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【最速解説】Vulfpeck『Schvitz』 /// どこよりも詳しいVulfpeckニューアルバム完全解説

KINZTOのDr.ファンクシッテルーだ。今回は「どこよりも詳しいVulfpeckまとめ」マガジンの、41回目の連載になる。では、講義をはじめよう。

今回は、ついに公開されたVulfpeck(ヴォルフペック)のニューアルバム、『Schvitz』について、最速かつ、どこよりも詳しく解説しようという記事である。

『Schvitz(シュヴィッツ)』とはユダヤ式サウナの意味で、アルバムジャケットはサウナハットにバスローブ。

MVもすべてその衣装を着た状態で撮影、さらに1曲目が「Sauna」になっているなど、今回のアルバムコンセプトは「サウナ」なのだ。

出典:VULFPECK /// Sauna

なぜサウナ?なにがあったのVulfpeck?

というストーリーを、今回はすべて解説していこうと思う。


アルバム概要

時系列を追って話していこう。
いつだってそのやり方がベストなのだから。

2019年、Vulfpeckは世界一有名なアリーナと呼ばれるMadison Square Gardenに14000人の観客を呼び、チケットをソールドアウトさせた。

大手レーベルとの契約なし、マネージャーなしでMadison Square Gardenを満員にしたファンク・バンドは世界初。Vulfpeckは世界を変えたバンドとなった。

しかしこの後、悪疫が世界を襲う。Vulfpeckもレコーディングがストップ、2020年、2021年の新譜は、過去のレコーディングを収録したものになり、ライブ活動も一切がストップしてしまった。


悪疫の最中で無理に活動を行わなかったのは、おそらくリーダーのJack Strattonの「持続可能性を意識したバンド運営」によるものだと思われる。これについては私の本に詳しく記したので、是非ご一読いただきたい。


そして時は流れ、2022年。ついに彼らは活動を再開した。2022年7月、アメリカのマサチューセッツ州マーシュフィールドで、「Levitate Music & Arts Festival 2022」のヘッドライナーを務めたのだ。

出典:Vulfpeck at Levitate Music & Arts Festival 2022 - NOCAP Shows Livestream Replay (Full Set)
出典:Vulfpeck at Levitate Music & Arts Festival 2022 - NOCAP Shows Livestream Replay (Full Set)
出典:Vulfpeck at Levitate Music & Arts Festival 2022 - NOCAP Shows Livestream Replay (Full Set)


Levitateフェスでは、Vulfpeckのメンバーはサウナハットにバスローブを羽織り、「Schvitz(ユダヤ式サウナ)」をテーマにしたライブを行った。

このサウナ衣装はその時限り、一夜限りのものになるはずだった。――ところが、Jackの友人、PSEUDODUDOが関わってきたことで、話は大きく変わってくる。

Allegra : I feel like people really loved the full schvitz Look that you previewed.

Jack : Yes, That opens up a lot of avenues. That was not intended to be, you know, it was supposed to be a one off. This is cool story. And then PSEUDODUDO, he did the album art, sent me that as a merch concept the little guy wearing it. And I was like, that was a good look. So then it's become the concept for the whole album.

Allegra : so you track the stuff after that do you?

Jack : Yes it was supposed to be a one off for levitate. But it is it is really fun too. Playing in the robes opens up. You know, it's like, just a different feeling.

Allegra : (筆者注:Levitateフェスで)皆にお披露目したフル・シュヴィッツ・ルック(筆者注:サウナ衣装)は、みんなにとても好評だったようですね。

Jack : そうだね、あれで多くの道が拓けた。あの衣装は一回限りのつもりだった。クールな話だ。フェスの後、(筆者注:The Fearless Flyersの)アルバム・アートを手がけたPSEUDODUDOが、(筆者注:サウナ衣装を着た人が小さく刺繍されているイメージ画像を)マーチャンダイズ・コンセプトとして送ってくれたんだ。
それを見て、いい感じだと思った。その後、それがアルバム全体のコンセプトになった。

Allegra : それから(筆者注:サウナ衣装を復活させて、レコーディングを)行ったのですか?

Jack : そう、Levitateフェスのための一発芸になるはずだった。でも、(筆者注:サウナ衣装は)とても楽しいよ。バスローブを着て演奏すると、開放感がある。いつもと違うフィーリングが生まれるんだ。

出典:STATE OF THE VULF IV


PSEUDODUDOは刺繍アーティストで、The Fearless Flyersのこちらのジャケット👇のデザインを担当した人物。

彼が👇の刺繍をJackに送ったことで、それをJackが気に入り、アルバムコンセプトが「Schvitz(ユダヤ式サウナ)」に決まったということである。

こちらの刺繍デザインはアルバムリリースに合わせて、実際にPSEUDODUDOのサイトでスウェットとキャップが製品化されて販売されていた。👇 


以上が、アルバムリリースに至った背景だ。

サウナがコンセプトになっているためか、以前よりも全体的にリラックスできる雰囲気の作風になっている。Vulfpeckらしいミニマルさは継続しているが、例えばCory Wong、Dean Townのようなゴリゴリのファンクは1曲もない。

それではいよいよ、楽曲の解説に入っていこう。


1. Sauna

出典:VULFPECK /// Sauna

Woody Goss — wurlitzer, composer 
Cory Wong — guitar 
Joe Dart — bass 
Joey Dosik — piano 
Jack Stratton — drums, mixing, composer 
Theo Katzman — vocals 
Antwaun Stanley — vocals 
Nick Nagurka — engineer 
Mike Shea — camera 
Rivers — dog

実際にサウナに入っているかのようなリラックスしたMV。蒸気が漂っているように見えるのも面白い。作曲はWoodyとJack。

この曲のイントロは、WoodyがDancing in the Moonlightか何かをジョークでパロディしたものを弾いた時に生まれたもので、それがそのまま使われているとこちらの動画で語られている。(ちなみに、Dancing in the Moonlightは以前にVulfもカヴァーしている

イントロも素晴らしいが、本編のメロディーもとても覚えやすく、歌いやすい。個人的には本作でもっとも好きな曲で、サウンド的にもアルバムを象徴する1曲だという印象を受けている。

歌詞がダバダバ言ってるな、と思っていたら、本当にダバダバしていたことが公開されており、とても面白い。


グルーヴも素晴らしく、8ビートのように聴こえるが実際には16ビートを演奏している、という高度なテクニックを用いている。

これは70年代にクルセイダーズなどが得意としていたグルーヴで、これによりファンキーなフィーリングと、リラックスした雰囲気を両立させることができる。サウナというコンセプト、楽曲にふさわしい――最適なグルーヴだと言えるだろう。

Joeが時折、お得意の16分3連(高速で、ダラララッ)を弾いているが、それをしっかりJackが編集でアップにしている。

出典:VULFPECK /// Sauna

ちなみに、Riversという犬がスタジオにいて、しっかりクレジットにも名前が載っている。笑 👇

出典:VULFPECK /// Sauna 画像編集:筆者


2. Earworm

出典:VULFPECK /// Earworm
出典:VULFPECK /// Earworm

Jack Stratton — vocals, mixing, composer 
Woody Goss — wurlitzer 
Cory Wong — guitar 
Joe Dart — bass
Joey Dosik — sax 
Theo Katzman — guitar 
Antwaun Stanley — drums 
Jayr Sotelo — animation 
Nick Nagurka — engineer 
Mike Shea — camera

作曲はJack。Vulfpeckで初めてJackが歌った曲である。

いちおう、Jackのソロ・プロジェクトである「Vulfmon(ヴォルフモン)」が参加したということになっており、先日公開されたVulfmonの歌「Here We Go Jack」に続いて、Jackが自らが歌いたいフェーズに入っていることが分かる。

曲名「Earworm(イヤーワーム)」は、直訳の「耳虫」ではなく、「耳にこびりついて離れないメロディー」の意味。だが今回のMVでは、耳から虫が出てくるアニメーションが追加されている。

出典:VULFPECK /// Earworm

この曲は、まずJackが歌う「イヤーワーム視点の語り」があって、次に皆が「耳にこびりついているメロディー」をコーラスで歌い、それらを繰り返すことで進んでいく。それでは、歌詞を眺めてみよう。

(1番) 
僕は胃にいない 地面にもいない 
街中を周るリムジンにもいない 
僕は虫じゃない 細菌でもない 
僕は謙虚でキャッチーなメロディー イヤーワームさ 

※コーラス

(2番)
2、3曲しか知らない リクエストはダメ 
「Fly Me to the Moon」もダメ
簡単なメロディ リハーサルもしない
あの宝石のCMのジングルなんてどう? 

※コーラス

(3番) 
お医者さんは「普通だよ」って言う 「大丈夫だ」って言う
先生、安心させてあげて  僕は完全に良性さ 
もし僕を探して おかしくなっちゃったら 
耳かきがあることを忘れないで 

※コーラス

(4番) 
僕は深くない 僕を証明するものは何もない 
ただここで耳に残ってる ブルースを歌う 
田舎に引っ越せば 君は自由さ 
新しい耳を探すよ 一緒に歌おう 

※コーラス

途中の「簡単なメロディ リハーサルもしない」という歌詞はVulfpeckの曲や運営システムと同じであり、面白いことにJackによるセルフ・オマージュになっている。


Theoは「あの宝石のCMのジングルなんてどう?」という歌詞のラインが大好きだと語っている。Jackによれば、それはJ.B. Robinsonという、クリーブランド(Jackの生家がある地域)の宝石店チェーンのCMから生まれた歌詞であるという。(出典:Schvitz Album Release Telethon

ちなみに、こちらがJ.B.RobinsonのCM。👇 

こちらのサイトによれば、1992年にJ.B.Robinsonは既に倒産してしまっている、とのこと。つまりこれは80年代後半生まれの、Jackの幼少期の記憶が元になって作られたパートである可能性がある。


出典:VULFPECK /// Earworm

アントワンがカウベルとキック、という非常に珍しい編成。音楽的には16ビートであるが、ファンクというよりはポップかつフォーキーな雰囲気になっており、リラックスした楽曲。「Here We Go Jack」に続く、Jackの新機軸というところだろう。


3. New Guru

出典:VULFPECK /// New Guru

Antwaun Stanley — vocals 
Woody Goss — wurlitzer 
Cory Wong — guitar
Joe Dart — bass 
Joey Dosik — sax, bgvs 
Jack Stratton — keyboard, mixing, overdubs, composer 
Theo Katzman — drums, bgvs 
Jacob Jeffries — bgvs, composer 
Nick Nagurka — engineer 
Mike Shea — camera

Antwaunがメイン・ヴォーカルを務める曲。今回のアルバムは珍しく、彼が全編にわたって参加している。

作曲はJackと、Jacob Jeffries(ジェイコブ・ジェフリーズ)の二人。

JacobはVulfmonの「How Much Do You Love Me?」でVulfに初参加、その後、2022年9月に行われたライブでのゲスト参加も果たした。

彼はいまもっともJackから信頼されている、注目のゲスト・プレイヤーだと言えるだろう。

Jacobは画像左から2番目 出典:VULFPECK /// New Guru

曲は70年代のファンキーなディスコを意識しており、例えば映画「Saturday Night Fever」でも使われたDisco Inferno(1977)」などがグルーヴはよく似ている。

しかし、ディスコでは絶対歌われないような歌詞になっているのがこの曲の面白いところだ。

(1番)
もし 愛が待つ人にしか来ないのなら 
もし 神が祈る者にしか仕えないのなら 
もし 忍耐があなたを遠くに感じさせるのなら 

No Noって言わなくちゃ (No No!)
そんな古い決まり文句に 
Go Goって言わなくちゃ (Go Go!) 
この新しい道に 驚かないで 
あなたは自分に騙されていた

(コーラス)
あなたは新しい 別のものを見つけなきゃ
新しいグル(筆者注:指導者/教祖)を見つけよう
あなたは新しい、別のものを見つけなきゃ
新しいグルを見つけよう

(2番)
あなたの人生は 以前は幻だった
悪は法律に守られていた
希望がまだ逃亡者だった頃に

No Noって言わなくちゃ (No No!)
そんな古い決まり文句に 
Go Goって言わなくちゃ (Go Go!) 
この新しい道に 驚かないで 
あなたは自分に騙されていた

※コーラス

(ブリッジ)
袖にシワができたら
シャツを脱いでアイロンをかけよう
シンクに食器が山積みになったら
スポンジを取り出して、きれいにしよう

単純作業は 事実から目をそらせてくれる
壁に亀裂があるように あなたの魂に穴があいているんだ
あなたは修理を先延ばしにして 大丈夫なふりをする
怖いから その問題に手をつけられないでいる

だから その重荷を背負ってくれる人を探すんだ
迷える魂の重荷を軽くするために
あなたを目覚めさせ その日を生き抜くために
道を示してくれる人を探すんだ

※コーラス(繰り返し)

New Guru(新しい指導者)というタイトルが示すとおり、歌詞は解放と求道がテーマになっているように感じる。また、神や悪といった単語も登場し、宗教的な意味合いも感じられる。

こういった少しシリアスなテーマは、享楽的と言われたディスコでは選ばれなかったものであり、本来であればディスコ以前の60年代に歌われていたと考えられる。

しかし「新しい指導者を探すんだ」という、従来の宗教的リーダーを否定するかのような内容は、逆に封建的な60年代ではありえない歌詞。

しかし、歌っているのは60年代を彷彿とさせるAntwaunのゴスペル由来のヴォーカルで――という、二重三重に生まれている時代のねじれ、「これはいつの時代の曲なんだ?」思わせる手法が、この曲の非常に面白いところだと言えるだろう。


この時代を錯覚させる、ねじれの作曲法は、前述の「How Much Do You Love Me?」でJackとJacobの作曲チームが行った手法とかなりよく似ている。

JackとJacobの作曲チームは、「How Much Do You Love Me?」とこの「New Guru」で、Vulfの新たな境地を切り拓いていると言えるだろう。また、アルバム最後の「Miracle」も二人の作曲なので、お楽しみに。


4. All That's Left Of Me Is You

出典:All That's Left Of Me Is You

Theo Katzman — vocals, wurli, composer 
Woody Goss — piano 
Cory Wong — guitar 
Joe Dart — bass 
Joey Dosik — organ, bgvs 
Jack Stratton — drums, mixing 
Antwaun Stanley — bgvs 
Nick Nagurka — engineer 
Mike Shea — camera

今回ようやく登場した、Theo Katzmanの曲。非常に素晴らしい内容で、個人的にTheoのベストソングと言っても過言ではない。

美しいメロディー、陰りを帯びた歌詞。何度聴いても飽きない世界観だ。

(1番)
僕はただの果物の欠片
真昼の太陽の下に取り残されて
昆虫だけが口にする 
果汁が流れている間に 

彼らは何も無駄にしない 
すべてを使い果たす 
そして女王を養う 
僕に残されたのは君だけだ 

(コーラス)
僕に残されたのは君だけだ × 4

(2番)
僕はただのフレンドリー・ゴースト
廃墟のような部屋にいる
古いガレージの上
92年から空いてる

君が光を当てると
ベイビー、輝いて見えるよ
ここには何もない
僕に残されたのは君だけだ

(コーラス)
僕に残されたのは君だけだ × 4 (以降繰り返し)

なんとも切ないラブ・ソング。孤独に苛まれている主人公と、想い人のストーリーだ。「僕」も「君」もいっさい性別が明かされていないし、また「君」の視点では一度もストーリーが語られていない。

非常に限定的で私小説的な、ある意味官能的とも言えるこの偏った世界観が、Theoの素朴な声で歌われるとき、類まれな美しさを放つ。

Theoは「Love is a Beautiful Thing」でも切ないラブ・ソングを書いており、こういった曲は得意としていたが、今回はさらに洗練された内容になっていると言えるだろう。


この曲は1番と2番だけレコーディングされていないが、Theoによれば、実際には3番まで書いてレコーディングに臨んでおり、2番を削って3番を活かした――つまり、我々が2番だと思って聴いていた部分は、実際には3番だったということである。

削られた2番については、この動画で語られている。👇

I'm just a scratched up screen
Dozens of dime sized holes
Fun for the cat to scratch
Critters they come and go

I'm just a flimsy fence 
Suburban breeze blows through 
There's nothing to protect 
All that’s left of me is you

僕はボロボロのついたて
10セントサイズの穴がたくさん
猫が楽しんで引っ掻く
虫が来ては去っていく

僕は薄っぺらいフェンス
郊外の風が吹き抜ける
何も守れない
僕に残されたのは君だけだ

この削られた2番を語っている時のTheoは一切何も見ておらず、この歌詞がしっかりと記憶されていることが分かる。もちろん、作品を良くするために削ったという意図でこの話は語られており、彼の作詞に対する強い想いと、ミニマルさを追求するJackのスタンスが垣間見える良いエピソードだ。

また、TheoはVulfのレコーディングでは必要以上に多くの歌詞を書き、それを削ってレコーディングするとも語っている。(以上出典:Schvitz Album Release Telethon


では、サウンドの話をしよう。これは非常にビートルズ、しかもポール・マッカートニーの曲に似ている。

JackもVulfのメールマガジンでこの曲について「Theoはポールの曲を隠し持っている」と書いてきているほどで、実際にTheoは過去にも「Lonely Town」でポールのような曲を披露していた。

Theoによれば、意図的なものではなく、自分の曲のリストの中に、たまたまいくつかポール・マッカートニーのような曲が入っている、とのことだ。(出典:Schvitz Album Release Telethon

もともとビートルズが大好きなTheoなので、意識せずともその影響が出てしまっているのかもしれない。


5. Simple Step

出典:VULFPECK /// Simple Step

Antwaun Stanley — vocals, composer 
Theo Katzman — drums, bgvs, composer 
Woody Goss — wurli 
Cory Wong — guitar 
Joe Dart — bass 
Joey Dosik — sax, bgvs, composer 
Jack Stratton — piano, mixing, composer 
Justin Douglas — composer 
Nick Nagurka — engineer 
Mike Shea — camera

Antwaunがメイン・ヴォーカルの曲、2曲目。なんとJackが大学時代に結成していたバンド、Groove Spoonの曲。実に13年ぶりのレコーディングとなった。

時には昔の話をしよう。13年前、2009年にミシガン大学に、Groove Spoonというバンドがあった。

もともとはJackが結成していたバンドで、2008~2009年に大規模なメンバーチェンジが行われた結果、同じミシガン大学の学生だったAntwaun StanleyJoe Dartが参加する、10人編成のAOR系ファンク・バンドになっていたのだ。

I was at his you know, house in the basement and there was this like 10 piece band and playing and we were, you know, learning you know, these funk tune soul tunes and just rocking out and then we started going and playing shows like on there was this t shirt shop called Elmos on I think it was Main Street, off of Main Street, and they had like this underground, you know, lounge joint, and we would have concerts there and invite our friends and they would come out and dance to our arrangements of an Earth Wind and Fire tune or, you know, you name it. And, and we would also do some original songs and stuff like that, too. It was, it was a ton of fun. And there was like a horn section. You know, I would lead some songs, and there were two ladies involved, and they would lead some songs and we would do background for each other. And that was it was so much fun.

Antwaun:ジャックの家の地下室で、10人編成のバンド(筆者注:Groove Spoon)が演奏していました。ファンクやソウルの曲を練習していたんです。

それからライブをするようになりました。メインストリートだったと思いますが、エルモスというTシャツ屋があって、そこの地下にラウンジがあったんです。そこに友達を招待して演奏しました。みんな私達がアレンジしたアース,ウィンド&ファイアーの曲や、いろいろな曲で踊ってくれました。

また、オリジナルの曲も演奏しましたね。とても楽しかったです。ホーン・セクションもありましたしね。私がリード・ヴォーカルだった曲もあれば、女性2人が参加して、彼女たちがリードする曲もあり、お互いにコーラスを担当しあったりをすることもありました。それらの活動が、とても楽しかったんです。

"Don't Compare. Be Aware." ft. Antwaun Stanley | Singer/Songwriter
当時のJoe 出典:GROOVE SPOON • Dance Week (Live From the Dude)
当時のAntwaun 出典:GROOVE SPOON • Simple Step (Live From the Dude)
当時のJack 出典:GROOVE SPOON • Simple Step (Live From the Dude)


Groove SpoonはJackが大学を卒業したタイミングで解散し、彼は次にVulfpeckを結成する。そういったわけで13年間、このバンドのことはあまり語られてこなかったが、ついに今回、再び光が当たることとなったのである。

作曲者に名前が入っているJustin Douglasは、Groove Spoonのメンバー。
当時の作曲に関与しているため、今回も名前が入っている。
出典:VULFPECK /// Simple Step

前述の通り、Groove SpoonはAOR系のファンク・バンドだった。このAOR系とはつまりSteely Danなどのことで、当時のGroove Spoonの記事にも、無人島に持っていくのはSteely Danの『Royal Scam』だと書かれている。

というわけで、今回の「Simple Step」も、そういったタイプの楽曲になっている。ファンキーでポップ、明るい雰囲気。これはVulfのファンにもかなり刺さり、実際にVulfpeckの新曲としてリリースされた後は、Twitterで好意的なツイートが非常に多く見られた。

もともとはGroove SpoonのJustin DouglasがMIDIでピアノパートを書き、Jackがそれを聴いて「とても良いコード進行だ」と思ったことから、曲の形に仕上げていったと語っている。(出典:Schvitz Album Release Telethon

では、歌詞を見てみよう。

(1番)
君の体の骨を選んで 
よく考えるんだ 
その骨、それだけを動かして 動きだせ 
翼を広げて飛び立とう

(コーラス)
選ばれたジャイレイションのアイソレーション(回旋の孤立)が
 世界的なレボリューション(革命)を起こせるんだ
 シンプルなステップさ、バンババン!って

(2番)
目をつぶって想像してごらん
君は素敵だって知らないのかい
心とココロのふれあい
ファッションで、パッションで、最高の気分さ

※コーラス

(ブリッジ)
君はもう踏み出せる、分かってるんだ × 4

※コーラス(以降繰り返し)

韻を踏んだ言葉遊びが多めの歌詞で、非常に前向きな内容になっている。実は、今回は13年前の歌詞から大幅に書き直されており、全体像としては同じだが、細部はかなりリニューアルされている。書き直しが行われた理由については、こんな会話が交わされている。

Joe : This reminds me  of how a Steely Dan Donald Fagen talks about how the lyrics to one of their tunes it might have been wasn't "Sign in Stranger" but one of the tunes, they rewrote some of the lyrics for the tour in the 90s. And if you listen to "Alive in America", some of the lyrics are different. So Stratton talked about how some of these original lyrics just didn't really speak to him anymore. So you guys went in there for a lyric rewrite session?

Jack : Yeah.

Joe : (筆者注:この曲を聴いていると)Steely Danのドナルド・フェイゲンが、彼らの90年代のツアーのために歌詞をいくつか書き直したことについて話していたのが思い出されるね。曲は「Sign in Stranger(1977)」か何かだったと思う。『Alive in America(1995)』を聴くと、歌詞の一部が違っているんだよね。

以前Jackは、「このオリジナルの歌詞のいくつかは、もう彼には響くようなものではないんだ」と話していたね。今回、歌詞の書き直しを行ったのは同じような理由?

Jack : そうだね。

出典:Schvitz Album Release Telethon


歌詞の書き直しにはTheoが参加しており、オリジナルの歌詞を書いたJackとAntwaunの希望を聞きながら変えていったと語られている。もともとはイントロにも歌があり、かなり歌詞が多かったが、結果としてVulfpeckらしくミニマルになった印象だ。

ちなみに、JackとAntwaunが消してほしいと言ったところでも、Theoが「いや、僕はこれが好きなんだ!」と言って残した箇所があるらしい。(出典:Schvitz Album Release Telethon

個人的な予想になるが、それは最初の方の「骨」に関する歌詞ではないかと思う。そこで「骨」が出てくることは必然ではないが、誌的であり、Theoが好みそうなフレーズだ。ここは大きな変更が行われていない。

逆にコーラスでは「ジャイレイション」「アイソレーション」だけだった韻に「レボリューション」が加わっており、これは削った箇所ではなく追加された要素になっている。


6. In Heaven

Antwaun Stanley — vocals 
Theo Katzman — guitar, bgvs 
Woody Goss — guitar 
Cory Wong — guitar 
Joe Dart — bass 
Joey Dosik — guitar, composer 
Jack Stratton — guitar perc 
Nick Nagurka — engineer 
Mike Shea — camera 
Rivers — dog

MVの画が非常に面白いこの曲は、Joey Dosikの曲。原曲は彼のアルバムで既にリリースされている。(本人による解説動画もある👇)


今回はAntwaunが歌ってカヴァーしているが、それについてはJoeyはとても喜んでおり、「みんな、Antwaunに自分の曲を歌ってもらえる喜びを知ったほうがいいよ!」とコメントしている。👇


ちなみにVulfpeckは今回のように、過去のJoeyやTheoの曲をVulfpeck名義でレコーディングし直すことが多いが、それについてはネタ切れなどではなく、「レコード全盛期のやり方に回帰している」のだということが、今回初めて明かされた。

Theo : And one thing that I want to mention about one of the fun things that Vulf has embraced over the years, which I see as really, for some reason, it's not really a part of our modern time, the way it was, in the heyday of record making, which is multiple arrangements, different versions of the same song, sort of like a&r artists and repertoire, you know, a different artists singing the same song, for example. Love the one you're with Stephen Stills, Aretha Franklin, what's the version? You know, they're both amazing versions. Like it's it wasn't a it wasn't perceived back then as like, oh, no, someone's already sung that song, right? Like the relationship to the song. And the artist wasn't such that we assumed that one. Audio Recording would be it for a song. Yeah. And now we're some reason for some reason, we're more in that lane. And so I have found it really amazing to get to take these different songs that I have such a relationship with, like Joey's version of in heaven. And then now we get this one with vulf it's so it's so cool to me. That's really fun. So I don't know.

Antwaun : I totally agree with that. Yeah.

Theo:Vulfが長年にわたって取り組んできた素晴らしいことについて触れておきたいです。これは、現代にはあまりないことだと思います。つまり、レコード製作の全盛期のように、同じ曲を違うアレンジで、異なるアーティストが歌うというものです。

「Love The One You're With」は、Stephen StillsAretha Franklinのバージョンがありますが、どちらも素晴らしいバージョンです。当時は、「この曲はもう誰かが歌っている」というような認識ではなかったんです。曲との関係性が今とは違ったんですね。アーティストも、それを前提としていませんでした。

オーディオ・レコーディングは、曲のためにあるべきでしょう。そして今、私たちは何らかの理由で、そのレーンにいるんです。なので、Joeyの「In Heaven」のような、自分にとって思い入れのある曲を、Vulfと一緒に作ることができるなんて、本当に素晴らしいことだと思います。とっても楽しいよ。

Antwaun:まったくその通りですね。

つまり、彼らは自らの曲をカヴァーし合うことで、70年代までのレコード製作のやり方を蘇らせようとしているのだ。これは元はJackの発案だとのことだが、この視点は非常に画期的だと言えるし、メンバーもそれを楽しんでいることが今回の会話から伝わってくる。


では曲の中身の話をしよう。原曲はキャロル・キングが好きなJoeyらしいピアノ・ポップだが、Vulfではピアノを使わず、あえてギターでカヴァーしている。

しかしそこはVulf、普通の演奏はしない。なんとアコギを5本も持ってきて、1本はパーカッションとして使ってしまっている。

しかもJackによれば、ベース以外はすべて、中央の1本のステレオマイクで録音されているということである。それでこの録音クオリティは本当に素晴らしい。(出典:Schvitz Album Release Telethon

出典:VULFPECK /// In Heaven

歌詞も非常に詩的で、さまざまな解釈ができる内容だ。ふたりの男女の話なのは確かだが、年齢や関係については断定的な描写がない。老夫婦のようにも読めるが、そうでない可能性も潜んでいる。

意訳が入っているうえに完璧な訳とは言えないが、この曲に関しても翻訳を試みてみた。

(1番)
二人でうまくやれることを探そう
二人でできることを
補聴器をオフにする前に
君と一緒に解決したいんだ

ジョークから始められるかな
君が笑顔になるように
僕のすべてをあげたい
天使のように歌えたらいいな

君にそう思ってもらえるように
誰かにそう思ってもらえるように
さあ、そろそろ始めよう

(コーラス)
もし僕たちが天国で正しくいられないなら
一緒にいることにも気づかないかもしれない

一緒に
忘れるわけがない
一緒に

(2番)
最高の場所とは言えないかもしれない
でも、僕たちの子どもに何て言おう
100の理由があっても、僕たちの間に割り込むべきじゃない
どうして誰も手にすることができないのか
僕たちは一緒に掴もう

君にそう思ってもらえるように
誰かにそう思ってもらえるように
僕たちは変わらなければ

(コーラス)
もし僕たちが天国で正しくいられないなら
一緒にいることにも気づかないかもしれない
心配だから急いだほうがいいかも
天国で一緒に年をとることができるように

一緒に それはどんなに素晴らしいだろう
一緒になるために どんなに素晴らしいか考えてごらん
一緒に どんなに素晴らしいか考えてごらん
ひとつになるために

(ブリッジ)
ワクワクする
正しいことをすることと
私たちがどう努力するか
努力し続けよう
前に進むために
もっと頑張ろう
立ち尽くすだけでなく
どうしたのですか、主よ
What's going on

(3番)
君にそう思ってもらえるように
誰かにそう思ってもらえるように
僕たちは変わらなければ

(コーラス)
もし僕たちが天国で正しくいられないなら
一緒にいることにも気づかないかもしれない
僕たちはもう一緒だと想像してごらん
天国で一緒に年をとることができるように

一緒に それはどんなに素晴らしいだろう
一緒になるために どんなに素晴らしいか考えてごらん
一緒に どんなに素晴らしいか考えてごらん
ひとつになるために

一緒に
一緒に
一緒に
天国で一緒に年をとることができるように

Joeyによれば、この曲は(おそらく)2017年のVulfpeckのツアーのサウンドチェックですでに軽く演奏しており、その際は作曲の途中だったとのことである。そして翌年、2018年の彼のアルバムで発表された。

コーラスの歌詞は、1995年ごろのウィル・スミスのスピーチで、彼が天国について触れた発言から着想を得たとのことである。Joeyは深夜2時にYouTubeを観ていたらそのワードに出会い、すぐさま書き留めたとのことだ。(出典:Schvitz Album Release Telethon


ちなみに、MVにはRiversがふたたび登場している。笑

出典:VULFPECK /// In Heaven
出典:VULFPECK /// In Heaven


7. Serve Somebody

Antwaun Stanley — vocals
Theo Katzman — drums, bgvs
Woody Goss — wurli
Cory Wong — guitar
Joe Dart — bass
Joey Dosik — piano, bgvs
Jack Stratton — keyboard, mixing
Nick Nagurka — engineer
Mike Shea — camera

こちらはなんと、Bob Dylanのカヴァー

原曲は1979年の「Gotta Serve Somebody」。こちらに関しては訳が出回っているので、リンクで紹介させていただきたい。

もともとはブルース進行を基本としたファンキーなロックで、ゴスペル、ソウルの要素もある曲。黄金期のアレサ・フランクリンのレコーディングに関わった、Jerry WexlerとBarry Beckettがプロデュースした曲なので、そのあたりでArethaマニアのJackが好んで聴いていた可能性がある。

また、原曲のレコーディングのドラムがかなりタイトでデッド(残響音がない)なので、Jackはここにミニマル・ファンクとしての要素を見て、Vulfpeckで取り上げたのではないだろうか。

今回のカヴァーではアレンジとして、原曲にないリフがコーラスのラストに入っているが、Jackはそれをスティーヴィー・ワンダーのSigned, Sealed, Deliveredのようなリフ」と語っている。(出典:Schvitz Album Release Telethon


8. Romanian Drinking Song

Theo Katzman — drums, kazoo
Jack Stratton — wurli (left), mixing, composer
Woody Goss — wurli (right)
Cory Wong — guitar
Joe Dart — bass
Joey Dosik — sax
Nick Nagurka — engineer
Mike Shea — camera

Jackが作曲した非常によるシンプルなファンク。8小節をループするだけのミニマルファンクだ。

さて、この曲の素晴らしさは、あまりにコスパが高いことにある。この曲は非常に単純な仕組みになっているので、作曲はおそらくすぐに終わったと思われるが、8小節ループだけだと、曲として聴いているときに飽きられてしまう可能性があるだろう。

それを解決したのがこの曲で用いられている、カズーだ。

カズーを吹くTheo 出典:VULFPECK /// Romanian Drinking Song

カズーは小さな笛のような見た目をしており、咥えて歌うことで自分の歌が「ブーッ」という音になってしまう楽器だ。音程は自分の歌に左右されるが、正確なものにはなりづらいため、ちょっとしたおかしさを感じられる。

Theoはこのカズーを使い、演奏と動画に華を添えている。つまり、ただの8小節ループのファンクが、爆笑動画&音源にすり替わっているのである。

これはコスパを重視する彼らならではのやり方だと言えるだろう。


9. What Did You Mean by Love?

Antwaun Stanely — vocals
Theo Katzman — guitar, composer
Jack Stratton — drums, mixing
Woody Goss — wurli
Cory Wong — guitar
Joe Dart — bass
Joey Dosik — organ
Nick Nagurka — engineer
Mike Shea — camera

こちらは、Theoの過去曲。今回のVulfpeckではAntwaunが歌っている。

前述のようにメンバーの過去曲をカヴァーするのが彼らの活動のひとつになっているので、この曲もそのようにしてレコーディングされたものだろう。

歌詞についてはこちらのサイトで既に和訳が行われていたので、今回はこちらを紹介させていただきたい。


原曲は8ビートのロックだが、VulfpeckではAntwaunのゴスペル・ヴォーカル、バッキングのオルガンやドラムのグルーヴによって、8ビートのような16ビートにアレンジされている。

この曲は原曲でもJoeがベースを弾いているので、彼にとっても馴染み深い曲がVulfに取り上げられたのは嬉しかったことだろう。

出典:Theo Katzman – What Did You Mean (When You Said Love) [Official Video]


10. Miracle

Antwaun Stanley — vocals
Theo Katzman — vocals
Jack Stratton — drums, composer, mixing, editing
Woody Goss — wurli
Cory Wong — guitar
Joe Dart — bass
Joey Dosik — vocals
Jacob Jeffries — vocals, composer
Raul Fernandez — cinematography spaceship scene
Nick Nagurka — engineer
Mike Shea — camera

今回のアルバム、最後の曲。「New Guru」と同じように、JackとJacobの作曲チームによる曲だ。

出典:VULFPECK /// Miracle

ブルース進行を繰り返すシンプルな曲で、親しみやすいメロディと、愉快な歌詞が特徴である。

(1番)
すべてのいのちはミラクル、ミラクル、ミラクル
すべてのいのちはミラクル
だから生き続けろ 生き続けろ 生き続けろ
その調子だ
セカンドラインを演奏するとき
証明するものは何もない

(2番)
すべてのいのちはミラクル、ミラクル、ミラクル
すべてのいのちはミラクル
だから生き続けろ 生き続けろ 生き続けろ
その調子だ
セカンドラインを演奏するとき
証明するものは何もない

(3番)
ヒトカゲ、君はいじわる、いじわる、いじわる
ヒトカゲ、君はいじわるな子だ
なぜいじめる いじめる いじめる
ピカチュウをいじめる?
リザードンになったら
どうするんだ?

(間奏:Jack)
「テープB16に移ろう
テープB16を持ってきて、ありがとう」

(4番)
すべてのいのちはミラクル、ミラクル、ミラクル
すべてのいのちはミラクル
だから生き続けろ 生き続けろ 生き続けろ
その調子だ
セカンドラインを演奏するとき
証明するものは何もない

セカンドラインを演奏するとき
証明するものは何もない

曲調と歌詞から、童謡のような曲として作曲されたのでないかと考えられる。しかし――まさかアルバム最後の曲で、ピカチュウが出てくるとは思わなかった。

ここは「Why you gotta pick on, pick on, pick on, pick on, pick on, pick on Pikachu?」と、ピカピカ言い続ける歌詞になっており、語呂もとても良い。これを書きながらも、ついつい口ずさんでしまう。笑

それにしても、1番が終わったところでTheoのギターソロが入ってくるが、アドリブとは思えない見事なソロで、歌のなかに自然なメロディーとして組み込まれている。


また、途中でRaul Fernandezの編集による、謎の宇宙船シーンが挿入される。

出典:VULFPECK /// Miracle

これはなぜか宇宙船にいるJackが「テープB16を持ってきてくれ」と言っている映像だ。その後演奏シーンに戻ったとき、きっかり半音ピッチが上がって、キーがFになった状態の演奏がスタートする、という流れになっている。

Jackのセリフを信じるなら別テイクをこの宇宙船シーンで繋いでいる、ということだろうし、同じテイクでピッチを上げたものを繋いでいるのかもしれない。あまりに唐突すぎる宇宙船シーン同様、ここの詳細は残念ながら宇宙の端のように謎に包まれている――。


まとめ

以上、アルバム概要と、全10曲の解説だ。

ちなみにこのアルバム、アメリカ盤、EU盤、日本盤の3種類があるが、日本盤は私がライナーノーツを書いている。これはJackの正式な依頼を受けたもので、Vulfpeckのレコードジャケットに日本語が入る、かつそれをJackが依頼するというのは、これが初めてのことだ。



2023年はこのアルバムを引っ提げてのライブが行われることだろう。フェス出演も盛んになりそうだし、来日公演についても大きな期待が持てる。

すでに2023年5月末のアメリカのフェス、Summer Camp Music Festivalへの出演が発表された。

画像出典:Summer Camp Music Festival


引き続き、このnoteでは彼らの様子を追いかけていきたい。

そして――昨年末にリリースされた、私の本も読んでいただければ光栄である。


では、また次の記事でお会いしよう。



―――――著者情報――――――

Dr.ファンクシッテルー

宇宙からやってきたファンク博士。「ファンカロジー(Funkalogy)」を集めて宇宙船を直すため、ファンクバンド「KINZTO」で活動しています。

「KINZTO」の活動と並行して、音楽ライターとしても活動しています。

■バンド公認のVulfpeckファンブック


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