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motoさん流「軸ずらし転職」を研究開発職で実践した話

スーパーサラリーマンmotoさん

転職・副業という脚光集めるテーマにおいて、一世を風靡したmotoさんこと戸塚俊介さんをご存知だろうか。

短大卒業後のホームセンター勤務の年収240万円から、リクルートを含め4度の転職を経て年収1,000万円超に到達だけでなく、ブログ執筆等による副業で年収4,000万円へと10年間で年収を20倍にしたという、ホンマかいな??と疑うような実績とともに、SNSで脚光を集めたスーパーサラリーマンである。

サラリーマンのキャリア形成術と副業の作り方に関して、ロジカルに言語化しており、ブログやVoicy、Twitterで大活躍されていた。転職を考えている人なら一度はお見かけしているかもしれない。Voicyでの話ぶりにはその内容もあって、雷に打たれたような衝撃だったことを記憶している。SNSの使い方も戦略的であり、現在はSNSでの露出は下がっているものの、相変わらず一サラリーマンからは考えられないステージで活躍されているようだ。

軸ずらし転職とは

そんなmotoさんがその著書で提唱している年収の上げ方の一つが「軸ずらし転職」というものだ。

この軸とはなんだろうか。

「軸ずらし転職」の基本的な考え方は、「年収は個人の能力や実績によって決まる」という一般的な考え方とは異なり、

おおよその年収は「業界×職種」で決まる』という考え方である。

例えば、「金融業界大手の営業部長→年収1600万円」という具合だ。企業名や企業規模や役職(部長や課長)よりも、業界や職種の方が影響するという。今の会社で頑張って昇進しなければ年収は上がらない、という考え方とは少し印象が違うと思う。

「軸ずらし転職」の軸とは、この「業界」や「職種」のことなのだ。

つまり、年収を上げるためには、「年収の高い業界」または「年収の高い職種」に軸をずらすのが近道なのである。

ただ少し立ち止まる必要がある。年収が高そうだからといって「業界」と「職種」を一度に両方変える転職はオススメできない。なぜなら、勝手がわからない場所で、経験の浅い業務で短期間に成果を出すのは大変であるからだ。転職後の評価で失敗するとなかなか辛いその後の人生が待っている。

そこで、どちらかを固定しながら、もう一方をずらしていく「軸ずらし転職」なのだ。バスケのピボットのようなイメージである。

バスケのピボット。片足をつけながら、もう一方の足を動かす。

motoさんの場合、ホームセンターの人事(小売x人事)→リクルート(人材業x営業)→(ITベンチャーx営業)みたいな感じで営業職として業界を高年収な業界にシフトさせて行っている。ホームセンターの人事からITベンチャーの営業に行くとどうなるか、想像してみてほしい。ステップを踏んでいくことで、スキルもついてくるのだ。

同じようなことを言ってる人は前からいたのかもしれないが、端的にそのコンセプトを言語化しており、自身の経験も踏まえて解説することでわかりやすく、そして説得力を増しているところがmotoさんの魅力だ。これはそのままmotoさんのスキルの高さを示していると思う。

ちなみに、読書時間がないよーというあなたには、最近私がハマっているYouTuberサラタメさんの動画の8分で解説動画も紹介しておきたい。

研究開発職に軸ずらし転職は可能なのか

motoさんの話に触れ、こんな技があったのか!!と図らずとも日系企業1社で生涯を終える見込みのなくなっている自分にとっては、願ってもない技だとびっくりした。使ってみるしかない・・!!

しかし、一つ懸念があった。motoさんは営業職であり、私は化学系研究開発職である。どんな業界においても不可欠な営業スキルに比べると、専門性を極めていくことによって逆に潰しが効かなくなる、なんとコスパの悪い職種であることか・・。

それでもこの軸ずらし転職の視点を持って転職を実行したので結果を共有してみたい。

当時化学業界にいた私は、ひょんなことから転職に迫られていた。

当然、基本的には専門性を活かして同じ事業を持営る化学業界への転職するつもりでいた。しかし、同じ業界だと多少の変化はあるものの、基本的には業務内容も待遇もあまり変わらないだろう、と漠然と感じていた。その時のこの軸ずらし転職の発想を活かして、業界を変えてみることを思いつく。

化学業界→ヘルスケア業界へ軸ずらし転職

化学の中でもケミカルバイオロジーという、化学と生物の境界領域が元々の専門分野であることもあって、もともと興味のあるヘルスケア業界に的を絞ってみた。

データがうまく探せてはいないが、一般的に製薬企業をはじめとするヘルスケア産業は化学産業に比べて利益率が高く、バイオテクノロジーの急速な発展にも後押しされて、成長産業に位置付けられている。

化学会社にいた時も新規事業の話ではヘルスケアのような成長産業が着目されており、バイオテクノロジーがメインとはいえ、自分の専門性も生きるのではないかと考えたわけだ。

転職活動の結果、目論見通り選考は数社進み、その中の一社で内定を頂き現在に至る。

私の場合は、「化学業界x研究開発職」→「ヘルスケア業界x研究開発職」に成功したわけである。

では実際年収はどうなったか。motoさんのように最初の契約年収の時点で大幅に増やすのは難しかったのが本音だ。

ただし、初年度こそボーナスの関係でトントンくらいだったが、2年目にスムーズに昇格したこともあり、+150万円くらいにはなった。元の会社にいても簡単には昇格できていなかったと思うので、一応、軸ずらし転職としては成功したのではないかと思っている。

軸ずらし転職の良いところと悪いところ

私の転職先では化学系研究開発職はほとんどいない状態で、今後、化学技術も高めていきたいというタイミングであった。

そのため入社してみると聞いていたよりも設備が少なく、実験をうまく進められなかった。また、テーマを立案したり実行したりしても、専門的な議論を社内で十分にすることができず、苦労した。この辺りはまだまだ試行錯誤ではあるが、なんとか成果を出していかないといけない。

一方で、社内に専門家があまりいないため、色んな話が飛んでくる。トラブル対応や共同研究等である。ハッキリ言って面倒臭い案件も多いが、社内でのポジション獲得という観点からいくと結構良い立場になれるかもと必死に対応している。

業界を転々とするとその業界の深い知識が習得できないという弊害はある一方で、顧客や取引先の事情がよくわかるというメリットもある。今はヘルスケア業界にしばらく使って知識を深めつつ、協業先の化学メーカーとの取引の窓口としての機能も担えると考えている。

まとめ

化学系研究開発職であっても、業界を変える軸ずらし転職は可能である。個人的には、どうせ転職するなら業界を変えるくらいの方が良いのではないかと思っている。

また、高収益な業界や企業を探していく努力も必要だろう。そして、自分のスキルを求めていそうな会社を探し出し、自分を売り込んでいくという姿勢も大事だろう。

まずはビズリーチや転職サイトに登録してみることから始めると良いと思う。

さて、私の次の転職はどうなることだろうか。スタートアップが気にはなっているが、まずは今の職場で自力を高めるフェイズとしたい。

皆さんの検討を祈る。

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