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#4 家庭ごみの分別~分別するのは何のため?~

こんにちは。GTです。
今回は家庭ごみの分別についての記事です。

みなさんも生活で出てくるごみを捨てるときに分別をされていると思います。

「混ぜればごみ、分ければ資源」とよく言われますが、分別することでごみの行方はどう変わるのか、そして分別することで具体的にどんなメリットがあるのかを書いていきたいと思います。


ごみの行方

ごみの分別の種類として、一般的に燃えるごみ、びん、缶、ペットボトルなどがあり、おそらく多くの人は燃えるごみとびん、缶などを混ぜることなくきちんと分別して出しているでしょう。

燃えるごみをさらに分別すると、プラスチック製容器包装や古紙などがあります。
これらは燃えるごみとして混ぜて出していても回収してくれるので、びんや缶は分別していても、ここまでは分別していないという人もいるかもしれません。

ちなみに、引越しを何度もされている方は実感があるかもしれませんが、どこまで分別しないといけないのかは全国共通ではなく、自治体(市町村)によって違います。
これは家庭ごみの処理責任は自治体にあることが法律で定められていて、住民にどこまで分別を求めるかも各自治体が決めているためです。

では、燃えるごみとして出した場合と、そこからさらに分別して出した場合で、ごみの行方はどう変わるでしょうか。

燃えるごみに混ぜて出した場合

まずは混ぜて燃えるごみとして出した場合、その名の通り燃やされて処理されます。
回収された後にクリーンセンターなどという名称が付いている自治体の施設に運ばれ、そこで焼却処理されます。
ただし、単純に燃やして終わりではなく、できるだけ有効活用するため、燃やしたときに得られる熱エネルギーを温浴施設に利用したり、電気エネルギーに換えたりしています。このことを「サーマルリサイクル」とか「サーマルリカバリー」と言ったりします。

分別して出した場合

次に分別してプラスチック製容器包装や古紙として出した場合、新しいプラスチック製品や紙製品にリサイクルされます。
プラスチック製容器包装は回収後にさらにプラスチックの種類別に選別してフレーク状にして最終製品の原料にしたり、プラスチックになる前の素材の状態に化学的に戻したりしています。前者を「マテリアルリサイクル」、後者を「ケミカルリサイクル」と言ったりします。
古紙は製紙会社に運ばれてトイレットペーパーなどの紙製品になります。

このように、燃えるごみとして出せば熱エネルギーの有効利用はされるけれどモノとしては終わり、分別して出せばリサイクルされてモノとして再び活用されるわけです。

分別によるメリット

ここまで読まれた方で、「モノとして再び活用されることの具体的に何がいいのか?」「燃やしても有効利用されていればいいんじゃないか?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
ここでは地球環境へのメリットと、私たち住民へのメリットに分けて書いていきたいと思います。

地球環境へのメリット

まずは大きな話で、地球環境へのメリットとして地球温暖化対策になります。
プラスチックも紙も、燃えればCO2(二酸化炭素)になります。CO2は地球温暖化の原因なので、燃やさないことが地球温暖化を進行させないことになるわけです。

加えて、紙の場合は木が原料なので、リサイクルすることで無用な伐採を避けて森林を保全することにも繋がります。森林はCO2を吸収してくれるので、森林保全もとても重要な地球温暖化対策です。

地球温暖化対策とはやや異なりますが、プラスチックは石油から作られているので、プラスチックをリサイクルすることで石油という限られた資源を長く使えるようにすることにも繋がります。

住民へのメリット

ここからは身近な話で、私たち住民へのメリットとしては自治体の財源確保に繋がり、延いてはよりよい公共サービスを受けられることに繋がります。

途中に書いたように、自治体は家庭ごみを処理する責任があります。そしてごみを処理するにはお金がかかり、それは自治体の財源で賄われています。
ごみを分別することでまさに「資源」となり、ごみを処理する費用の削減や、有価で買い取ってもらえることで収益源にもなることもあります。
分別して「資源」となることで、ごみの処理に使っていた自治体の財源を他の公共サービスに充てることができるようになり、私たちの生活にプラスの形で返ってくることが期待できるわけです。

ちなみに、全国で最もごみの分別を細かく行っているのは徳島県にある上勝町という自治体で、なんと45もの分別区分が設定されています。
よくある「燃えるごみ」の区分は上勝町にはなく、分別をし尽くした上で「どうしても燃やさなければならないもの」が区分されています。(秀逸なネーミングだなと思います笑)

上勝町ではごみを分別することでごみ処理費用を抑えたり、収益化することを実現しています。
でもこれは自治体だけが頑張ればできるというものではなく、住民が分別に協力することが不可欠です。つまり私たち一人ひとりの行動にかかっているわけです。

地球環境のためという大きなことではなかなか実感なく行動に繋がりにくいとしても、私たちの生活にプラスがあるかもしれないと思えばごみの分別をちょっと頑張ってみようかな、という気になりやすいんじゃないでしょうか。
この記事がみなさんの行動のちょっとした後押しになれば嬉しいです。

ではでは、また次回お会いしましょう。

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