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【幼少期エッセイ】笑って キュンときて ほっこりして

この記事では、私の幼少期のエピソードから

・笑える話
・キュンとくる話
・ほっこりする話


の3つを厳選してお届けします。
是非最後までご覧になってくださいね!

あぁ、勘違い


何かにつけデキの悪かった私は
小学2年の夏休み、水泳の補習に通っていた。


それは恥ずべき事、と思う親や友達を尻目に
私はワクワクしながら通っていた。

泳げないのに プールに行くのが楽しみで…


時間が近づくと、鼻歌混じりに準備を始める。


透明のプールバッグにバスタオルを詰め込み、
家からシャキッとスクール水着を着て、
その上からワンピースを着て、
学校で決められた白い水泳帽ではなく
(どこかに置いてきたのか、なかったから)
お気に入りのワンポイント入りの赤い水泳帽
髪の毛一本はみ出さないようにきっちり被り、
颯爽と家を出て、学校へ向かう私。


道を行く人は皆、不思議そうに私を見ていた。


「プール行くのが羨ましいんだな」と私は思った。

学校に着くと、私以外に2、3人生徒がいた。
指導するのは先生ではなく、何人かの上級生。

水に慣れるため、先ずはボタンの様な物を
幾つかプールの底に沈め、潜ってそれを取る。

「赤い帽子の子、取ってきて」

赤い帽子が目立つのか、私によく声がかかる。

普段は水を怖がっている私なのに、
期待されたと思って果敢に水底に潜って取り、
ドヤ顔しながら上級生の所へ持って行った。

上級生に拍手をされると 気分がよかった。



教室ではダメな子だけど、
ここでは私は一番だ!


そう言えば 小学1年の時の勉強の補習も、
ワクワクしながら学校に通っていた。

仲良しの友達と腕を組み、歌を歌いながら、

途中にあるお店でチョコボールを買い、
(買い食いはダメなのに)

それを食べながら 学校へと向かう。

行く道で、同じクラスの女の子に出くわした。



女の子「え、もしかして…今から補習?」

私と友達「(笑顔で) そーだよ」

女の子「・・・」



私、その子に2、3個 手の平に出したチョコボールを差し出して、


私「はい!これ あげる」

女の子「あ、ありがとう」


良い事をしたと思ったら、気分がよかった。

それからまた私は、友達と歌の続きを口ずさみながら、学校へと歩いて行った。

・・それで、水泳も勉強も、成績は上がったのかって?  



上がったのは自己肯定感だけでした。


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小さな恋が終わった日



デキの悪かった私は小学3年の時、恋をした。


好きになった男の子は、同じクラスのM君って子。
その時私といちばん仲の良かった友達が好きだった子で M君も友達の事が好きだったみたい。

友達とM君はクラスが離れ、
私とM君が同じクラスになった。

私は段々 M君を意識するようになり、
M君も 私の事が気になっている感じがした。

略奪愛だ!


おかげで
嫌だった学校に行くのが楽しみになっていた。

しかし…恋は突然終わった。


ある日 教室に女の先生が入って来て…


「里衣ちゃんを迎えに来ました」
と言った。

(…私、この先生 知ってる)  

今まで担任だった事もないこの先生は、
特殊学級の先生。

今の時代は「たんぽぽクラス」とか 優しい名前が付いているけど、あの時代はまんまだった。

私が話さないから
先生の話しを理解していないみたいだから
結果的にデキないから

特殊学級の方がいいと判断されたと解った。


「里衣ちゃん、ちょっとテストに行きますね」


と言って先生は私と手を繋ぎ、教室を出た。

みんなが不思議そうに見ていた。


(恥ずかしいよ!)
(そんなんじゃない!)
(嫌!)

私は心の中で叫び、心の中で泣いた。


ふとM君の顔が目に入った。
M君も驚いていた。

特殊学級の中は異質な感じがして、
(私、このクラスに変わるの?)
と思うと 泣きたかった。

そこで私は わかり切っている質問ばかりされ、
簡単なテストを受けた。

教室に戻った時は 凄く気まずかった。

私はふと、M君の顔を見た。

目が合ったM君は プイと私から顔を逸らした。
明らかに軽蔑した様に…

終わった…


M君には わかってもらいたかったのに。
心が深く傷ついた。


帰ってから母にその出来事を話すと、
母は怒って 学校に電話をかけた。


「この子は努力が足りないだけで 話せばちゃんと解る子です。クラスは変えないで下さい」


...やっぱり、私の味方は 母しかいない。
そう思うのならちゃんと勉強しようと思った。

その時だけ、だけど...

発達は遅れているのに 色気だけは早かった。

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ユカリと温まり合った夜


私の家も荒れてたけど
父の弟の家も 何かと複雑な事情が多くて
そこの子供をうちでよく預かっていた。

叔父のところには三姉妹がいた。
長女の純子は私と同い年で 軽い知的障害があった。 
次女の道子は普通の子。
末っ子のユカリは耳が聴こえず 喋れなかった。
可愛い顔をしてるのに 可哀想だな..と思った。
よく預かっていたのは ユカリ。

ユカリは私の言葉が聞こえないし喋らないけど
二人は普通に遊んでた。心で通じ合っていた。

夜 寝る時も、ユカリは私と同じ布団の中。
何かが不安なのか 丸っとした目で私を見つめ
中々寝つけない様だった。

私は ユカリの髪を撫でてやった。
そうすると ユカリは安心して目を閉じる。

私が寝落ちすると ユカリは私の足に自分の足を擦り付け 髪撫でて と、催促の仕草をする。

違う部屋で 親の罵り合う声が聞こえてきた。

私は怖くなり ユカリと体をくっ付け合った。
そうすることで 気持ちが少し落ち着いた。

心と体が温かくなった。

また ユカリの髪を撫でた。
ユカリは私を見て にっこりと笑った。

罵り合う声が大きくなった。

ユカリが聞いたら きっと怖がっただろうな。
この時ばかりは、
(ユカリの耳が聴こえてなくてよかった)

そう思った。

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