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続)理系男児に10年間読み聞かせ②ー国語が苦手な小学生に贈る 成績が上がる国語の勉強法(トレーニング法)

勉強しても成績があがらないと思われている科目、国語。
たぶんこれが成績を上げる勉強法。小学生編

前回小学生用の問題集を中2の息子にさせた理由と、その後、成績が急激に上がった話をしたけど、同じことをしても上がらない人もいると思います。その理由と、上がらない人は何をしたら良いかを書きます。

国語との悪戦苦闘を通じて分かったのは、国語(の得点)に影響する段階が、いくつかあるということ

*問題文を読んでから、読解解答までの流れを分解してみると

①文字をスムーズに追える目の動き

②文字を認識して、それが頭の中で音として響く 

③その音を頭で聞いて単語や文章の内容が画像に近い状態になって頭に残る(イメージ力、実感力)
 =内容や流れが記憶しやすい

④問題を読み、国語のルールに従って、文章の中から答えを見つける力

わが家の息子は、長年の読み聞かせで③を、小6から始めた速読で①を、自分で本を読むようになり②を鍛えていたので、あと④を鍛えれば成績が上がったのでした。
前回書いた、日本語トレーニングは、偶然④に特化した問題集だったのです。

塾の国語の良し悪しは、④の教え方の良し悪しで、①~③ができていない子は、良い塾に行っても国語の成績はあがりません。

実は、国語が苦手な子供に①~③ができていない子供は結構います。特に本をあまり読まない理系男児やスポーツ男児など、読書をしてこなかった子供達。今日はその体験談を書きます。

【私立中学受験勉強中の小5男児に国語を教えた時の話】
息子が高校に入学した後、近所のママ友からお子さん(小学5年生 中学受験予定 浜学園通塾中)の国語について相談を受けました。

そのお子さんは、算数や理科はトップクラスのなのに、国語は全くダメで、塾では「子供っぽいせいだからどうしようもない。」と言われて途方にくれてました。子供っぽいって、、、初めて聞いた理由。

近所のおせっかいおばちゃん(私)は、ついつい気の毒になって、、、
一度、彼が国語を解く様子を見てあげようと言ってしまいました。

我が家にやってきた彼に、何も指導せず、いつものように長文読解を解いてもらうと、、

そわそわと落ち着きなく読み、長文を読んでいる時の彼の視線がもどることがたびたびあること。早く読もうと焦って、目が先にいってしまい内容の理解が追いつかない。訳が分からなくなって戻る時もあれば、そのまま読み飛ばしていくことも

その問題の解答は、さんざんで、選択肢は正解がありましたが、記述はほぼ間違っていました。
問題文にはどんなことが書かれていたの?と聞いても、しどろもどろ。

マンガは読むの?とか、好きな本は読めるの?と聞くと、読んでいるとのこと。
(私の頭の中)読解問題の時だけ読めないのか? 語彙力がない?それとも焦っているだけ?興味のない分野は読めないタイプ(性格)?

次の問題の時に、
 時間は気にしないでいいから、文章を読んで書かれている内容の映像を思い浮かべながら読み進めてね。(同時に読んでいる文章の左に定規をあてて)文字は、なるべく上から下に(後ろに)戻らずに読んでいって、下まで読むと定規をずらして読んで。と伝えました。

解くまでに時間がかかったけど、驚くことに8割正解。本人からやっと笑みがでました。

彼は塾で習って④ルールに従って答えを探すは身についていたけど、①~③文字の認識から文章全体のイメージングまでができていなかったことが分かりました。(理解しながら読むスピードが遅い)

私が、彼と彼のお母さんに出したミッションは、
1)文章を後戻りしないで、イメージングしながら読み進める練習。最初は定規をあてて読み、慌てない、上から下へ文字を追う目の動きがスムーズになったら定規は使わない。教材は、塾や学校で使っている長文問題の文章を使う。難しすぎるようなら、2年ぐらい下の学年の問題集から始めてください。1回10分くらいずつから始めて、徐々に長くしていきます。

2)内容を知っている文章を使って、目をスムーズに動かし、イメージングしながら読む(くり返す)。毎回スピードを上げるのを意識して(時間を測る)、10回くり返し読んだら、次の文章。教材は、1)で使って内容を知っている文章を使います。1回分は、1分~1分半で読めるくらいの量。それ以上長いと子供の集中力がもちません。1日3回ぐらいを毎日くり返す。

1)は初見文のイメージングの練習(③の練習)
2)は読むスピードを上げる練習(①②の練習)

2)の方法は、息子といっしょに速読を習っている時に気づきました。スピード練習するには、内容を知っている文章を使って、スピードに特化した練習をした方が効果的なのです。

7月に上の講習(2時間)を1回して、あとは自宅学習をしてもらいました。

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質問  「日本人なのにどうして国語の勉強が必要だと思う?」

*答:皆が正しい読み方、書き方のルールを守らないと、正確に伝わらないから 
接続詞や助詞は、算数の足し算と引き算と同じ。皆が勝手な使い方をしたら伝わる内容が変わってしまう。

「国語の問題を解く時に、僕ならこんな気持ちになるから、これを選ぶ」というのは、算数の時に「僕は+の記号を引き算の時に使ってるから、引き算で計算する」のと同じ。

国語には、ルールがあるから、それを使って文章の中にある唯一の答えを探すんだよ。

↑上の説明、国語が苦手な理系頭の子供には響きます。彼らは、国語という教科が何を求めているかのイメージができていない(私は40歳過ぎまで分からなかったけど(^^;))

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で、小学生に勉強方法を教えた結果は、

9月にお母さんから、国語が教科の中で一番良い点になった!(in 浜学園)と驚きと感謝の報告がありました。もともと理解力のある賢いお子さんだったから、すぐにコツをつかんだみたいです。

小学生が国語の成績を上げるには、親(大人)のサポートが必須。

このお子さんは、塾で④「国語のルールで解く」を習っていましたが、塾に通っていない小学生さんが、④を鍛えるために新日本語トレーニングや他の教材を使う時は、親の助けが絶対必要(きっぱり)。たくさんの問題を解いても〇×だけつけている勉強では、成績はあがるはずない。

前回も書きましたが、国語の勉強で大切なのは

正誤より、国語のルール通りの思考(考え方)が使えたかどうか。

新日本語トレーニングは、本の問答の中や答えの解説でそのルールが、簡単な言葉でくわしく書かれていますが、それでも国語が苦手な小学生には、それを読むのが苦行(めんどう、しんどい)になります。解説の所は、親が読んであげ、考え方が正しかったどうかをいっしょに確認してあげてください。

面倒と思われるかもしれませんが、国語の成績が上がると、特別に勉強しなくても、上がったままになり、子供がとてもラク(受験に有利)になるので我慢です。

それから子供に教える時は、楽しく!明るく!を心がけてくださいね。

親も一緒に解いてみたり、一緒に悩んでみる。時間を測ってあげて、速くなっているといっしょに喜ぶなど。勉強は、達成感がある!楽しい! と思わせるのが今後の勉強、子供の心の成長においても大切だと思っています。

書くのが苦手なお子さんは

「中学入試を制する国語の「読みテク」トレーニング 説明文・論説文」がお勧めです。書く要領がつかめたら、途中で止めてもかまいません。記述のためのコツを分かりやすく書いてくれています。お子さんが答えの解説を読むのが苦手(めんどうくさがりや)なら、親が添削して説明してあげましょう。

【読書は大好きだけど書くのが苦手で国語の点が悪い小学6年生の女の子】にこの問題集を紹介したのですが、国語の点数があっという間にのび、中学の間も得意科目のままでした。彼女も、彼女のお母さんも、この問題集のおかげで国語が得意になったと今(高校生)も話してくれます。

読書の習慣があったのと、おそらく④はある程度できていたのでしょう。あとは書く(表現する)コツが必要だったのでしょうね。

**まとめ(小学生は親がサポートしながらトレーニングする)**
①~③ 文字の認識とイメージング力が弱いか、遅い時
1)文章を後戻りしないで、イメージングしながら読み進める練習
2)同じ文章を使って、目をスムーズに動かし、イメージングしながら読む(くり返す)
④国語のルールを理解していない時
新日本語トレーニングを親が読んであげて、一緒に考えながら進める
その他:書くのが苦手な時
「中学入試を制する国語の「読みテク」トレーニング 説明文・論説文」。添削は、親が解説を読みながらする

小学生さんで、国語が苦手で困っている方の参考になれば幸いです。

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