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Vulfpeck新プロジェクト「Wong's Cafe」全曲完全解説

KINZTOのDr.ファンクシッテルーだ。今回は「どこよりも詳しいVulfpeckまとめ」マガジンの、33回目の連載になる。では、講義をはじめよう。

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今回は、Vulfpeck(ヴォルフペック)の新しいプロジェクトとして発表された「Wong's Cafe(ウォンズ・カフェ)」についてまとめていきたい。

先日、サブスクリプションで「Wong's Cafe」の全曲が解禁され、その全容が明らかになった。


まずこのアルバムには、実は大きな謎がある。「果たしてこれはVulfpeckなのか?」というものだ。

実は今回のアルバムは、


①YouTubeでは「Vulfチャンネル」でリリース

②サブスクでは「Cory Wong」名義でリリース

③実際のレコードには「Wong's Cafe」だけ表記


という形で発表された作品であるため、誰の作品、何のためのアルバムなのか、というのが分かりにくくなっている。

それでも、この発表された楽曲群や、Coryのインタビューから、その答えを解明することができた。

結論から言うと――

今回の「Wong's Cafe」は、

2019年のVulfpeckのレコーディングと、2021年までのCory Wongのレコーディングをまとめた、コンピレーションアルバム

である。

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Cory Wong // 出典:https://www.youtube.com/watch?v=QvM0YouhQLo


それではまずアルバムの概要解説、次に全曲解説を行いながら、Coryの意図を解き明かしていきたい。


Wong's Cafe(ウォンズ・カフェ)概要

「Wong's Cafe」は、2021年12月10日~2022年1月8日の間、Vulf Recordsから発売されたレコードであり、「Vulf Valut」シリーズの5作目となる。


Vulf Records(ヴォルフ・レコーズ)はこれまでVulfpeckとTHE FEARLESS FLYERSのレコードをリリースする際の販売元になっていたレコード・レーベルであり、

VulfpeckリーダーのJack Stratton(ジャック・ストラットン)による経営のもと活動するインディーズ・レーベルだ。

Vulfpeckは悪疫の影響で2020年からレコーディングがストップしており、Jackはそこから「既発曲を再リリースする」という方針でレーベル活動を行っていくことにした。それが「Vulf Valut」シリーズである。


これらはVulfpeck主要メンバーをテーマにしたコンピレーションアルバムで、例えば1枚目となった「Vulf Vault 001: Antwaun Stanley」は、Antwaun Stanley(アントワン・スタンレー)の参加曲のみを集めたコンピレーションとなっていた。


「Vulf Valut」シリーズは基本的にはすべて既発曲のみで構成されていたが、ジャケットは全く新しいデザインとなっており、さらにJackが「再発は行わない」と明言していたために、ファンにとっては重要なお布施の対象となった。

そしてその第5作目としてリリースされたのが、今回の「Wong's Cafe」となる。


「Wong's Cafe」も過去の「Vulf Valut」シリーズと同様、主要メンバーを対象にしたアルバムとなっている。つまり今回は「Cory Wongをテーマにしたアルバム」という位置づけだ。


しかし、「Wong'sCafe」は過去の「Vulf Valut」シリーズと決定的に違う点がある。それは、ほぼ全てが新曲だったということである。

これについては、2022年5月号のギターマガジンに掲載されたCoryのインタビューで、その意図が解明された。

今年1月にアルバム『Wong's Cafe』がリリースされました。コリー・ウォン名義のアルバムですが、Vulfpeckのメンバーも参加していて、実質的にVulfpeckの新譜のような雰囲気もあります。どういうアルバムなのか教えてください。

僕らは今"Vulf Vault"と呼んでいるシリーズのサイクルに入っていて、例えばアントワウン・スタンレーの『Vulf Vault 001: Antwaun Stanley』もその例だね。これはVulfpeckの各メンバーをフィーチャーしたレコードを作るというコンセプトのコンピレーションなんだ。

――なるほど。

そのあとはウッディー・ゴスの『Vulf Vault 002: Inside The Mind Of Woody Goss』、セオ・カッツマンの『Vulf Vault 003: Theo!』と続いていった。そして僕の番が回ってきたとき、ジャック(・ストラットン)からどういったものを作りたいのか聞かれて、僕は"新曲だけで作ったらクールなんじゃない?"と考えた。というのも、『The Joy Of Music, The Job Of Real Estate』(2020)のためのスタジオ・セッションで、アルバムに収録されなかった曲がけっこうあったんだよね。そういう未発表曲をきちんとプロデュースして、ギターを中心に作り直したらどうだろうと提案したら、ジャックは"ぜひやるべきだ!"と言ってくれた。そういうわけでVulfpeckの未発表曲を僕の"Vulf Vault"としてリリースすることになったんだけど、これまでの"Vulf Vault"じゃなくて、あくまでも"コリー・ウォンのバージョンのVulf Vault"だったから自分のアルバムとしてリリースすることにしたんだ。

ギターマガジン2022年5月号(96ページ)


新曲のみで構成するのはCoryの案で、またVulfpeckのレコーディング・セッションでお蔵入りになっていた動画・曲が複数あったことから、この形に落ち着いた、ということだ。


詳しくは個々の曲の解説で述べるが、曲の内訳は以下のようになっている。

■「Disco De Lune」「You Got to Be You」「Let's Go!」「Radio Shack」の4曲は、2019年にVulfpeckが集まった時のセッションでレコーディング。

■「Smokeshow」「Sweet Potato Pie」「Out in the Sun」はCoryがバンドメンバーやWoodyと、おそらく2021年にレコーディング。

■「Memories」「Guitar Music」「Kitchen Etude」は、Coryひとりで、やはりおそらく2021年にレコーディング。



さらにタイトルやジャケットは、Coryの祖父と祖母が始めたお店から取られていることがわかっている。

ちなみに、僕の親族が地元のミネソタで"Wong's Cafe"という中華料理店を経営していて、もともとは1940年代に僕の祖父母が始めたものなんだけど、その店の写真がアルバムのジャケットになっているよ。

ギターマガジン2022年5月号(96ページ)

Cory : This song is on Wong's Cafe, which is it's the name of my family's restaurant that my grandparents started three quarters of a century ago.

コリー:この曲(Memories)は"Wong's Cafe"に収録されていますが、これは私の祖父母が約75年前に始めた実際のレストランの名前です。

https://www.youtube.com/embed/Km-Uc9SFYYM?rel=0&start=633
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画像出典:https://youtu.be/BJRjlsn0NyE



また、CoryのYouTubeでは、「Wong's Cafe」は「Coryがサブスクにアップロード処理を行なった」ことも語られている。これは、Coryが「自分のアルバムとしてリリースすることにした」と話している点とも一致する。

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画像出典:https://youtu.be/Km-Uc9SFYYM

Cory : Check out the new single smoke show. It's on Spotify. I use a digital distributor called distro kid. I log into my Distrokid I say I want to upload an album. I put in the album and they take care of putting it on all of the services for me.

コリー:ニューシングル「smoke show」をチェックしてください。Spotifyで配信されています。僕は「Distrokid」というデジタル配信サービスを利用しているんだ。「Distrokid」にログインして、「アルバムをアップロードしたい」と伝える。僕がアルバムをアップロードした後、Distrokidがすべてのサービス(筆者注:SpotifyやApple Musicなどのサブスクリプション)に登録してくれるんだ。

出典:https://youtu.be/Km-Uc9SFYYM



また、なんと「Wong's Cafe」は、Vulfpeckのアルバムの中で最も売れた作品だと言う。

このアルバムは素晴らしいことに今のところVulfpeckの曲で最も売れたアルバムとなっているんだ。誇らしく思うね。

ギターマガジン2022年5月号(96ページ)

これはVulf Recordsにおけるクラウドファンディングでのレコードの販売数について語っていて、「Wong's Cafe」は10458枚の注文が入っていた。

2位がTHE FEARLESS FLYERSの「Tailwinds」で9059枚。Vulfpeckのアルバムに限定するのであれば、次は「The Joy of Music, The Job of Real Estate」の7604枚である。(参照:https://qrates.com/artists/12114

これはCoryの世界的な人気と、悪疫があった後、最初のVulfpeckの新曲が発表されたレコード、ということで多くの注文が入ったことによるものだと思われる。ここは、Coryのビジネスセンスも強く感じるところだ。


では概要解説は終わりにして、各曲の解説へと入っていこう。


1. Smokeshow

アルバムの1曲目を飾るのは、2021年12月8日に公開された曲。

Cory Wong — guitar, bass, keyboard, mixing, composer
Woody Goss — piano, composer
Eddie Barbash — alto sax, curved soprano sax
Jack Stratton — mastering(参照:上記動画)

「Smokeshow」という名前どおり、ファッションショーに使われていそうな感じの、ちょっと妖艶な曲になっている。ジャンル的には非常に曖昧で、16ビートではあるが、ファンクというよりはCoryが得意とする「エレベーター・ミュージック」、つまりスムース・ジャズに近いと言えるだろう。


これは、Woody Goss(Vulfpeckメンバー)が作曲したものをCoryがアレンジ。Coryが鍵盤とサックス以外は全てレコーディング、後からEddie Burbush(※1)がサックスを追加した。

これはすべてリモートでレコーディングされたもので、Coryがほぼ全てを演奏していることからも、Coryのソロ・プロジェクトの曲である。

(※1 エディー・バーバッシュ(Eddie Barbash):Coryバンドに現在参加しているサックス奏者。以前、Vulfpeckにも楽曲「Eddie Buzzsaw」で参加したり、ライブにも複数参加している)

Cory : Woody Goss sent me a demo. He said, I don't know what to do with this. I got this tune idea. What do you got? I said, Oh, dude, I know exactly what to do with this. I put a bunch of stuff on it. What he was like, "Yes!!! that's so great." He was super excited about it. We went back and forth on a bunch of email things, and I played everything on the song except for the pianos woody played and Eddie Barbash played Alto and soprano sax. If you haven't seen the music video for this song. It's pretty funny. Jack Stratton, bandleader of Vulfpeck decided to put this to Versace 95.

コリー:ウッディがデモを送ってくれて、彼は「この曲をどう完成させたらいいのか分からない」と言っていました。でも僕にはその答えが分かった。僕は「どうすればいいか、カンペキに分かったぜ」と返事をした後、自分でアレンジして送り返してみた。するとウッディは「YES!!! これは素晴らしい!」と言って、とても喜んでくれた。

そこから何度もメールでやりとりをして、曲の中ではウッディが弾いたピアノ以外はすべて僕が演奏し、エディ・バーバッシュがアルトとソプラノ・サックスを演奏しました。この曲のミュージックビデオを見ていない人は――これはかなり面白いですよ。VulfpeckのバンドリーダーであるJack Strattonは、「95年のヴェルサーチ」にこの曲を入れることにしたんです。

出典:https://youtu.be/Km-Uc9SFYYM
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画像出典:https://youtu.be/Km-Uc9SFYYM


Coryがすぐにアレンジの全体像を見越せたのは、おそらく彼がこういったスムース・ジャズの曲を多数レコーディング&アレンジしてきたからだと考えられる。

本来のWoodyのデモがどんな感じだったのかは定かではないが、Coryが自らアレンジの際にかなりスムース・ジャズに寄せたのではないだろうか。

またCoryの口からも語られているが、YouTube動画はJack Strattonが担当した。映像はなぜか1995年のジャンニ・ヴェルサーチの、春のランウェイが使われている。このあたりのセンスがジャックらしくて面白い。

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画像出典:https://youtu.be/Km-Uc9SFYYM


また、曲のタイトルは最初Woodyが考え、後に「Smokeshow」に変更されたと語られている。

Cory : Now the interesting about this tune Gsus the entire way. The original title for this tune up until I sent it to Jack was Gsus and the Manger.Woody came up with that. Come on. I got to give it up to him. It's a dope title. But I think smoke show actually after putting the song together fits the song.Gsus and the manger that's pretty good. That's pretty good. I really hope that what he uses that for something else or I'm gonna have to steal it. Hey, we got copyright on that so don't you go trying to steal that album or song title?Here's the base. It's all Jesus throughout the whole song. So I tried to come up with one pattern for the verse one pattern for the B section.

コリー:この曲の面白いところは、ずっとベースラインが「Gsus(筆者注:sus4の略で"sus"と言っている)」なんだ。この曲の原題は、僕がジャックに送るまでは「Gsus and the Manger」だった。笑

タイトルはウッディのアイデアだった。彼には感謝しています。いいタイトルだよね。でも「Smokeshow」は、曲をまとめ終わった今となっては曲の雰囲気に合っていると思うよ。
「Gsus and the Manger」もとてもいいですね。ウッディが、そのタイトルを何か他のことに使ってくれることを願っているよ。…ヘイ、俺たちには著作権があるんだから、アルバムや曲のタイトルを盗もうとするんじゃないぞ?笑

さぁ、これがベースラインです。ずっとコードがGsusなんだ。だから、僕はまず1つのパターン、次のBセクションにもう1つのパターンを考えました。

出典:https://youtu.be/Km-Uc9SFYYM
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画像出典:https://youtu.be/Km-Uc9SFYYM

「Smokeshow」は、2021年末に公開されたCoryバンドのライブ映像「WONG ON ICE!」でも演奏されており、ライブにおける定番曲となっている。


2. Disco De Lune

Cory Wong — guitar, mixing, overdubs
Jack Stratton — piano, composer, mastering
Woody Goss — piano
Theo Katzman — drums
Joey Dosik — rhodes
Joe Dart — joe dart bass
Eric Ryan — engineer(参照:上記動画)

2021年12月14日に発表された2曲目。これが、約1年半ぶりとなる、Vulfpeckメンバーが勢ぞろいした演奏の動画となった。

これは「Vulfpeckの新曲」である。

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珍しくES-335を弾くCory。理由は後述
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画像出典:https://youtu.be/QJe6o3E4iCk

ただ前述のように、これは過去にレコーディングされていた曲と動画である。

具体的には、「The Joy Of Music, The Job Of Real Estate(2020)」のためのレコーディング・セッションで録音されていたがお蔵入りになっていた曲で、場所やタイミングに関してもCoryがその詳細を明かしてくれた。

――動画を見たところ「Disco De Lune」や「You Got To Be You」では珍しくES-335を弾いているようですね。

それはたくさんの人に言われるんだよね(笑)。この2曲を録った時はちょうどVulfpeckのツアー中で、デンバーのレッド・ロックス野外劇場でプレイする前日(筆者追記:2019年5月8日)だったんだ。ツアーにはセオがES-335を持ってきていたんだけど、ジャックに"この曲はセオのギターで弾いてみたら?"って薦められてね。それで、"たまにはいいかもね!"って使ってみたんだ。

ギターマガジン2022年5月号(96、97ページ)
翌日のレッド・ロックスでのライブ。確かに、テオがES-335を弾いている。画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=1JA3i0GF280



今回のアルバムには、このデンバーのスタジオでのレコーディングが合計3曲出てきたが、これらは全て、2019年に「3 on E」のインストゥルメンタルがレコーディングされたスタジオと同じであり、

その曲が入っていた「The Joy Of Music, The Job Of Real Estate(2020)」のレコーディング・セッションの時の作品という話の裏付けになっている。

「3 on E」画像右側の背景が同じ場所 / 画像出典:https://youtu.be/b2_CJ_nx-l4


メンバーはVulfpeck主要メンバーのうち、ヴォーカルのAntwaun Stanleyを除いた6名が揃っている。Antwaunも翌日のレッド・ロックスのライブには出演していたが、このレコーディング・セッションはインスト曲を録るという目的があったため、不参加だったのだろう。

作曲はJackで、内容は完全にVulfpeck初期、ミニマル・ファンクのアレンジだ。曲名はフランス語で「ディスコの月」という意味。

2012年のアルバム「Vollmilch」あたりを思わせる、いかにもこのうえにヴォーカルが乗りそうなアレンジ。そして当時とは違い、今回はディスコの曲になっている。


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画像出典:https://youtu.be/QJe6o3E4iCk

基本的に、Jackはピアノでベースラインしか弾いていない。おそらくJackがピアノの両手を使ってコードとベースラインを作って、その右手のコード部分をWoodyが弾いているのではないかと思われる。

また、JoeのベースもJackのピアノと一緒に慣らされているが、後半でそれを壊さないように、わずかなスキマにJoeがとんでもないフレーズを詰め込みまくり、Coryがニヤケるシーンが出てくる。

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画像出典:https://youtu.be/QJe6o3E4iCk


3. You Got to Be You (Instrumental)

Cory Wong — guitar, mixing, overdubs
Jack Stratton — piano, mastering, composer
Woody Goss — wurli
Joey Dosik — rhodes
Theo Katzman — drums
Joe Dart — joe dart bass
Eric Ryan — engineer(参照:上記動画)

2021年12月22日リリース、さきほどと同じデンバーのスタジオでレコーディングされた、Vulfpeckの新曲である。

やはりJackがピアノで作曲。これに関しては先日、JackがYouTubeのライブ配信でピアノによるチュートリアル動画を公開した。

内容的には、やはり初期を思わせるミニマル・ファンクのアレンジとなっており、いかにもソウルのバック・トラックといった雰囲気も、完全に「Vollmilch(2012)」の頃のVulfpeckである。

2021年末に公開された久しぶりの新曲が、活動初期のスタイルだったというのは、ファンへの何よりのプレゼントだったように思えてならない。

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画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=aAwyJMYz6zQ

メンバーやスタジオ、録音されたタイミングも、先ほどの「Disco de Lune」と全く同じである。

Jack、Woody、Joeyの3人が並んで鍵盤を弾く構図になっており、こうした「画の面白さ」も取り入れているのがVulfpeckの面白いところだと言えるだろう。

またこの曲は表記が (Instrumental)となっているため、後に歌入りのテイクがリリースされるのがほぼ確実である。Vulfpeckは常に、そうやって曲をリリースさせてきた。

それが次に発売されるVulfpeckのニューアルバムになるのではないか?という予想をしているのだが――果たしてどうなるだろうか。


4. Let's Go! (instumental)

Cory Wong — guitar, overdubs, mixing, composer
Jack Stratton — guitar, mastering, composer
Woody Goss — synth
Theo Katzman — drums
Joey Dosik — wurli
Joe Dart — joe dart bass
Mike Viola — engineer, camera(参照:上記動画)

2021年12月29日に発表された新曲。これもVulfpeckの新曲だが、細かいことを言うとちょっとだけ違う。

正確には、Coryの「Airplane Mode」を基にして、Jackがイントロのギターなどのアレンジを加えた曲だ。

Coryのソロ曲をモチーフにしてJackがアレンジを施すのは、THE FEARLESS FLYERSの「Simon F15」も同様であるため、ふたりの間では慣れたやり方だったのかもしれない。


ちなみに、この曲も(Instrumental)表記になっているため、いずれ歌入りでリリースされるだろうと思われる。

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画像出典:https://youtu.be/VJ26I0rqSk0

イントロ、おおよそJackらしからぬ歪んだギターのリフが印象的だ。しかしすぐにCoryの爽やかなメロディーが始まって笑ってしまう。この対象的なアレンジはJackによる意図的なものだろう。


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画像出典:https://youtu.be/VJ26I0rqSk0

メロディを何度もCoryとJoeが一緒に弾く瞬間があり、そのシンクロ具合も非常に気持ちがいい。このテイクの半分くらいは、そこを聴くためにあると言っても過言ではないかもしれない。

またVulfpeckでは非常に珍しく、Woodyのアドリブソロを聴くことができる。

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画像出典:https://youtu.be/VJ26I0rqSk0

レコーディング&撮影に使われたスタジオはおそらく、Mike Viola(※2)所有の個人スタジオ。これは「Radio Shack」のレコーディングでも使われており、どちらの曲もカメラ、エンジニアはMikeになっているため、そう予想している。

さらに、おそらくこの「Let's Go!」がレコーディングされたタイミングも、「Radio Shack」がレコーディングされたのと同じタイミング、2019年だと思われる。場所が同じだけでなく、Jackの服装もまったく同じになっているのが理由だ。

Coryのインタビューでの話にあったとおり、「The Joy Of Music, The Job Of Real Estate(2020)」のレコーディング・セッションで「Radio Shack」と一緒に録音されたものだろう。

(※2 マイク・ヴァイオラ(Mike Viola):アメリカの有名シンガーソングライター&プロデューサー。TheoがファンだったことからVulfpeckと関わりが始まり、Mikeは「For Survival(2018)」にシンガーとして参加。以降は「Radio Shack」と本曲のクレジットで参加している。)


5. Memories

さて、ここからは現在、動画が公開されていない曲となる。しかし、クレジットに関してはCoryのInstagramで判明したので、それを転載させていただきたい。

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画像出典:https://www.instagram.com/coryjwong/

Cory Wong - guitar, mixing, composer
Jack stratton - mastering (参照:CoryのInstagram

クレジットからも分かるように、これはCoryによるセルフ・レコーディング作品だ。演奏時間も1分15秒と短い。この曲に関してはYouTube動画で解説が行われている。

まず、タイトルの「Memories」は、古代の地球や、何世代か前のものと自身が繋がるイメージで付けられたという。

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画像出典:https://youtu.be/BJRjlsn0NyE

この曲はCoryによるメロディ、バッキング、ベースが重ねられ、ドラムは入っていない。

解説によると、この曲は弦楽器だけで生まれるハーモニーに重点が置かれた曲で、彼の独自のサウンドメイキングが活きているという。

Cory : My goal on this song was to make a tune that was just guitars. I normally do a lot of rhythm section, horn section, keyboards. This one I wanted just guitars to be the whole tune.

コリー:この曲での目的は、ギターだけの曲を作ることでした。私は通常はリズムセクション、ホーンセクション、キーボードを多用しています。でもこの曲では、ギターだけで曲全体を構成したかったんだ。(出典:https://youtu.be/BJRjlsn0NyE)

動画の解説によると、この曲の基本はギターメロディー、ギターカッティング、ベース の3種類の演奏で構成されているが、その中身が繰り返し、繰り返し録音されているため、通常のギターやベースの音を超えた、豊かなハーモニーになっているとのことである。

例えば、ギターメロディーだけでもなんと9回レコーディングされている。

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画像出典:https://youtu.be/BJRjlsn0NyE

コリーがここで語っているのは、彼はギターメロディーのハーモニーを①メロディー、②追加の2声のハモり、③さらに追加する刺激的なハモり の考え方で組み立てていくらしく、それをさらに左右のチャンネルで録音していたら9チャンネル分になった、という話だ。

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画像出典:https://youtu.be/BJRjlsn0NyE

特に、③さらに追加する1声の刺激的なハモり の内容が重要だということを熱く語っている。ちょっとここはマニアックな話だが、コリーのプレイを研究するギタリストにはヒントになるかもしれない。

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画像出典:https://youtu.be/BJRjlsn0NyE

コリー:ギターが9回入っているんです。まず全く同じ音程のメロディーを2回弾いて、LとRに振る。それから、左右で少し低めのハーモニーが加えられています。私は、メロディと2つのハーモニー、そしてさらに刺激的なハーモニーを加えています。

私がギターで行うハーモニーの中でユニークだと思うのは、4度堆積和音(Quartal Harmony)です。ジャズをやっている人たちの多くは、マッコイ・タイナーのピアノの4度堆積和音について語っていますが、私のスタイルは彼とは少し違います。私はもう少しペンタトニックが好きで、4度堆積は必要に応じて加えています。(中略)

普段はペンタトニックですが、時には低音や高音に4度を加えています。それと、オクターブを追加するような感じです。基本的には、三声のハーモニーに、少しだけ音を追加しています。でも、この和声はギターで弾く場合の、独自のやり方なんです。時々メロディを1オクターブ下げてミックスに入れたり、1オクターブ上げてミックスに入れたりすることもある。これは、私がリードラインを作るときによく使う方法のひとつです。ハーモニーを科学的に、理論的に作ろうとするのではなく――つまり、紙の上でどう並ぶか、楽譜上でどう見えるかということよりも、もっとハーモニーの持つ「形」を考えるんだ。(筆者注:必ずしも教科書どおりでなくても、自分の耳で正解を探してハーモニーを作っている、という話だと思われる)

私のアプローチは――もしかしたら適切ではないかもしれませんが、ロイ・ハーグローヴの作品の多くが、一般的なビッグバンド・ホーンのアレンジとは違っているように、私にとっては、それがドープなサウンドになるんです。

出典:https://youtu.be/BJRjlsn0NyE


ここはギタリストにとって非常に重要な話だが、それを聴いているドラマー、Peterの顔をご覧いただきたい。

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画像出典:https://youtu.be/BJRjlsn0NyE
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Petar Janjic (ドラマー)画像出典:https://youtu.be/BJRjlsn0NyE

ちなみに、バッキングパターンが常に固定であることに関しては、「"マントラ"のようにひたすら繰り返すパターンを演奏することで、曲のテーマに沿った何かを生み出せると思った」と語っている。

またベースラインも3回レコーディングされているが、左右のチャンネルに通常のオクターブ、中央に1オクターブ低いベースを配置して、独特の音像を狙ったとのことだ。

ベースのピッチシフトはLogicのプラグインで行い、これは2021年に一緒にレコーディングしたKimbraから教わったとのことだ。

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使用プラグイン 画像出典:https://youtu.be/BJRjlsn0NyE

この曲のクレジットではJackがマスタリングを担当しているが、これは最終的にレコードをプレスしたのがJackであるため、その処理をJackが行った、という意味である。実際にVulfpeckが楽曲の内部には一切関わっていない、まさにCoryの作品だ。


6. Sweet Potato Pie

Cory Wong - guitar, bass, percussion, mixing, composer
Woody Goss - piano, wurli
Eddie Barbash - alto sax
Jack Stratton - mastering (参照:CoryのInstagram

やはりこちらも動画が公開されていないが、クレジットから、Coryの作曲であり、1曲目の「Smokeshow」と同じメンバーであることが分かる。これもCoryのソロ・プロジェクトの楽曲だと言えるだろう。

しかし、内容「Smokeshow」とはまったく異なっており、なんとちょっとお茶目な雰囲気のある、カントリーの楽曲となっているのだ。

ここでもEddie Barbashがメロディを担当しているが、Eddieはサックスでカントリーやブルーグラスなどのルーツミュージックを演奏することをメインに活動するミュージシャンであるため、彼を起用するのは非常に自然な流れであると言える。

「Smokeshow」、この「Sweet Potato Pie」、そして「Out in the Sun」のサックスは同じ日に、同じ場所で2時間ほどをかけてレコーディングされたそうで、そのあたりもCoryのYouTubeで確認が取れている。

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出典:https://youtu.be/Km-Uc9SFYYM

Cory : We recorded the saxophone for this in the conference room of a Courtyard Marriott Hotel, in San Diego. Played Morley field disc golf course, hit the hot tub. And then at night went in there and the lady's like, I'll give you 30 minutes in here. So Barbash is working this out kind of learning the melody. And then, Sony walks in while we're recording is like Can I listen at the end of every take like right as he finishes so he goes wow, that's dope And I had to like cut. Yeah, yeah, yeah, just being a hype man.
We ended up being in there for a couple hours because we recorded sweet potato pie out in the sun and smoke show all in that night. And the lady from the front desk is like you said you'd be a half hour it's been two and a half hours. I was like, Can you please just like let us get 20 seconds. She's like what is 20 seconds mean to you? So He recorded the last four bars of out in the sun. And the lady was sitting there watching.

コリー:この曲のサックスは、サンディエゴのコートヤード・マリオットホテルの会議室で録音しました。昼間はモーリーフィールドのゴルフコースで遊んだり、温泉に入ったりして、そして夜になってホテルに行くと、フロントの女性が「30分なら会議室を使ってもいいよ」と言ってくれました。

エディーはメロディーを覚えながら作業を進めていました。そうしたら、レコーディング中にソニー(筆者注:ソニー・T。元プリンス、現Coryバンドのベーシスト)が入ってきて、「聴いてもいいかな」と言ったんだ。でもソニーは全部のテイクの終わりに「ワオ、ドープだ!」「イエーイエーイエー!」って叫ぶもんだから、僕はそれらをカットしなければならなかった。笑

その夜、「Out in the Sun」「Sweet Potato Pie」「Smokeshow」のサックスを録音したので、結局、2時間ほどそこにいました。フロントの女性が「30分で終わるって言ってたのに、2時間半も経っているけど?」と言ってきたので、僕は「どうか20秒だけ待ってもらえませんか?」と返した。彼女は真顔で「あんたの20秒ってどれくらい?」って言ってきたので、Eddieは急いで「Out in the Sun」の最後の4小節を録音したんだ。その間、その女性は座って見ていた。

出典:https://youtu.be/Km-Uc9SFYYM
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出典:https://youtu.be/Km-Uc9SFYYM


7. Radio Shack (Wong's Cafe Version)

2022年1月5日リリース、Vulfpeckの曲を、同じメンバーが新しいアレンジで演奏しなおしたテイクだ。このアルバムの中では、唯一新曲ではない曲だと言える。

Cory Wong — guitar, mixing, overdubs
Woody Goss — rhodes, composer
Joey Dosik — piano
Theo Katzman — drums
Joe Dart — joe dart bass
Jack Stratton — mastering, camera
Eric Ryan — engineer(参照:上記動画)

元のテイクは2020年のアルバムに収められたもので、先ほども紹介したMike Violaがレコーディングエンジニアを担当した際の楽曲となっている。

作曲はWoody Goss。当初はゲームミュージックを思わせる楽曲であったが、Wong's Cafeのバージョンはより生演奏っぽさを意識したアレンジへと変化した。

元はシンセとエレピだった鍵盤が、ピアノとエレピになり、またドラムがJackからTheoになったことで、サウンドにロックやポップスの要素が入り、またテンポが上がったことでドライブ感も追加されている。

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画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=vEaxVyG4qLw


Jackはこの曲では演奏に参加しておらず、カメラマンとしての参加。途中、一瞬だけ鏡に映る。

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画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=vEaxVyG4qLw


また、1分45秒あたりで飛行機のジェット音のようなサウンドが追加されているが、このオーヴァーダブはCoryの仕事だ。

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画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=vEaxVyG4qLw

これまでのVulfpeckのアルバムでは、オーヴァーダブはすべてJackが担当する作業だったが、今回のアルバムはすべてCoryが担当している。

さらにミキシングもすべてJackではなく、Coryが担当しているため、これはおそらくアルバムの音楽面での最終作業を担当しているのがJackではなく、Coryにあったことを意味している。

レコーディング・セッションは「Disco De Lune」などと同じく、2019年のデンバーのスタジオでのものである。


8. Out in the Sun (feat. Eddie Barbash)

Cory Wong - guitar, bass, synth, drums, percussion, mixing, composer
Eddie Barbash - alto sax, curved soprano sax, composer
Woody Goss - wurli
Jack Stratton - mastering (参照:CoryのInstagram

やはり動画が公開されていない曲だが、先述のとおり、「Smokeshow」「Sweet Potato Pie」と同じようにレコーディングされた曲。メンバーも同じで、Coryのソロ・プロジェクトの曲だ。

おそらく、まずCoryが自分でギターやベース、ドラムなどをすべて入れたテイクを完成させ、それを持って自身のバンドで移動していた際、サンディエゴでEddieにサックスのレコーディングをお願いしたと考えられる。

Eddie Barbashにcomposerのクレジットが表記されているため、彼もメロディを作るのに携わったと考えられる。しかし曲を聴き始めて、メロディを考える時間を含めて、3曲を2時間半でレコーディングしてしまったのだから、さすがと言わざるを得ない。

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Eddie Barbash / 画像出典:https://www.facebook.com/EddieBarbash/photos/a.344983582542149/344989475874893/

曲としては、Eddieが吹くルーツミュージックっぽいフレーズを活かした、斬新なファンクの曲だ。かなりCoryのソロアルバムの曲に似ており、Vulfpeckとはまったく違う方向性のジャンルである。

こういった曲が入っていることからも、今回のアルバムがCoryの名義になっているのが納得できる。


9. Guitar Music

Cory Wong - guitar, claps, mixing, composer
Jack stratton - mastering (参照:CoryのInstagram

こちらも動画がないが、Coryによるセルフ・レコーディング作品であり、非常にシンプルな曲だ。解説をしていきたい。

演奏時間は1分12秒。入っているのはCoryのギターと、2拍で1回鳴らされるハンドクラップ音だけだ。

素晴らしくミニマルなファンクであり、個人的に繰り返し聴いてしまう最高の音源である。


これは、左チャンネルではまったく同じカッティングをCoryが繰り返し、右チャンネルで少しずつ違うカッティングを弾いているものを合わせているだけのテイクだ。

たったこれだけなのだが、生まれるグルーヴは素晴らしくファンキー。2022年において、1分12秒という短い時間、ギターを2回レコーディングしただけの曲で、ここまでファンクを表現できるギタリストが他にいるだろうか!?

左チャンネルでギターの音が消える一瞬のタイミングに、右チャンネルでギターが鳴らされる。そのタイミングの緻密さはあまりに完璧で、これだけでもこのアルバムを出した価値があると言える。

「どうだ?真似できるもんならやってみな」とでも言うかのような、世のギタリスト、そしてファンク・ミュージシャンへの宣戦布告とも取れる、おそらく世界一タイトなファンク・ギタリストの「Guitar Music」。

そう、この「Guitar Music」というタイトルで、カッティングしか弾かないというのが、まさにCory Wongなのである。


10. Kitchen Etude

Cory Wong - guitar, pipe organ, mixing, composer
Jack stratton - mastering (参照:CoryのInstagram

やはりこちらも動画がなく、Coryひとりによるセルフ・レコーディング。

くつろいだ雰囲気で鳴らされるCoryのギターと、オーヴァーダブされたパイプオルガンによるベースライン。それに、キッチンでの会話や雑音が入っている、というテイクだ。子どもたちの笑い声がちょっと聴こえてくる。

演奏時間も0分51秒。小曲であり、アルバムの最後を飾り、全体をまとめる役割の内容だ。


Coryは結婚して娘たちがいることが動画で分かっており、キッチンでの会話は、もしかしたら、実際に自宅で録音されたものかもしれない。

そう考えると、この曲のくつろいだ雰囲気も、さらに微笑ましいものに思えてくる。最後にふさわしい曲だ、と言えるだろう…。

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以上が「Wong's Cafe」について、判明していることをなるべく多く書き残したものだ。今後も新しい情報が分かり次第、随時追記を行っていく。

(※2022年3月19日、大幅に内容修正しました。具体的にはVulfpeckの新曲が2019年のレコーディングではないかと判明したので、それに伴った修正です)

(※2022年5月2日、さらに大幅に修正しました。2022年5月号のギターマガジンのインタビューによって、アルバムの詳細が判明したためです。取材を担当された田中雄大様、そしてギターマガジンの皆様、ありがとうございます。アルバムの詳細が判明したので、随時追記はこれで終了とさせていただきます)


◆著者◆
Dr.ファンクシッテルー

宇宙からやってきたファンク研究家、音楽ライター。「ファンカロジー(Funkalogy)」を集めて宇宙船を直すため、ファンクバンド「KINZTO」で活動。


◇既刊情報◇

バンド公認のVulfpeck解説書籍
「サステナブル・ファンク・バンド」
(完全無料)


ファンク誕生以前から現在までの
約80年を解説した歴史書
「ファンクの歴史(上・中・下)」


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