たな送電網の構築が必要なことも多い
3.安定供給が求められ、停電が嫌われる
 -太陽や風は間欠的エネルギー(=365日24時間フル稼働で発電できない)であり、安定供給のためには蓄電が必要になる

太陽光や風力を迅速に大規模に展開するのは大前提としつつ、以下のような新しいクリーン電力に関するイノベーションが求められる



<電気を作る>
・核分裂
 -原子力は炭素を排出しないエネルギー源で唯一、地球上のほぼどこでも1年中を通じて昼夜問わず電力を大規模・安定に展開できるエネルギー
 -原子力は、セメントや鋼鉄などの資材を最も効率よく利用できるゆえに発電所建設における炭素排出も小さい
 -安全上の問題があるのは事実であるが、問題を解決する技術は進歩している。例えばテラパワー社がコンピュータ上に開発した原子炉は、他の原子力施設ででた廃棄物で発電でき、完全に自動化されているため人為的ミスは起こりえず、核反応をコントロールする独創的仕組みを使用し根本的に安全な設計となっている
・核融合
 -まだ実験段階で実用までに少なくともあと10年はかかるが極めて有望
 -一番の問題は、核融合を開始させるのに生み出すよりも多くのエネルギーを使ってしまうこと
 -フランスに作られているITERが現在最大のプロジェクトで、2030年代の終わりには使用した量よりも多くのエネルギーを生むようになる見込み
・洋上風力発電
 -現在は1基ごとの発電量を増やすためにタービンを大きくする研究が行われている
・地熱
<電気を蓄える>
・バッテリー
 -性能を3倍にすることはできても、50倍にすることはできない
 -それでも、街一つ分のエネルギーを長期間蓄えられるようなバッテリーの研究等が行われている
・揚水発電
・蓄熱
・安価な水素

 -これができれば蓄電のアイディアは全部不要になる
<その他のイノベーション>
・炭素回収
 -空気から二酸化炭素を回収する技術
・電力使用量を減らす
 -一日に電気が使われる時間を均等にできれば、発電量を少なくできる
 

2.5 第5章 ものをつくる_年間510億トンの31%

プラスチック、鋼鉄、セメント等の生産においても炭素は発生し、とくにセメントのグリーン・プレミアムが高い



・プラスチック
 -1トン製造するあたりの炭素排出量:1.3トン
 -グリーンプレミアム:9-15%
・鋼鉄
 -1トン製造するあたりの炭素排出量:1.8トン
 -グリーンプレミアム:16-29%
・セメント
 -1トン製造するあたりの炭素排出量:1トン
 -グリーンプレミアム:75-140%


炭素は、(1)工場を稼働させるのに必要な電気を化石燃料を使って作るとき、(2)製造工程に必要な熱を化石燃料を使って発生させるとき、(3)実際にその資材を作るとき(例えば、セメントを作るときは化学反応によって必然的に二酸化炭素が発生する)に発生する

製造における排出ゼロの道は次の4つになる



1.可能な限りすべての工程を電化する
・例えば製鉄に必要な数千度の高温を化石燃料を使わずに作る必要がある
2.脱炭素化された電力網からその電気を獲得する
3.残った排出分については炭素回収を利用する

・例えばセメントを作ると二酸化炭素が発生するが、リサイクルした人参加炭素をセメントに再度注入することで、最大33-70% の炭素を回収できる
4.資材をもっと効率的に利用する

2.6 6章 ものを育てる_年間510億トンの19%

農業において、炭素排出量が多いのは(1)牛の飼育(2)窒素肥料の生成(3)食料の廃棄(4)森林破壊である



1.牛の飼育
・牛のげっぷやおならによる炭素排出は年間20億トン全排出量の4%
・解決策:代替肉を食べる、炭素排出が少ない地域で育てる(南アメリカの牛は北アメリカの牛の5倍の温室効果ガスを出す)、改良種を拡散する
2.窒素肥料の生成
・窒素肥料の製造過程で熱が必要で化石燃料を燃やす必要があるほか、その運搬や肥料をやったあとの亜酸化窒素(CO2の256倍の温室効果)によって炭素排出がおこる
・2010年には13億トンの温室効果ガスが肥料のせいで排出されている
・解決策:窒素量モニター等で効率よく肥料を使う、バクテリアや微生物に窒素を作らせる
3.食料の廃棄
・食料廃棄によるメタンガスの生成により、1年あたり二酸化炭素33億トンの分の温暖化を引き起こしている
・解決策:果物や野菜を長持ちさせる技術、スマートごみ箱
4.森林破壊
・年間約37億トンの炭素排出が森林破壊が原因で起こっている
・おもに政治と経済の問題で、技術による解決は難しい

人口増によって近いうちに食料の生産を70%増加させないといけないが、上述の課題に対するイノベーションで炭素排出をなくすことを目指さなければならない

2.7 第7章 移動する_年間510億トンの16%

乗り物には、自動車等電気で動かせるもの(乗用車、バス、小・中型トラック)、バッテリーの重さのせいで電気では動かせないもの(長距離トラック、飛行機、コンテナ船等)がある

・ガソリンと同じ量のエネルギーを得るのに必要なバッテリーの重さはガソリンの35倍
・例えば飛行機は離陸するときに20-40%が燃料なので、バッテリーで代替しようとすると重くて飛べなくなる

自動車は可能な限り全て電気で動かし、ほかのものにはバイオ燃料等安い代替燃料を使うことが解決策である

2.8 第8章 冷やしたり暖めたりする_年間510億トンの7%

電気冷暖房機はすでにグリーン・プレミアムがマイナスである(=電気冷暖房機への移行は節約につながる)

買い替えサイクルの長い製品ではあるので、政策によって電気冷暖房機への移行を促進するべきである

2.9 第9章 暖かくなった世界に適応する

前章までは炭素ゼロへ向けた対策を論じてきたが、達成までには時間がかかるので温暖化がすすんだ世界への適応も必要になる

適応には、(1)リスクの低減(2)緊急事態に対応できるような備え(3)災害後の復興の3段階



1.リスクの低減
・気候変動に対応できるたてものやインフラの整備
・洪水に対する堤防の役割を果たす湿地帯の保護
2.緊急事態に対応できるような備え
・天気予報と早期警報システムの改良
・緊急対応要員の訓練
3.災害あとの復興
・住居を追われた人たちへの医療や教育
・生活を立て直すための保険

適応の4大項目は次の通り



1.都市は成長の仕方を変える必要がある
・都市計画者は、気候のリスクについて最新データと気候変動の影響を予測するコンピュータ・モデルによる被害の見積もりが必要
・避暑センター等全く新しいニーズも
2. 自然の防御機能を強化する必要がある
・森林と河川水系を回復させると、世界の巨大都市の水道施設は年間8億9000万ドル節約できる可能性がある
・マングローブは世界で800億ドルほどの浸水による被害を防いでいる
3.供給できるよりも多くの飲料水が必要になる
・今世紀半ばまでに、最低でも月に一度十分な量のきれいな水を確保できなくなる人が50億人を超える可能性がある
・海水から飲料水を作ったり、空気から水をとりだすといった技術を安くする必要がある
4.適応事業の費用を賄うために新たな資金源が必要
・適応のコストは前払いで、その経済的利益を得るのはずっと後になる可能性も高い
・まずは政府と民間金融市場が気候変動のリスクを考慮に入れ、リスクに値段をつける方法をみつけなければならない
・リスクへの適応に2020-2030年に1兆8,000億ドルを投じれば、その見返りとして7兆ドルを超える利益が得られるという試算もある

その影響についてよく研究する必要はあるが、人工的に雲を作って太陽光を遮断し気温を下げるといったジオエンジニアリングについての議論も、世界規模でしていくべきだ。

2.10 なぜ政府の政策が重要なのか

歴史的にみて、大気汚染対策に政策が主導的な役割を果たしてきたことから、気候変動においても政策が同じ役割を果たすことが求められる

特に政府が目指すべき目標は以下の7つだと考えている



1.投資のギャップに注意する
・民間セクターはエネルギーの研究開発にあまり資金を投じていない
・現状すぐに利益が得られる見込みがないが、新しい脱炭素ゼロ技術の発明が求められる分野に特に集中した政府の政策と資金が必要
2.競争の場を公平にする
・炭素をプライシングし、現在外部費用となっているものを市場に組み込むことが、グリーン・プレミアムの低減へのインセンティブにつながる
3.市場以外の障壁を乗り越える
・現状グリーンプレミアムがマイナスな電気冷暖房への移行がすすんでいない等の、市場以外の問題もある
・この原因となっている情報、訓練を受けた人材、インセンティブ不足の問題を解決するべき
4.最先端の技術を反映させる
・不必要な基準が邪魔をして、炭素ゼロ技術が導入できないことがあるため、基準を炭素ゼロが喫緊の課題であることを考慮したものにすべき
5.公正な移行を計画する
・炭素ゼロはの移行で”敗者"となる、石油・ガス関係の仕事に依存している人や地域が上手に移行できるような支援が必要
6.困難な課題にも取り組む
・現状電気自動車や太陽光パネル等、取り組みやすいことに政策が集中している
・これは悪いことではないが、蓄電、クリーンな燃料、セメント、肥料等取り組みが困難なものにも取り組むべき
7.技術、政策、市場に同時に働きかける
・市場、政策、技術がお互いに補完しながら動く必要がある
・悪い例:テラパワーが研究に取り組んでいる原子力発電は従来の問題を解決したものであるが、適切な政策と市場へのアプローチがなく研究成果はいかされていない
・よい例:太陽光を使った研究に資金が投じられ、パネル設置向けや電気買取などの政策も整備され、2009年から太陽光で作られる電気の値段は90%もさがった

2.11 第11章 ゼロ達成に向けた計画

2030年までに排出を削減するためにすべきことと、2050年までに排出ゼロを達成するためにすべきことは根本的に異なる。後者に注力しなければならない
・例えば、2030年までに少しの排出削減ならば石炭火力から天然ガス火力発電に転換すればよいが、排出ゼロならば火力発電をやめる必要がある

政府はイノベーションの供給を増やし、イノベーションの需要に弾みをつけるような以下の政策をしていくべきである


<イノベーションの供給を増やす>
1.今後10年で、クリーン・エネルギーと気候関係の研究開発予算を5倍に
2.高リスク・高リターンの研究開発プロジェクトにより多くの資金を投じる
3.研究開発を最大のニーズとマッチさせる
4.はじめから産業界と協力する

<イノベーションの需要に弾みをつける>
1.政府の購買力を駆使する
2.コストを下げてリスクを減らすインセンティブを作る
3.新技術を市場に送るインフラを作る
4.新技術がほかと競合できるようにルールを変える
・炭素に値段をつけるカーボン・プライシング
・クリーン電力基準
・クリーン燃料基準
・クリーン製品基準

2.12 第12章 ひとりひとりにできること

市民として、消費者として、従業員あるいは雇い主としてできることが様々ある


<市民として>
・政治家に電話をする、手紙を書く、対話集会に参加する
・国だけでなく地方にも目を向ける
・選挙に出馬する
<消費者として>
・電力会社のグリーン料金プログラムに登録する
・電気自動車を買う
・植物由来のハンバーガーを食べてみる
<従業員あるいは雇い主として>
・社内炭素税を導入する
・低炭素ソリューションにおけるイノベーションを優先させる
・アーリー・アダプターになる
・政策形成のプロセスに参加する
・政府資金による研究とつながりをもつ
・アーリーステージのイノベーターが死の谷を切り抜けられるよう手助けをする

3.感想

気候変動のインパクト、その原因となる炭素排出の構成要素とそれぞれに対する解決策が理路整然とまとめられていた。本書を読むまで気候変動への問題意識は強くなかったが、将来的にCOVID-19をはるかに凌駕する死者を出す可能性があることが分かり強い問題意識を感じるようになった。炭素排出の原因としてはよく言われる発電や移動以外にも、工業や農業が大きな割合を占めているのは知らなかったことであり、これらの分野におけるイノベーションにも注目していきたい。冷静に厳しい現状を分析しながらも、ビルのイノベーションへの期待・楽観が感じられ、まだ気候大災害を避ける一筋の光があることを示してくれる本であった。

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