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【重回帰分析的思考】例題:結婚について

同じ目的を持っているのに、対立構造が生まれてしまうのはなぜだろうか?

例えば、日本の政治家の責任(目的)は「日本を良くすること」であるが、同じ目的を持っている政治家同士でも、そこに対立は存在する。
何でなんだ?

この質問をすると、9割の人が「考え方が違うから」と言うだろう。
確かにその通りであるが、それは抽象的な回答すぎる。重回帰分析的思考を用いて、より具体的に考えてみる必要があるだろう。

↑これは導入部分です。
今回重回帰分析的思考を行う対象は「結婚」です。

重回帰分析とは?

重回帰分析とは、結果(目的変数)を予測するときに、2つ以上の変数(説明変数)との相関関係を数式化して示す統計手法のこと。

うん、ちょっと何言ってるか分からない。
何故なら、この説明文は既に分かっている人が、相手も分かっていることを前提に、書いている文章であるから。
私なりの言葉でもう一度重回帰分析とは何かついて説明すると、以下のようになる。

結果には、様々な要因が関係している。
重回帰分析とは、とある結果を導くときに、その結果を構成した要因たちが、お互いに結果に対して、どのくらい影響力を持つかを数字で示したものである。

重回帰分析的思考とは?

重回帰分析は何となく分かった気がする。
では重回帰分析的思考とは何か?

重回帰分析的思考とは、目的を達成するための「方法」を考えるときに、なぜそのように私が考えるのかを、ぱっと見で分かるように数値で示したものである。

重回帰分析的思考のメリット

・考えが数値化されており、分かりやすい。
・数値を上げ下げすることで、面白いアイディアが出てくる。
・建設的な話し合いができる。

重回帰分析的思考のデメリット

・なし

では、実際に重回帰分析的思考の方法を見てみよう。

ステップ1:話し合いの「目的(結果)」を決める。

今回の議題は「目的」を「結婚」とします。
もう一度言います。「結婚」です!!
はい。落ち着いてください。落ち着いてください。
この記事は「重回帰分析的思考」を知ることがメインですからね。

ステップ2:「判断要素」を書き出して共有する。

結果には、様々な要因が関係しています。その要因のことを重回帰分析では「説明変数」と言いますが、この表現は難しいので、簡単な表現に直します。ここでは、「判断要素」と言います。

結婚する相手を決めるときに、なぜその人を選んだのかの「判断要素」を書き出して、討論するメンバーを共有しておきます。
今回、共有された判断要素は以下の通りです。

判断要素 X₁:経済力
判断要素 X₂:身長
判断要素 X₃:年齢
判断要素 X₄:体の相性
判断要素 X₅:家族との関係
判断要素 X₆:趣味が同じ
判断要素 X₇:教育への考え方が同じ
判断要素 X₈:お金の使い方が同じ
判断要素 X₉:時間の使い方が同じ

ステップ3:影響力(重要度)を直感で決める

それぞれの判断要素の影響力(重要度)を直感で決めて下さい。
答えはありません。

今回は分かりやすいように持ち点制度を設けます。
・判断要素は9つなので、あなたの持ち点は45点(=9×5 )です。
・この持ち点すべてを使う必要はありません。
・各判断要素の影響力の最大値は10、最小値は0としてください。

とある15歳女性
結婚y=2X₁+9X₂+8X₃+3X₄+1X₅+3X₆+1X₇+1X₈+1X₉

とある25歳女性
結婚y=9X₁+5X₂+3X₃+5X₄+3X₅+3X₆+4X₇+3X₈+2X₉

とある35歳女性
結婚y=7X₁+3X₂+4X₃+8X₄+7X₅+4X₆+5X₇+4X₈+3X₉

とある45歳女性
結婚y=5X₁+3X₂+4X₃+8X₄+7X₅+7X₆+2X₇+6X₈+5X₉

ステップ4:「影響度(重要度)の大きさ」について討論する

「なぜその影響度の大きさをそのようにしたのか?」
ここについて相手の意見を聞いてください。

今回は「結婚」というプライベートな議題のため、自分の心を話し合うことになりそうですね。

ステップ5:「影響度(重要度)の大きさ」を上下させてみる

自分や議論相手が考えた理由が数値化されているので、影響度(重要度)の数字を上下させてみてください。今まで思いもしなかったアイディアが見えてきます。

伏線回収

もう一度、同じ質問をしよう。(伏線回収)
同じ目的を持っているのに、対立構造が生まれてしまうのはなぜだろうか?

例えば:
日本の政治家の責任(目的)は「日本を良くすること」であるが、同じ目的を持っている政治家同士でも、そこに対立は存在する。
何でなんだ?

回答:
根本的な原因は「日本を良くする」という目的が同じでも、政治家1人1人が無意識に形成している「判断要素」が討論前に共有化されていないからだろう。そして、討論の中身が「影響度(重要度)の大きさ」についてではなく、「この判断要素があるから私はこう考える」という判断要素の有無が議論の対象になっているためだと考察する。

改善策:
まず、「目的」を討論の前に共有化する。
次に「判断要素」のあぶり出しを行い、共有化する。
最後に「影響度(重要度)の大きさ」について討論を開始する。

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